本ブログの「今日の言葉」(左欄)の2014年3月12日から同年3月27日にかけての記録です。

辺野古の手つかずの自然を壊さないでください。2007年4月の大潮の日に下地良男さんが撮った写真です。(Peace Philosophy Centre 2014.03.12

辺野古の海  
 
・ひと気ない下り坂を降りきって家まで20メートルほどの道の真中に、ヒキガエルが一匹坐りこんでいたことがある。道は狭いが車が時折通る。 「何してんだ、そんなところで」と私はヒキガエルの傍らに立ちどまって声をかけた。声も出さなければ動きもしないが、生きていることは気配でわかる。傷ついても衰えてもいない。 「車にひかれるぞ」 私は靴の先で軽く触れてみた。だが動き出す様子はなかった。道路のそのあたりがもしかすると古池の岸のお気に入りの場所だったのかもしれない。悠然と落ち着き払ってアスファルトの上に坐りこんでいる。(略) 私はかがみこんで片方の足の先をつまんで、道端の斜面になった芝生の上にそっと下ろした。つまみ上げても体をもがきもしなかったし、芝生の上に置いても驚いた様子はなかった。ゆっくりと斜面を這い登ってゆく。 <日野啓三『Living Zero』>(Don't Let Me Down 2014-3-13
 
・私は
その文章イヨネスコの『』という芝居について触れたが、ここでもう一度この作品に触れておきたい。なぜなら、日本はいまこの作品の世界を着実に再現しつつあると思うからである。(略)イヨネスコは「あなたの作品に登場する人物の一人が一つの原型とな(略)ることをお考えですか」という問いに対して、「わたしの作品、わたしの創った人物を判断するのはわたしではありません……もし、神話的な人物があるとしたら、それはベランジェでなく犀でしょう。要するに、わたしがあなたにお答えできるのは百年、二百年後です……『犀』という作品がまったく不可解となることはありうるでしょうね―わたしはそれを望んでいます―すべての人たちが思想の自律性を持っている世界では不可解となるのですから」と答えている。(「やっぱり犀だ!」リベラル21 宮里政充 2014.03.13

・大江健三郎 『
「話して考える」 と「書いて考える」 』(集英社文庫)(略)中野佐多という、 戦中の苦難を乗り越えて、 戦後文学で活躍した2人を、 その「後継者」でも ある大江が語った、 とても 印象的 な 講演だ。(略)大江の「おもい」は(略)講演「タスマニア・ウルフは恐くないか?」にはかなりの焦燥感で表明されている。(略)「いま死に絶えようとしている日本の知識人の伝統を、土壇場でよみがえらせねばなりません。それは、 書き手としても読み手としても、 若い知識人 を要請することです」。「若い世代からほとんど死滅したとみなされていることにおいてタスマニアオオカミにくらべられる私ら日本の知識人の生き残りに、やるべき仕事はある、と私は考えるのです。(略)そしてその具体的な手がかりとして、私は日本の近代の見なおしが必要であり、かつ有効だといいたいのです。日本人が近代において行なった侵略戦争の、とくに新世代による再認識の努力を、それはふくみます」。(略)大江の言う知識人にはほど遠いとしても、何らかの意味で知識人たろうという志を持つ一人として、思想の荒野にニホンオオカミを探す努力をしなければと痛感する。(前田朗Blog '14.4.13
 
・人さまの話を聞いて、書く。聞いて、書く。それが記者稼業というもんです。(略)「オマエには放蕩の血が流れとる」。その言葉にハッとしたのは去年の夏、やたらと暑いわが田舎でのこと。(略)先日、えんじ色した分厚いアルバムをチェックしていたら、ただならぬ気配の写真がありました。(略)ほほう、おとんが放蕩の血とつぶやいたのは、このあたりをルーツにしてのことか。ただ、ひげのおっさん、そんなに酒色にうつつをぬかしてたのか。たしかに遊び人ふうに見えるが、いかんせん証拠がない。どんな政治家だったのかもつまびらかでない。ああ、知りたい。すべてを知りたい。ほとほと記者は因果な商売です。知らなくてもべつだん困らないのに知らないと気持ち悪い。そろそろおとんにも真相を聞かないと。たとえ相手が首相でも、大女優でもドキドキしない度胸はあるのに、おとんへの初インタビュー、まだテープを回す勇気がありません。(
「記者泣かせ:(3)おとんの遺言」毎日新聞2014年3月14日

