Aさん。もう一度だけ再返信し、私の考えを述べておきます。

注:本エントリは「小沢氏の強制起訴と鈴木氏の逮捕・有罪・収監を「問題あり」とするある論への反駁」(1)(2)の続きということになります。

Aさん wrote1:
東本さんは菅も小沢もどちらが首相になっても変わらない、とお考えなのでしょうか。
沖縄県民の多くは小沢さんに期待していた、と聞きました。

「沖縄県民の多くは小沢さんに期待していた」とは私は判断しませんが(注1)、今回の民主党代表選で沖縄県内の民主党員・サポーター票は4選挙区すべてで小沢前幹事長支持票であったことは事実です(注2)。

しかし、この民主党員・サポーターの小沢支持票は、下記の注2の琉球新報記事にあるように小沢氏が「日米再協議の構えを見せていた」ことに対する同党員・サポーターの期待が票に表れたもの、とみなすべき性質のもののように思います。

しかしまた実際は、上記記事にいうところの小沢氏の「日米再協議の構え」なるものは、前便で指摘しているように「小沢氏が民主党代表選の告示に伴う菅氏との共同記者会見で普天間移設問題に関して県外移設の『腹案』があるかのように述べた『今、自分の頭にあることを申し上げるわけにいかないが、沖縄も米国も納得できる案は、知恵を出せば必ずできると確信している』という発言を指しているのであれば、小沢氏は翌日の日本記者クラブ主催の公開討論会の席で『日米合意を尊重することに変わりはない』という前提を述べた上で『今、具体的にこうするとかという案を持っているわけではない』」というハッタリでしかない発言にすぎませんでした。

そうであるならば、普天間基地の無条件全面返還と同基地の国外・県外移設を真に願う私たち革新勢力の一翼を担う者としては、上記の小沢氏の「ハッタリ」事件が日米同盟堅持をなによりも国の政策の第一とする彼の国策優先思想と、それゆえ「沖縄」問題をその日米同盟体制堅持の政策の下位にしか位置づけることのできない彼の沖縄軽視の認識を明瞭に示しえているように、小沢氏は決して普天間基地の一日も早い国外・県外移設を求める沖縄県民の期待や願いに応えうる政治家ではありえないこと、また、そういう意味でも小沢氏への期待はまったく幻想にすぎないこと、また、「対等な日米関係」を構築できる人材でも当然ありえない、という真実を沖縄の人々に広く明らめていくことこそが沖縄に連帯しようとする者の責任というべきであり役割であるというべきではないか、と私は強く思います。

Aさんの小沢氏支持の論は、そうした私たちとしての本来の役割と沖縄県民との連帯の方向性とは、失礼ながらまったく逆向きのベクトルを示しているように思います。私としてはAさんの論を支持するわけにはいきません。再度そのことを強く述べておきます。

注1:たとえば沖縄タイムスとともに沖縄の声を代表するメディアの琉球新報は2010年9月3日付の社説で小沢氏を次のように評価しています。

米軍普天間飛行場移設問題について、小沢氏の発言はぶれている。1日の共同記者会見で、再交渉による日米合意見直しの可能性に言及。しかし2日の討論会で、日米合意を前提とする考えを明言した。/これでは日米合意を順守する意向の菅氏との違いはほとんどない。一夜明けて発言をトーンダウンさせた真意が分からない。鳩山由紀夫前首相の二の舞いはこりごりだ。

政治とカネをめぐる問題について、小沢氏の説明は十分とはいえない。東京地検の捜査で不起訴になったことに関し「犯罪はなかったことが明らかになった」と繰り返す。果たして国民は納得するだろうか。検察審査会の判断次第ではなお強制起訴の可能性が残る。もっと丁寧に説明すべきだろう。

上記はもちろん沖縄県民の声の世論調査ではなく、琉球新報というひとつのメディアの社説でしかありませんが、「沖縄県民の多く」を代表している声といっていいだろう、と私は思います。

注2:「今回の代表選で県内の党員・サポーター票は4選挙区すべてで、日米再協議の構えを見せていた小沢一郎前幹事長を支持」した(琉球新報 2010年9月15日付

Aさん wrote2:
再三述べていますように、朝日をはじめマスコミの反小沢報道は何なのでしょうか。(小沢も菅も同じ穴のむじな、と判断すればこのようなことはないと思いますが)これは私だけでなくいわゆる庶民の方から良く耳にしています。

マスコミが反小沢報道に躍起になっている、というAさんのご認識を私は支持します。が、マスコミが反小沢報道に躍起になっているから、それゆえに小沢氏を支持する、という論理は成り立ちません。マスコミが反小沢報道に躍起になっているということと、小沢氏を支持するという問題はまったく別次元の問題です。小沢氏を支持できるかどうかはあくまでも彼の掲げる政策を私たちとして支持できるかどうか、という問題です。そして私は上述、前述のごとく小沢氏の掲げる政策はマヌーバー(策略)のごときもので決して支持できない、と再三、再四、さまざまな角度から言っているのです。

ご了解ください。

この点について、再度ジャーナリスト(毎日新聞記者)の山田孝男さんの論を紹介しておきます。

異様な風景だが、当の小沢は何も語らない。小沢擁立派は「小沢首相」こそ救国の希望だという。本当にそうか。これまでも、小沢は鳩山と組んで政治を動かしてきた。同じゲームの続編がまた始まったというだけのことではないのか。/鳩山の果てしないおしゃべり。小沢の底知れぬ胸中。菅の作り笑いと及び腰。指導的な立場にある政治家が互いにぶつかり合い、切磋琢磨(せっさたくま)し、新しい政治が生まれていくという予感がどこにもない(「風知草:避暑地の出来事」毎日新聞 2010年8月23日)

上記が小沢氏、そして民主党評価のふつうの見方だろう、と私は思っています。
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