キョウ すのーでん

Blog「みずき」:清水勉弁護士は社会派の弁護士です。「明るい警察を実現する全国ネットワーク」の代表をつとめていることがその論よりの証拠です。清水弁護士は私たちの日常の中にある非日常的なものをたびたび発見します。言われてみるとごく当たり前のことにすぎないことが多いのですが、その当たり前のことに私たちは日頃気づかない。そうした日常の所作の発見者です。今回も清水弁護士は自分の耳で聴いたこととメディアの報道の食い違いを発見します。そして、それが今日のメディアの惨状の批判となっていくのです。自分らしさの視点といったらよいのでしょうか。そして、人を等身大に見る。当たり前のことですが、そういう目で見ることの大切さを思います。

【スノーデンの日常と非日常】
2013年に米政府の個人情報収集を暴露した
エドワード・スノーデン元米中央情報局(CIA)職員が、昨日、東大構内で開かれたシンポジウムに、インターネットで画像参加した。わたしは、彼がいまどんな話をするのか関心があったので、彼の発言がある第1部だけ参加した。彼がどのような経緯でNSA(国家安全保障局)から情報を持ち出し、世界に問題提起した経緯は、『スノーデンファイル 地球上で最も追われている男の真実』(日経BP)に、彼が暴露した情報の中身は『暴露 スノーデンが私に託したファイル』(新潮社)に詳しい。彼は、ここでも冒頭に自分は愛国者であると断わりを入れた。これは、ポーズではなく、彼の本心だ。彼は国家を愛するからこそ、国家のためにインターネット上でスパイ活動をしていた。その内容が国家のためになっていると思えるうちはよかった。それがそうではなくなった。国民全員のデータのやりとりを国家が監視するようになってしまった。国家が国民に内緒でこんなことをするなんて。スノーデンはこのままスパイ活動を続けることに我慢ができなくなった。もちろん、それは、いつも政府が国民全員の日々の行動を監視しているということではない。「だから、悪いことをしていない人は心配いらないのだ」という楽観論があるが、これは間違いだ。日々監視しているわけではいけれど、いつでも監視しようと思えばできるという情報環境になっていることが問題なのだ。

ターゲット・サーベイランスメルケル首相も日常会話の通話が盗聴されていた。アメリカ政府はこれを誰に対してでもできる。アメリカ政府はなぜ、そんなことをするのか。安くて簡単にできるから。それに何か役に立ちそうだから。(この感じは日本社会の監視カメラの普及とそっくり。)(略)知り合いのマスコミ記者も幾人か見かけた。彼らは記事を書くのだろうか。紙面に出るだろうか。さて、どんな記事が出るだろうか。ネット上には神戸新聞の記事があった。見出しは、≪スノーデン氏、日本社会に懸念 特定秘密保護法を問題視≫確かにこの話も出てきたが、メインではなかった。(略)≪報道番組の看板キャスターが最近相次いで交代したことなども挙げ「日本の報道の自由は静かな圧力により、危機にひんしている」と述べ、報道の自由を守る必要があると訴えた。≫確かにこのような言及はあった。しかし、スノーデンは特定秘密保護法の専門家ではないし、所詮、だれかに聞いたかどこかで読んでことを言っているだけではないか。スノーデンが言及するのはいいけれど、あえて記事にする部分ではないのではないか。報道番組の看板キャスターが最近相次いで交代したことについても同じ。スノーデンの記事はスノーデンだからこそ語る内容(超監視社会)を報道すべきなのではないか。神戸新聞は自分が書きたい部分を書いたに過ぎない。これは国民の知る権利に応えていないのではないだろうか。(弁護士清水勉のブログ 2016-06-05
キョウ てんのう6

Blog「みずき」:日本のメディアの自らのリテラシー(情報を〈発信〉する能力)のなさ(たとえばNHKのまるで天皇の臣民然とした天皇報道を見よ)にあまりに腹が立つので「『自衛隊機使用』の常態化図る『天皇の被災地視察』」というアリの一言ブログの論の全文をすでに記事としてご紹介しているものですが「今日の言葉」に仕立て直して再掲することにします。

