端折って書きましたのでとりあえず草稿としておきます。
 
元外務省のインテリジェンス分析官で評論家の佐藤優が琉球新報の連載コラム「佐藤優のウチナー評論」(2014年8月30日)に「曇った目 沖縄は屈従しない」という記事を書いています。

佐藤優のウチナー評論2
地元紙で識るオキナワ パート2」から

この佐藤の記事にはどういう意図があるのか。佐藤は次のように書いています。
 
ボーリング調査を安倍政権が強行したことに対する県民の反発は極めて強い。安倍政権の姿勢に対する支持率はわずか18・6%、不支持は81・5%だ。「普天間返還・移設問題をどう解決すべきか」という設問に対しては、辺野古移設に賛成する声はわずか10・0%だった。沖縄世論の構造的転換が起きている。しかし、目が曇った東京の政治エリート(国会議員・官僚)には、この明々白々な事実が見えないようだ。(略)菅氏の認識は、「(略)中央政府が決めたことについて、沖縄はつべこべ言わず、従え」という認識に基づいている。(略)沖縄を軽く見る者に対して、われわれは知恵を駆使して必ず報復する。日本流の政治で沖縄を屈服させることはできない。(「琉球新報」2014年8月30日
 
なんとも威勢のよい発言です。まるで沖縄の「革新の雄」でもあるかのようです。しかし、沖縄在住の作家の目取真俊さんはかつて(前回知事選時)この「革新の雄」について次のような評価を下していました。
 
(『週刊金曜日』に)自ら書いている評論や座談会で佐藤氏は、仲井眞氏の〈変節〉を狙う菅政権を批判する一方で、仲井眞氏の「県外移設」という主張を検証することはしない。むしろその検証を封じ込めようとする。冒頭に引用した座談会での佐高氏との会話はそれを露骨に示したものだが、評論では菅政権や朝日新聞の「沖縄差別」批判という形で巧みにそれを行っている。/つまり、佐藤氏が責任編集した『週刊金曜日』11月12日号の「特集 沖縄差別」は、仲井眞氏の最大の弱点である普天間基地問題について、仲井眞氏の「県外移設」という主張の信頼性を高め、なおかつそれが有権者に検証されて〈変節〉の可能性が論じられることを封じ込める=争点ぼかしすることを主たる目的として編まれたように、私には見える。それは仲井眞氏を側面から支援するものだ。(「海鳴りの島から」2010年11月24日

佐藤優の今回の琉球新報掲載の「佐藤優のウチナー評論」(2014年8月30日)の記事にも上記の目取真俊さんの評価と同様のことがいえるでしょう。今回の琉球新報の記事で用いられている佐藤の「東京の政治エリート」という造語は佐藤のいう「沖縄差別」というもうひとつの造語と内容的にはまったく同じものです。上記で目取真さんから批判されている『週刊金曜日』11月12日号の「特集 沖縄差別」の冒頭のリード文は次のようなものでした。
 
一一月二八日投開票の沖縄県知事選挙は、極めて重要な意味を持つ。それは沖縄にとってだけでなく、日本の将来にとっても及ぼす影響は大きい。しかし、残念ながら多くの人々にそのことは理解されていない。この特集では、現在の激しい選挙戦からは距離を置き、沖縄が置かれている本質を取り上げる。本質とは、東京の政治エリートがつくりだす構造的差別について考えることだ。沖縄・久米島出身の母親を持つ佐藤優さんの責任編集で特集を組む。
 
リード文にいう「東京の政治エリートがつくりだす構造的差別」とは「沖縄差別」のことにほかなりませんから佐藤の「東京の政治エリート」論と「沖縄差別」論はまったく同じことを違う言葉で表現しているにすぎないことは明らかです。
 
そうであれば、上記の目取真俊さんの佐藤優批判は今回の琉球新報の「佐藤優のウチナー評論」(2014年8月30日)批判ということにもなりえます。今回の佐藤の琉球新報記事には「東京の政治エリート」というレトリックから「沖縄対本土」「沖縄差別」という構図をつくり、仲井眞知事の裏切りから県民の目を逸らせようする佐藤優の「曇った目」がある。そう「読む」べきものでしょう。

以下、沖縄県知事選問題に関する佐藤優批判の弊ブログ関連記事をあげておきます。
 
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