今日のメディアの記事から。「考え直す時間は、まだ残されている」(朝日新聞社説 2014年6月28日)。だれとなく問うてみたい。以下の記事は、「考え直す」というよりも、私たち(諦めそうになっている私たちもです)は「考え直さなければならない」ことを示している。そうは思いませんか?
 
集団的自衛権:公明、地方から異論 「慎重・反対100%」「連立離脱の声」(毎日新聞 2014年06月29日)
 
公明党は28日、集団的自衛権を巡って47都道府県の地方代表による懇談会を東京都内で開き、党執行部が集団的自衛権の行使を容認する閣議決定などを説明した。しかし第二次世界大戦の記憶が色濃く残る広島、長崎、沖縄をはじめ、地方側は「北から南まで慎重・反対論が100%」(出席者)となり、「地元で連立離脱を求める声がある」「『次の選挙は応援できない』と言われた」と悲鳴もあがった。執行部は「憲法9条の規範は守る」と説得に追われ、閣議決定後に党幹部が各地を回り、支持者に直接説明する方針を示した。
 
与党協議の座長代理を務める北側一雄副代表は会合で、閣議決定について「1972年の政府見解をベースとし、従来方針との整合性は保たれている」と強調。集団的自衛権の全面容認ではないと理解を求めた。一方、地方代表は25人が発言。慎重姿勢から容認に転じた執行部に対し、「憲法解釈の変更を本当に閣議決定でやっていいのか。本来は憲法改正だ」という疑問を皮切りに、発言を求める挙手が殺到した。出席者によると、広島代表は「平和に敏感な県だ。県の全議員から意見を聞いたが、いくら限定的でも集団的自衛権の容認は納得も理解もできない」、長崎代表は「被爆県では行使容認にかなり拒否反応が起きている」と訴えた。沖縄代表は「基地を抱え、万一の時に攻撃されかねないと県民が心配している」と危機感を示した。「日本が戦争に突き進むのかと言われる」(静岡)「閣議決定ありきでなく、まず地方議員に説明すべきだ」(長野)などと執行部批判が続いた。自民党との連立政権について「『解消すべきだ』との声がある」との発言が複数出たが、北側氏は「離脱はしない。公明がブレーキ役を果たす」と訴えた。
 
執行部は地方側にかん口令を敷いたが、会合後は記者団の取材に応じる代表者が続出。鳥取の代表者は「党と地方、支持者の意識に相当差がある」と指摘し、福岡の代表者は「地元の説得は難しい」と述べた。だが、執行部は地方の意見は取りまとめず、30日の国会議員の会合で一任を取り付ける方針。7月1日に与党合意、閣議決定に踏み切る構えで、地方や支持者の反発が続くのは避けられない。
 
社説:視点:集団的自衛権 司法の審査=小泉敬太(毎日新聞 2014年06月29日)
 
◇憲法判断をあなどるな
 
集団的自衛権に基づき自衛隊が派遣されるような事態を迎え訴訟が起こされれば、司法判断が出ることになる。安倍晋三首相は「政府が憲法を適正に解釈するのは当然」と強調するが、行使を可能にする解釈変更が憲法上「適正」かどうかを最終判断する権限(違憲審査権)は最高裁にある。その時、違憲判決が出ないとは言い切れない。政府・与党には、三権の一角を占める司法の場で、いずれ事後チェックを受けることを見据えた慎重で冷静な論議が欠けているのではないか。
 
他国を守るための武力行使を認める集団的自衛権は、国際紛争解決のための武力行使の放棄や戦力の不保持、交戦権否定をうたった憲法9条に反するとの学説は憲法学者の間に根強い。木村草太・首都大学東京准教授(憲法学)によると、国民の生命・自由を国が最大限尊重すると定めた憲法13条などを根拠に政府が従来認めてきた個別的自衛権と異なり、集団的自衛権は憲法に行使を認める根拠規定も手続きの規定もなく、想定されていないという。「政府解釈を変えても違憲は違憲。認めるには憲法改正が不可欠」と話す。ドイツの憲法裁判所などと違い、日本では具体的な紛争が起きて初めて訴訟として裁判所に認められる。集団的自衛権の場合、自衛隊派遣命令などが出た時に差し止め請求が起こされたり、武力行使に伴い生命・財産などの被害を受けた当事者や家族から国家賠償訴訟が提起されたりすることが想定される。
 
今の裁判所に違憲判決を出せるはずがないと、政府・与党は高をくくってはいないか。「憲法9条はわが国固有の自衛権を否定していない」と初判断した砂川事件最高裁判決(1959年)は、日米安保条約について「高度の政治性を有しており、一見極めて明白に違憲無効と認められない限り、司法審査権の範囲外」との見解を示した。いわゆる「統治行為論」だ。集団的自衛権をめぐる訴訟になれば初の憲法判断となる。最終的には15人の裁判官による最高裁大法廷で審理され、結論が示されるはずだ。もし「統治行為論」が再び持ち出され、審査の対象とされないようでは司法の消極姿勢が問われるだろう。そして、違憲判決が出た場合の影響は計り知れない。自衛隊活動の正当性に疑念が深まり、賠償責任を負うなど政府が抱え込む訴訟リスクはあまりに大きいと、木村氏は警告する。司法の憲法判断をあなどってはならない。政府・与党には、憲法学者らの意見に耳を傾ける謙虚さが足りない。(論説委員)
 
■参考:ブルース・アッカーマン「安倍首相は日本のリベラル・デモクラシーの遺産をさらに破壊する憲法クーデターを行おうとしている」発言(「浅井基文 2014.06.26」より)
「安倍首相は、特別の国民投票による日本国民の支持を得ないままで憲法の根本を無効にしてしまう、憲法クーデターを行おうとしている。このクーデターが成功してしまうならば、日本のリベラル・デモクラシーの遺産をさらに破壊することを許す先例を作ることになる。これまでのところ、オバマ大統領は抗議もせずに安倍がそうすることを許している。しかし、これ以上そのような受け身的姿勢を続けるならば、将来に向けたアメリカのアジア政策の道義的基礎が損なわれるだろう。憲法は、首相が経済上の成功による人気を利用して根本的な諸価値に対して革命を企てることを許していない。しかも選挙民は圧倒的に安倍の解釈改憲キャンペーンに対して反対している。権威ある共同通信の6月の世論調査では、世論の55%が安倍の動きに反対しており、それは5月の48%よりアップしているのだ。安倍は内閣法制局に圧力をかけて従来の憲法解釈を変えさせようとし、法制局は今や、集団的自衛権の名のもとに広範な先制的軍事行動を可能にするように第9条の解釈を変えようとしている。このような先制的攻撃は、国連憲章第51条で認められている自衛の範囲をも大幅に超えるものであり、第9条に言う「武力による威嚇又は武力の行使」の禁止を根こそぎにする。(ブルース・アッカーマン、松平徳仁)
 
注:ブルース・アッカーマンは大学院レベルでは全米最難関として知られるイエール大学・ロー・スクール(法科大学院)教授、松平徳仁は神奈川大学准教授。
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