【「自衛隊高級幹部会に出席する統合幕僚長の拝謁」とはなんぞ?】
天皇・皇后は19日、熊本大地震の被災地を
訪問しました。昼前に特別機(全日空)で羽田から熊本空港へ向かい、蒲島郁夫県知事から状況を聴いたあと、南阿蘇村へ。さらに上空から熊本市内などを視察し、益城町などの避難所を訪れ、日帰り、という日程です。この間、現地の移動、上空からの視察には自衛隊のヘリが使用されました。このことに何の疑問も感じない人は少なくないでしょう。それほどに「天皇・皇后の被災地視察」も「被災地の自衛隊」も当たり前のように思わされています。しかし、「天皇の視察」も「被災地の自衛隊」もけっして「当たり前」のことではありません。「天皇の視察」は、憲法第7条に明記されている「天皇の国事行為」には含まれない、いわゆる「公的行為」です。自衛隊はいうまでもなく憲法9条違反の軍隊です。憲法にない天皇の「公的行為」が、憲法違反の自衛隊を使って行われる。これはきわめて異常な光景だと言わねばなりません。しかも、狭いエリアの移動・上空視察に、軍用機である自衛隊のヘリを使う必要性がどこにあるでしょうか。警察や県のヘリで十分なはずです。ここには、「被災地視察」に際して「天皇の自衛隊機使用」を恒常化・常態化させようとする意図があると言わねばなりません。

現憲法下において、天皇が自衛隊機を公然と使用するのはけっして歴史の古いことではありません。天皇と自衛隊の接近・蜜月は、5年前の東日本大震災を契機に急速に強まりました。東日本大震災から5日後に放送された「
天皇ビデオメッセージ」(2011年3月16日)で天皇明仁は救援活動に携わった公務員をねぎらう際、「自衛隊、警察、消防、海上保安庁をはじめとする国や地方自治体の人々」と、初めて「自衛隊」をトップにもってきたのです。これを聞いた陸上自衛隊幹部は、「今まで以上に自衛隊が頼りにされている、と感じました」(2014年4月28日付朝日新聞)と感激しました。以後、天皇・皇后は東北被災地の視察で自衛隊機を使用し、自衛隊幹部らと会食するなどつながりを強めてきました。ところで、宮内庁は今月9日、天皇の「公務」削減について発表しました。高齢のため、これまで行ってきた「年間約100回に及ぶ拝謁」のうち、7項目を取りやめ、2項目を皇太子に「譲る」というものです。その7項目の中に次のものが含まれていました。「自衛隊高級幹部会に出席する統合幕僚長の拝謁」。いかに頻繁に天皇と統合幕僚長が会っていたか。まだ廃止されていない「拝謁」の中身は何なのか、その実態が明らかにされる必要があります。政府・宮内庁は、東日本大震災で急接近した「天皇」と「自衛隊」を、熊本大地震でも引き継ごぎ、確かなものにしようとしているのです。

「天皇元首化」が明記されている
自民党改憲草案が俎上にのぼろうとしているとき、「天皇」と「自衛隊」の接近・蜜月は絶対に軽視できません。(アリの一言 2016年05月19日
キョウ おばま

【広島(及び長崎)は「お飾り」以外の何ものでもない】
核兵器廃絶を希求する国民世論にとっては、オバマ訪広はいかなる積極的意味をも持たない。オバマ政権(米国)にとって、「核のない世界」はあくまでビジョンに過ぎず、核
デタランス戦略したがって核戦力保有政策は微動だにしていない。また、安倍政権(日本政府)にとっても米国の拡大核デタランス(「核の傘」)は日米同盟の基軸だ。したがって、オバマの訪広が核兵器廃絶に向けた第一歩になるのではないかという期待を抱くものがいるとすれば、それは幻想以外の何ものでもない。外務省での実務経験を持つものとして率直に指摘せざるを得ないのは、核問題に関する日本外交において広島(及び長崎)に与えられた位置づけは「お飾り」以外の何ものでもないということだ。より根本的に、政府・外務省においては、日米安保体制堅持が最中心に座り、軍縮(核を含む)問題は一貫して脇役、それも日米安保体制堅持に邪魔にならないことを大前提とするいわば「日陰の存在」だ。核兵器廃絶を希求する国民世論の存在を無視しえない政府・外務省にとって、核軍縮自体が「鬼子」的厄介物でしかない。

戦後長年にわたり、広島(及び長崎)は、日本の核廃絶運動のメッカ的存在として、核兵器廃絶問題に取り組む姿勢ゼロの政府・外務省に対する対抗軸としての役割を担ってきた。しかし、1960年代以後の高度経済成長、戦争体験の「風化」、国民意識の保守化等の全般的状況並びに、広島及び核廃絶運動における様々な要因の働きにより、広島は今や対抗軸としての機能を担う意思も能力も失ってしまっている。その端的な表れが、日米両政府主導で実現する今回のオバマの訪広であり、それを無条件で歓迎する広島の姿である。つまり、オバマ訪広は核兵器廃絶とは一切関係のない、それどころか核兵器堅持を前提にして行われるセレモニーに過ぎず、それを歓迎する広島は日米両政府の核政策を全面的に受け入れるというにほかならない。つまり、政府・外務省に対する対抗軸としての自己規定を最終的に放棄するということだ。そしてこれからは、日本外交における「お飾り」としての役割に徹することを自ら進んで受け入れるということでもある。(略)