・原発再稼働が、世界に発するメッセージも憂鬱です。 かつて 「
フクシマのウソ」を世界に明らかにしたドイツ公共テレビZDFは、 3年目に 三度「フクシマのウソ、その3」を放映し、冒頭で 「ウソ」 の典型として安倍首相の 東京オリンピック招致演説 の「アンダー・コントロール」を挙げています。安倍首相の「ウソ」は、 原発ばかりではありません。 靖国参拝の意図も、 中国や韓国に対する外交姿勢も、 「集団的自衛権」や「憲法改正」への熱意が本当に日米関係を強めるものかどうかも、問題にされています。ジョン・ダワー=ガバン・マコーマック『転換期の日本へ』(NHK出版新書)をぜひお読みください。安倍首相とその取り巻き=「オトモダチ」の歴史認識が、国際社会でいかに日本のイメージをおとしめているかが、わかります。(加藤哲郎 2014.3.15

・ファシストはいくつもの口をもち、幾種類もの顔と声をもつ。(略)あらゆる種類の嘘をつきまくる。なんというやつらか。(略)「歴史に対してわれわれは謙虚でなければならないとかんがえている」。ワハハハハ。いま歴史を全面的にくつがえしている当の本人が、用意された紙を見ながら、そう言うのだから、笑うほかない。君はかつて「日本の歴史がひとつのタペストリー(つづれ織り)だとすると、その中心に一本通っている糸はやはり天皇だと思うのです」とかたり、「自衛のための必要最小限度をこえない実力を保持するのは憲法によって禁止されていない。そのような限度にとどまるものであるかぎり、核兵器であると通常兵器であるとを問わず、これを保有することは憲法の禁ずるところではない」と、核武装肯定を揚言したではないか。君は「大東亜会議」と大東亜共同宣言(1943年)をいまでも賛美する「日本会議」ときわめて緊密な関係をもつ、れっきとしたファシストの頭目ではないか。(
辺見庸「日録9」2014/03/15

・1945年8月6日に、広報スピーカーで広島への原爆投下が発表されたとき、私は子供の夏キャンプにいました。みんなはそれを聞きましたが、その後すぐに野球や水泳などの活動に戻っていきました。一言のコメントも無く。私は、その恐ろしい出来事とそれへの無反応の両方にショックを受け、ほとんど言葉を失いました。(略)私は強い嫌悪感を持ちつつも戦後処理を見続けていました。(略)私が初めて日本に旅したのは50年前のことで、妻子と一緒でした。個人的に「
ベ平連」の人々に会いはしましたが、純粋に言語学のための訪日でした。それ以来何度も日本に来ていますが、いつも言語学の研究が目的でした。世界が燃えさかっているときでさえ、会話やインタビューが言語学の関連分野だけに絞られているというのは、私が訪れた多くの国々の中で日本だけだという事実は、私にとって本当に衝撃的なのです。(「ノーム・チョムスキーインタビュー」Peace Philosophy Centre March 16, 2014

・明日、「週刊金曜日」主催の対談で話すかもしれないこと、話すべきこと…。(略)安倍には縒れて湿気った被害者意識がある。(略)日本ファシズムの微細な神経細胞について。異様な風景をどう感じるか。籾井、長谷川、百田、小松らの狂気と正気。言論、報道の異常収縮=「内側からの死滅」をどうみるか。「新しい多数派=新中間層」をどうみるか。戦後レジーム脱却反対論と戦後民主主義勢力の没主体性と過誤、それらゆえの致命的弱さについて。戦後レジームからの脱却路線にどう対応すべきか。なにを対置すべきか。徹底的非武装・反戦論は不可能か。安倍ファシズムはどこまで暴走するか。抵抗は可能か。社民はなぜ瓦解したのか。共産党に希望はあるか。(略)今日的暴力の意味。国家テロの予感。プーチンとスターリン主義。「人間の侮辱」ということ。原発と戦後民主主義。「良心的知識人」とはなにかかれらに危機感はあるか。戦後民主主義と大江健三郎。日中戦争はあるか。日本核武装はありうるか。(
辺見庸「日録9」2014/03/17

・安倍さんに 何を吹き込まれた のか知らないけどね、取り巻き連中は本当に 舞いあがって いるんじゃないかと思うね。(略)安倍さんの取り巻き連中の発言は、子供の言い訳だよ。子供はさ、自分のしでかしたことを怒られると、 「だって、誰某ちