FC2ブログ
福島第1原発にもっとも近い居住地域の相馬市、南相馬市、新地町、飯舘村によって構成されている福島県相馬郡医師会は、既報のとおり先月の30日、原発事故前とくらべて同事故後に鼻血の症状を訴える人は増えていないとする調査結果を発表しました。
 
「住民の鼻血増えていない」 相馬郡医師会が発表(朝日新聞 2014/05/30)
相馬郡医師会:52機関中49が鼻血増加を否定(毎日新聞 2014/05/30)
「美味しんぼ」騒動 「鼻血急増」データなし 自民・片山氏、風評被害払拭へ(ZAKZAK 2014/05/30)
 
その発表資料とその説明に当たった南相馬大町病院院長の自民党環境部会での発表の模様は同党環境部会長の片山さつき参院議員のブログで紹介されています。

相馬郡医師会
 
同発表資料によれば、南相馬市の大町病院の場合、「総受診者数と鼻出血人数」の関係は22年度 29/6780(0.42%)、23年度 20/5663(0.35%) 、24年度 22/6545(0.33%)、25年度 31/6630(0.46%)となっています。
 
公立相馬総合病院の場合はこちらを参照。
 
この調査結果についての公立相馬総合病院耳鼻科医師のコメントは以下のとおりです。
 
「居住地ごとの分類では、当科受診患者の間では、震災後に特に鼻出血が増加した地域はないと思われた。」
 
上記のような公立機関(病院)での鼻血に関する原発事故前と事故後の比較の調査結果がきちんと出ているにもかかわらず、依然として「脱原発」を自称する一部の人たちは下記のような非科学的なことを呪文のように唱えています。その科学的視力(放射線リテラシー)のなさには呆然とせざるをえません。これではいわゆる「脱原発」運動は国民から完全に見捨てられる存在になってしまうでしょう。
 
経産省前テントひろば活動家曰く
 
まず、経産省前テントひろば活動家は、「味しんぼ問題について――権力による真実の封殺を許してはならない」として政府と行政批判を次のように述べます。
 
「1 美味しんぼ「福島の真実」編に対して政府や自治体関係者(安倍首相、石原環境大臣、福島県、福島市、双葉町、大阪府知事、大阪市長など)やマスコミは猛烈な誹謗、中傷、抗議・攻撃を行いました。石原環境大臣は「何を意図しているのか理解できない」と、安倍総理は「根拠のない風評」とそれぞれ発言し、福島大学学長は、荒木田准教授の発言を公然と批判しました。それは、(1)鼻血の多発があたかもデマであり、(2)鼻血が被ばく(放射能)と関係がなく、(3)「風評被害を助長する」というものです。福島で起きている事実や放射能被害に対する科学的知見の無視、あるいは黙殺して行われた公権力によるこれら攻撃は、政府の言いなりにならない者を委縮させることを狙ったものであり、雁屋哲氏の「表現の自由」、小学館の[出版の自由]を侵害するものであり、福島大学学長の行為は大学教員の「学問の自由」に対する侵害に他ならず、井戸川克隆前双葉町長に対して浴びせられた、まるで嘘つきであるかのような人格攻撃は重大な人権侵害です。絶対に容認できるものではありません。」
 
そして、その政府、行政批判の根拠を次のように述べます。
 
「4 “鼻血”が福島原発事故による放射能汚染が原因であることを明らかにした調査は存在します。1) 鼻血の事実は沢山報告されています。①伊達市立保原小学校の保健だより(2011年7月)1学期に鼻血を出す子が多かった事が記載されています。②国会議員質問でも多く触れられています。(平成24年6月14日、参議院東日本大震災復興特別委員会での自民党、森まさこ議員)③雑誌「デイズジャパン」の編集長広河隆一氏はチェルノブイリの原発事故後、周辺住民5人に1人は鼻血を訴えていたことを明らかにしています。④何よりも井戸川さんが自ら“鼻血”の事実を証言しています。2) 環境省環境保健部は5月8日付で「放射性物質対策に関する不安の声について」を発表し、「東京電力福島第一原子力発電所の事故の放射線被ばくが原因で、住民に鼻血が多発しているとは考えられません」と述べています、しかし、“鼻血”が放射線被ばくに因るものでないとは一切証明していません。」
 
まず、1)の①について。福島県の一小学校の保健だよりで、かつ、2011年7月と限定された時期の子どもの鼻血の報告と相馬市、南相馬市、新地町、飯舘村の4市町村の医師会の4年間にわたる調査報告のどちらに信を置くことができるでしょうか? いうまでもなく4市町村の医師会の4年間にわたる調査報告に信を置くべきであることは明らかです。
 
1)の②について。これも上記と同じことが言えます。国会議員の質問で鼻血の問題が触れられたという事実よりも信を置くべきは相馬地区4市町村の医師会の4年間にわたる調査報告の方であることは明らかです。
 
1)の③について。この点については次のことのみ言っておきます。私たちがいま問題にしているのは福島県の鼻血問題であるということ。チェルノブイリの鼻血の問題ではない、ということです。
 
1)の④について。これも①と②で述べたことと同じことが言えます。井戸川さんというひとりの自己申告による症状と4市町村の医師会の4年間にわたる調査報告のどちらに信を置くべきか。いうまでもなく福島県相馬郡医師会の調査報告の方です。
 
2)について。福島県相馬郡医師会の調査報告は「“鼻血”が放射線被ばくに因るものでない」ことのひとつの証明になるでしょう。

冒頭でご紹介したZAKZAK(産経新聞系列)紙での右派的傾向の強い片山さつき議員の批判は正論である、と言わなければならないところに、いまの一部の「脱原発」運動の陥っている悲惨な「淀み」と「現実」がある、と厳しく指摘しておかなければならないでしょう。
 
「『鼻血騒動』は風評被害を生みだしている。震災から3年が過ぎ、やっと福島県への観光客数が回復し始めたのに、県内の温泉地などでキャンセルが相次いでいるという。片山氏は『心ない風評は、復興に頑張っている人の心をくじいてしまう。私たちは与党として正確な情報を入手し、国民のみなさんに真実を知らせる義務がある。安倍晋三首相からも『積極的な情報戦略で反転攻勢してほしい』と電話をいただいた』と語る。」
関連記事
Secret

TrackBackURL
→http://mizukith.blog91.fc2.com/tb.php/891-d6beebb0