プラハ演説を行った際のオバマに対する国際的評価・期待は高かったことは事実(その端的表れがオバマに対するノーベル平和賞授与)ではあるにせよ、その後7年にわたるオバマの実績に対する国際的な評価は総じて極めて厳しい。オバマが行った主要政策としては核セキュリティ・サミットが唯一のものだが、その主眼は核物質の国際管理と原発推進であり、核兵器廃絶はおろか、核兵器削減に向けた取り組みはゼロである。したがって、オバマの訪広を核軍縮及び核兵器廃絶と結びつけて評価する国際的な動きは皆無といって過言ではない。むしろ、オバマ訪広について浮き足だった反応を示している日本国内の動き(特にマス・メディア)の異常さだけが突出しているのが実情であると言わなければならない。(浅井基文のページ 2016.05.16
キョウ おきなわとかく2

【過去の反省や謝罪のない「未来志向」とは、何なのか】
1972年、5月15日、沖縄の施政権が返還された。44年の月日を思う。さらにさかのぼれば、1945年から1972年までの米軍による占領期が長かった。この長い戦後史は、私たち本土の者が活字や映像などをたどっただけではなかなか理解しかねることも多いのではないか。(略)きょう、5月15日「
NHKニュース7」では、沖縄返還に伴い、いったん撤去した核兵器を、「危機の際には再び持ち込む権利がある」と、アメリカ国防総省が公刊した歴史文書に記されていたことを報じた。日米間でいわゆる「密約」が交わされていたことは、当時の首相佐藤栄作の遺族のもとに、両国首脳がサインした極秘文書 が残されていたことで明らかになったのだが、7年前、政府が設けた有識者委員会では検証の末「文書を後の政権に引き継いだ節は見られない」などとして「必ずしも密約とは言えない」とした結果を報告していたのである。NHKは、「日本政府は1968年、唯一の被爆国として『核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず』とする非核三原則を宣言し、みずからは核を持たないという政策を堅持している」と解説するが、密約を隠蔽していた佐藤首相がノーベル平和賞を受賞していたのだから、噴飯ものである。(略)

ノーベル平和賞といえば、2009年4月5日、アメリカとEUの初の首脳会議が行われたチェコのプラハで、オバマ大統領は、「核兵器を使用したことがある唯一の核保有国としてアメリカが先頭に立ち、核兵器のない世界の平和と安全を追求する道義的責任がある」という
決意を表明し、その年の10月9日にノーベル平和賞を受賞したのである。そのオバマが、5月27日、伊勢志摩サミットの帰路に広島を訪問することが決まった。政府やメディアは、野党までが、今やこぞって大歓迎ムードである。はたしてこれでいいのか、過去の反省や謝罪のない「未来志向」とは、何なのか。なんでも「水に流す」ことでいいのだろうか、というのが素朴な疑問である。被爆者たちと対面することすら避けて、犠牲者慰霊の献花だけで、駆け抜けようとするに違いない、それがそんなに画期的なことなのか。長崎はどうなのか、東京大空襲はどうなのか、太平洋戦争末期の日本各地での無差別空襲、そして何よりも沖縄の地上戦での多大な犠牲者に対して、その後のアメリカと、そして日本政府の仕打ちの過酷さと無責任な対応に怒りがこみあげて来るのを禁じえない。

大いなる声を上げなければならない。日本政府が、みずから「謝罪」を要求しないということは、日本も、もはやどこにも謝罪はしないという意思表示でもある。昨年の戦後70年の「安倍談話」にも、それがよくあらわれていたではないか。(
内野光子のブログ 2016年5月16日
キョウ でんつう
Dentsu

【Dentsuは改憲から対外戦争への道をも演出している】
本間さんの研究は、原発推進広告の歴史的展開を、地方紙を含めた新聞ごとの電力会社等の広告段数や宣伝手法まで具体的に分析して有益ですが、その中核にあるのが、巨大広告代理店、電通です。本間さんは、「電博」とよばれる第二の広告代理店・博報堂出身で、原発広告の作り方・出し方にも精通していますから、説得力があります。「原子力村」の電力企業・メディア・立地自治体の結節点に広告代理店をおき、クローズアップした点が出色です。(略)どうも、原発再稼働に限らず、現在の安部晋三政治の影で、かつて高木徹さんが明らかにした戦争広告代理店 の日本版が形成され蠢いており、改憲から対外戦争への道をも演出しプロパガンダしている形跡がみられます。その一つが、いまや世界を揺るがしているICIJのパナマ文書に出てくると、日本のネット上で話題の 「DENTSU SECURITIES INC」(英領バージン諸島)の話。朝日新聞は、電通とは関係なく「風評被害」という電通広報担当の話をそのまま報じていますが、なにしろ電通広告に大きく依存した大新聞の報道ですから、説得力に欠けます。もう一つの「NHK GLOBAL INC」(パナマ)と共に、徹底的に調べた調査 報道を期待します。(略)

日本のパナマ文書報道を半信半疑にする事例が、東京オリンピックに関わって、出てきました。開催主体である舛添要一東京都知事の高額海外出張・公用車私物化や政治資金・公金私消も大問題で、早くも7月衆参同時選挙と一緒の東京都知事再選挙の可能性まで永田町では流れていますが、電通が関わるのは、もっと大きな問題です。「2020年東京オリンピックの招致委員会から国際オリンピック委員会(IOC)関係者に多額の現金が渡ったとされる問題で、フランス検察当局が金銭授受を確認した」というニュース。JOC会長も、シンガポールのコンサルタント会社「ブラックタイディングス」への二億二千万円以上の振り込みを認め、「当時の事務局で招致を勝ち取るには必要な額」と弁明しています。日本の大新聞報道に出てこないのは、これを世界に配信した英紙『ガーディアン』原文に、金の流れの
にまでちゃんと名前の出ている「Athlete Management and Services(AMS), a Dentsu Sport subsidiary based in Lucerne, Switzerland」の話。『ガーディアン』紙記者による電通広報部取材とその否定談話もでてきますから、報じてもよさそうなのに、大新聞やテレビは報じません。だからこそ、パナマ文書報道も疑われるのです。

国境なき記者団の「報道の自由度ランキング」で2010年の11位から先進国最悪の72位に転落したのもむべなるかな。リオオリンピックを目前にしたブラジル政治の混迷は、他人事ではありません。報道・言論の自由の萎縮と劣化にともなって、日本会議を裏方にした安倍政治も、電通に従属したメディアも劣化して、日本の政治は、市民の批判と抵抗が弱まると、危機的局面に入ります。(
加藤哲郎のネチズン・カレッジ 2016.5.15
キョウ こくれんじんけんいいんかい

【言論の自由が失われた時、それが失われたことを知る機会さえも奪われる】
国連特別報告者が
記者会見で、記者クラブの廃止やメディア企業の幹部による政府高官との会食への批判にまで言及したことが、日本の主要メディアでどれほど真剣に報じられたのだろうか。自らの問題を正しく報じられないメディアに、ジャーナリズムを名乗る資格も、政府の圧力を主張する資格もないことは言うまでもない。カリフォルニア大学法学部の教授で、国連人権理事会を代表して日本における表現の自由の状況を調査していたデイビッド・ケイ氏が4月19日、外国特派員協会で記者会見を行い、日本で表現の自由が危機に瀕しているとの見方を示したことは、国内のメディアでも大きく報道された。

しかし、ケイ氏が記者会見で日本のメディアが抱える問題点や改善されるべき点を多く指摘したのに対し、国内メディアの報道は政府による言論への介入に集中し、メディア自身の問題に触れているところは非常に少なかった。(略)これはビデオニュース・ドットコムでも繰り返し指摘してきたことだが、ケイ氏のメディア批判は
記者クラブ制度再販制度クロスオーナーシップ、そして最近では軽減税率に見られるような日本の大手メディアが享受している数々の特権や政治との近すぎる関係、要するに癒着に向けられている。
ロンドン・コベントガーデン  

Blog「みずき」:この記事の紹介者は次のように言います。「『当事者以外は声をあげるな』が罷り通ることは、為政者と利害関係者の好きにやらせろとほぼ同じ意味。為政者はすべての当事者だから」、と。

【取材対象は、マスコミのネタ袋ではない】
記者になる前からずっと、報道機関の決まり文句として使われる「声なき声に寄り添う」という慣用表現が苦手だった。必死で叫んでいる人たちがいる。周囲の喧騒が大きすぎることで、結果としてこちらに届く叫びはかすれている。だからといって、聞き入れる側の視点で叫びを「声なき声」と記すのは、傲慢で残酷ではないか、と。声を「なきもの」にしているのは誰なのか。匿名ブログ記事
「保育園落ちた日本死ね」や、それを発端とした一連のムーブメントを追いかけながら、あらためて思う。取材を進める中で、現場を威圧的な態度で歩き回る年配の男性に遭遇したことがある。彼は参加者や女性記者の一人一人に子どもの有無を聞いて回っては、「あなたはお子さんがいらっしゃるのね、ならよくわかるでしょう」「へぇ、あなたは独身なんだあ。でも、まだ若いから、ねえ」などと、何かを悟ったかのようにコメントして回っていた。彼だけではない。スタンディングの現場で「アベ(安倍晋三首相)は子どもがいないから、子育てのことは分かんねーんだよ」と悪態をつく通行人もいた。政権へのいら立ちは分かるが、それもまたこじつけだ。「当事者性」も「匿名性」も、問題の本質を語るにおいて、一体どれだけ大切なのか。国会で湧き上がった「誰が書いたんだよ」などというヤジ、安倍首相の「匿名である以上、本当か分からない」発言、テレビに出演した平沢勝栄議員(自民党)の「本当に女性が書いたんですかね」という態度。当事者でなければ切り捨てるのか。当事者なら対応は変わるのか。(略)

「当事者であること」というステータスに重きが置かれているならば、それは非常に危険なことだと思う。当事者の絶対数が少ない社会的マイノリティーは、確実に制度の谷間からはい上がる機会を失い、やがて淘汰される。(略)取材対象は、マスコミのネタ袋ではない。傷付きやすい心を持った生身の人間だ。主催者がきちんと「サイレントスタンディング(紙を掲げ、黙って立つ)」の趣旨を表明しているにもかかわらず、「せっかくなので皆さんで、怒りの声をコールしてみてください。『頑張るぞ、オー』」と拳を突き上げる感じで」などとしつこく要求する中年女性記者もいた。基本的に他社の取材マナーについて口を出さない私だが、思わず「今日はそういうんじゃないから」と声を上げずにはいられなかった。顔を公衆の面前にさらし、存在を示すことに、どれだけの勇気が要るだろうか。一体、それ以上の何を求めるのか。(
草山歩報道部記者「神奈川新聞」2016年4月13日
キョウ ほうどうのじゆうど

Blog「みずき」:朝日新聞の報道は「客観報道」の体をとっていますが、日本の「報道の自由度ランキング」はなぜ年々下がり続けているのか。自らに問いかける姿勢が欠落しています。その自らに問いかける姿勢の欠落がメディア総体として同ランキングが年々低下しているもうひとつの大きな一因になっているというべきでしょう。朝日新聞にはそうした自らに問いかける視点で改めて論評記事を書いてもらいたいものです。そうしてこそジャーナリズムというべきではないのか。


【日本は報道に「問題がある」国に位置づけられた】
国際NGO「
国境なき記者団」(本部・パリ)は20日、2016年の「報道の自由度ランキング」を発表した。日本は、対象の180カ国・地域のうち、前年より順位が11下がって72位だった。特定秘密保護法の施行から1年余りを経て、「多くのメディアが自主規制し、独立性を欠いている」と指摘した。世界的にも報道の自由は損なわれつつあるという。日本は10年には11位だったが、年々順位を下げ、14年59位、15年は61位だった。「国境なき記者団」はかねて、取材の方法しだいで記者も処罰されかねない特定秘密法に疑問を呈してきた。14年12月に同法が施行された後、メディアが自主規制に動くのは、「とりわけ(安倍晋三)首相に対してだ」とした。「良い状況」「どちらかと言えば良い」「問題がある」「厳しい」「とても深刻」の5段階では、日本は「問題がある」に位置づけられた。ランキングは、インターネットへのアクセスなども含めた「インフラ」や「メディア環境と自主規制」といった独自の指数に基づいてつくる。世界全体で、テロの脅威とナショナリズムの台頭、政治の強権化、政治的な影響力もあるような富豪らによるメディアの買収などを背景に、「報道の自由と独立性に対する影響が強まっている」という。国・地域別の自由度では、最上位にフィンランドなどの北欧諸国が目立ち、北朝鮮、シリア、中国などが最下位グループに並ぶ傾向に変わりはなかった。(朝日新聞 2016年4月20日
キョウ ぱなまぶんしょ

Blog「みずき」:パナマ文書問題をどのように報道するかはメディアの質が問われる問題でもあります。「権力の番犬(guard dogs)」化する日本のメディアとの対比においてメディアの役割を「権力の監視者(Watch dogs)」とする2人の欧米の高名なジャーナリストの言葉をはじめにご紹介しておきます。ただし、ここでは大企業の腐敗の構造が問題というべきですので下記の2人のジャーナリストがいう「政府」という言葉を「権力(企業権力)」という言葉に読み換えて用いようと思います。「政府」という言葉に「権力」という言葉を代入するだけですから本質を誤ったことにはならないでしょう。

さて、アメリカの三大ネットワークのひとつであるABCのニュース番組「ワールド・ニュース・トゥナイト」のアンカーを長年務めたことで有名だったピーター・ジェニングス(2005年8月没)は、かつてメディアの役割について「メディアのいちばん重要な目的は、どの政府に対してであれ、一般大衆の側に立ってそれを監視し、日々疑問をなげかけること」であると語ったことがあります(筑紫哲也NEWS23「多事争論」)。

また、イギリスの公共放送BBCの社長だったグレッグ・ダイクは、イラク戦争が始まる直前の2003年3月19日に当時のブレア英首相から「BBCのイラク関連報道は英政府に批判的過ぎる」という非難の手紙が送られてきたことがありますが、同氏は、ブレア英首相宛てに「放送の中心的役割の一つは、時の政権を疑い、政権がいじめてきたら、立ち向かうことである」という返信を送り返しました。そういうこともあってその後も首相官邸の圧力は続き、最悪になったのは、BBCラジオが、イラクの大量破壊兵器疑惑は政府による誇張だった、と伝えてから。情報源探しが始まり、情報源とされた科学者が自殺。そのてん末を検証した調査委員会が「BBCは根拠なき政府非難をした」と結論づけ、官邸の意に沿ったBBC経営委員会がダイク氏をクビにします(毎日新聞「発信箱:僕らのBBC」2014年02月28日)。

いまの日本のメディアのていたらくではとても「権力の監視者(Watch dogs)」などとは言えはしないでしょう。

【パナマペーパーという超弩級爆弾と日本のメディアという超弩級不発弾】
4月の新学期に入って、情報戦の超弩級爆弾が飛んできました。世界のジャーナリストが解析中の、パナマ文書です。日本の新聞報道・ウェブ情報も多数ありますが、まずは、(略)
"THE PANAMA PAPERS" サイトに直行しましょう。(略)中央の"ThePanama Papers: An Introduction" を見てみましょう。"VICTIMS OF OFFSHORE"と題する、動画です。この調査報道の目的が、たんなる政治家・大企業・著名人の課税のがれにとどまらず、一握りの財産亡者の脱税・マネーローンダリングの陰でおこなわれる、戦争・兵器・麻薬ビジネス、人身売買、児童労働、売買春、飢餓と貧困と格差を浮き彫りにするものだと出てきます。各国語版字幕入りが早くもyou tubeに出ましたから、英語の苦手の人も、そちらからどうぞ。そして、"reporting partners" としてトップに出ているのは、パナマ文書を最初に入手してICIJの世界のジャーナリストに提供した南ドイツ新聞に加えて、イギリスの高級紙ザ・ガーディアンと公共放送BBC。報道の信頼性を担保します。80カ国以上、100社以上の約400人のジャーナリストが解析に加わっています。その下の"The Power Players"の頁をクリックすると、Panama Papers に登場する世界の著名人たちが、イラスト入りで数十人。 各国の首脳にアラブの王様、その家族・親族・友人らが出てきます。すでにアイスランドの首相が辞任に追い込まれ、イギリス首相もピンチ、大国ロシアと中国のトップは火消しに大わらわ。底知れぬ闇の世界の一端が明るみに出ています。(略)
キョウ さわふじとういちろう2
DHCスラップ訴訟(控訴審)で勝訴会見をする
澤藤統一郎弁護士(中央)と徳岡宏一朗弁護士(左隣)



宮武嶺さん(徳岡宏一朗弁護士)主宰のエブリワンブログがNTT経営のgooブログから実質的に排除される(同ブログから撤退せざるをえない状況に追い込まれる)という事態が発生しました。言論の自由に関わるきわめて由々しき事態だと私は認識します。

詳細は下記のエブリワンブログの記事をご熟読ください。私もこのままではすまされないという思いでいっぱいです。

取り急ぎご一報。

 
キョウ ぱなまぺーぱー

【メディアはパナマ文書の背後にある「闇」と「暗雲」をどこまで追及しうるか】
パナマ文書」は世界中を激震させている歴史的スクープだ。(日本では騒がれていないけど)この膨大な文書を分析し暴露したのは「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)という団体。ここのHPにVictims of Offshore (オフショアの犠牲者)という説明動画があって、この問題の重要性がよく分かる。(なお、オフショアとは、オンショア(海風)に対して陸から海の方へ吹く「陸風」のことで、転じてビジネスの拠点などを他国に移すことをいう)
キョウ やすだじゅんぺい3

【挑戦しようとする人間がいるからこそもたらされるのが情報なのだ】
きのう発売のSPA(4月12・19日号)に「
安田純平さん拘束事件」の記事が載っていてそこで私も取材された。そのとき、安田さんの「さあ戦場へ行こう」という文章を思いながらインタビューに答えていた。それは安田さんが構成した藤本敏文『戦場観光~シリアで一番有名な日本人』(幻冬舎2015)のあとがきだ。ここで安田さんはジャーナリズム論をまとまった形で述べている。以前、このブログで、安田さんが「戦場に行くことの意味」として「戦後六十年が過ぎ、戦争を知っている日本人が年々減っていく中で、現場を知る人間が増えることは、空論に踊らないためにも社会にとって有意義だ」(『ルポ 戦場出稼ぎ労働者』 集英社新書 2010年)と言っていたことを紹介した。「あとがき」はこれをさらに詳しく展開しており、その一部を紹介したい。彼が危険地に行く動機が理解できるし、拘束されることも可能性として考えていたことがうかがえる。
キョウ くるーぐまん
What I said in Tokyo

【日本のマスメディアは基本的なジャーナリスト精神がないものが99%】
安倍政権は、米コロンビア大・
スティグリッツ教授が「国際金融経済分析会合」に呼ばれて、米国にとってTPPの効果はほぼゼロと推計されるといったTPP批判や量的緩和政策の失敗、格差の是正などを提言しましたが、そのことを隠し、日本のメディアも隠しました。報道されたのは、消費税アップを見直せという、主たる主張ではないところだけ報道。アベノミクスの否定発言を隠し、情報操作した、それにメディアも無抵抗追随ということで、全体主義国家の報道になってきています。日本のマスメディアには(略)基本的なジャーナリスト精神・活動家精神がないものが99%になっています。(ソウルヨガ 2016-03-25
キョウ いらくきかんへい

【「イラク戦争帰還兵」報道とジャーナリズムの精神】
先月、
金平茂紀さんや岸井成格さんら看板キャスターが、総務相が政治的に公平でない放送局に対して電波停止を命ずる可能性があると語ったことへの抗議を行った。大臣発言の背景には、報道内容に神経をとがらせてきた安倍政権のメディアへの姿勢がある。最近、政権に辛口な司会者やスタジオゲストが相次いで降板を表明。国会前のデモや辺野古新基地建設のニュースが出しにくいという放送現場からの声も聞かれる。総務相が停波の可否をジャッジすることは放送法の理念に合致しているのか。参考になる本を紹介していきたい。
キョウ かいけん2

「田原総一朗氏(81)岸井成格氏(71)ら民放のテレビキャスターやジャーナリストらが2月29日、都内で会見し、高市早苗総務相の「電波停止」発言に「私たちは怒っている」と抗議する声明を発表した」(日刊スポーツ 2016年3月1日)ことがニュースになっています。会見に出席したのは田原氏、岸井氏のほか青木理氏、大谷昭宏氏、金平茂紀氏、鳥越俊太郎氏の合わせて6人のジャーナリスト。同じくテレビキャスターの田勢康弘氏は声明の呼びかけ人有志のひとりですが都合がつかなかったのでしょう、会見には出席していません。

やはりジャーナリスト出身で大学教授の永田浩三さんは自身のフェイスブックにこの記者会見について次のように書いています。 

高市総務相の「電波停止発言」。キャスター有志6人が怒りの会見。金平茂紀キャスターは、「今ほど自主規制や忖度が蔓延していることはなかったのではないか。なにも発言せず、息をひそめる態度からは一線を画したい」と語った。立派だと思う。6人のなかで女性はひとりもいない。これがいまのテレビの現実だと思う。

Posted by 永田 浩三 on 2016年2月29日

 
キョウ ぎんが2

Blog「みずき」:人工衛星の打ち上げそのものは、その打ち上げ当事国がアメリカであれ、ロシアであれ、かつまた北朝鮮であれ、すべての国々に認められている宇宙の平和利用の権利です(宇宙条約第1条)。それをアメリカやロシアなど他の国の人工衛星打ち上げは非難せず、北朝鮮だけの打ち上げだけを特化して問題視するのは国際間の公平性と平等性の保障に反する行為です。

だとすれば、「宇宙ロケット・人工衛星は『平和利用』で、ミサイルは『軍事利用』という使い分けそのものが、情報戦」であるとしても、「北朝鮮が国際的に非難されるのは当然」ということにはならないでしょう。 加藤哲郎さんの主張にはその点の認識が欠けているように私は思います。

また、加藤さんが評価してリンクを貼っている「
日本のマスコミ」批判の主張とも矛盾するものです。根拠のある北朝鮮批判は必要だと私も思いますが、ゆえのない北朝鮮批判に与してはならないでしょう。 

【「平和利用」と「軍事利用」という使い分けそのものが情報戦というべき】
米英の報道さえ「ロケット」となっているのに、なぜか日本のマスコミは「事実上の長距離弾道ミサイル」と一斉に報じた、北朝鮮の核実験に続く自称「人工衛星」打ち上げ。確かに米国東海岸まで核弾頭を搭載すれば「ミサイル」になるという点では正しいのですが、かつて「飛翔体」などとよんできたものに、日曜なのに首相以下政府が素早く動き、石垣島にPAC3を配備したものものしい体制を見ると、どうやら自民党改憲草案にいう「緊急事態」の予行演習「有事」宣伝の情報戦だったようです。

北朝鮮が国際的に非難されるのは当然(Blog「みずき」:下記注参照)ですが、そもそもロケット開発そのものが、核開発と一体の軍事技術であったことを振り返れば、宇宙ロケット・人工衛星は「平和利用」で、ミサイルは「軍事利用」という使い分けそのものが、情報戦です。
キョウ かくせいざい

Blog「みずき」:ヤメ検弁護士の郷原信郎さんがいわゆる清原問題に関して「『一発実刑』で清原を蘇らせることはできないか」という主張をしていることに対して、同じく弁護士の徳岡宏一朗さんが「薬物依存症の清原和博容疑者に、治療ではなく「一発実刑判決」での更生を求める郷原信郎氏は間違っている」という批判を反しています。徳岡さんの主張に私は賛成ですが、同様の主張をしている人に脳科学者の茂木健一郎さんがいます。当然、この茂木さんの主張にも私は賛成ですし、情理を兼ね備えた論だとも思います。逆にメディアの清原バッシングにはエセ「正義」漢の姿を見て吐き気をもよおします。

【「一発実刑判決」という主張に対する疑問】
覚醒剤は、脳の報酬系などに強い作用をもたらし、依存症や、幻覚症状などが出るため、絶対に使ってはいけない。かつては国策として用いられたこともあったが、このような激烈な副作用がわかって、今は絶対禁止である。
キョウ みさいる6
北朝鮮「人工衛星」打ち上げ直後のNHKのニュースサイト

【言葉尻りをとらえて「大本営発表」と揶揄したいのではない】
2月7日朝、北朝鮮が予告どおり「人工衛星」の打ち上げと予告して宇宙ロケットを打ち上げ、大手メディアは一斉に「北朝鮮ミサイル発射」と大々的に速報した。どのメディアも「長距離弾道ミサイル」あるいは単に「ミサイル」と表現している。政府が「『人工衛星』と称するミサイルの発射」と発表しているのと歩調をあわせているのだ。ついでにいえば、アメリカ国務省も「北朝鮮のミサイル発射」(D.P.R.K. Missile Launch)と公式発表している。一方、北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは「地球観測衛星・光明星(クァンミョンソン)4号を打ち上げ、軌道に進入させることに完全に成功した」と発表したという。各メディアは、ほとんど鍵かっこすらつけずに「ミサイル」と決めつけて報道している。「北朝鮮が『人工衛星』と称する」という枕詞もつけず、単に「事実上の長距離弾道ミサイル」(読売新聞同日付朝刊1面)と書いているところもある。NHKも速報ニュースのテロップは「北朝鮮ミサイル」、ナレーションでも途中から面倒くさくなったのであろう、単に「事実上の長距離弾道ミサイル」と言っていた。BBCは「長距離ロケット」(long-range rocket)と報じている。ちなみに、日本共産党は「事実上の弾道ミサイル」社民党は「北朝鮮によるロケット」と表記して談話を発表している。
キョウ NHK
けさのNHKニュースより

政府の広報機関と化しているけさのNHKニュースは北朝鮮の「『人工衛星の打ち上げ』と称する事実上の長距離弾道ミサイル」が日本時間の7日午前7時半から発射予告時間帯に入ったことを大々的に報じ、「みなさまのNHK」視聴者に警鐘を乱打しています。今後、他のメディアも同様の「広報」を乱打することでしょう。メディアはまさに乱痴気騒ぎの様相です。

キョウ ハッコウ事件2
白虹事件 
これ以降、大阪朝日新聞の論調の急進性は影をひそめていく

Blog「みずき」:この国のメディアの惨状にもう私は言葉がない。

【4月からは「官報ステーション」と「官報NEWS23」か】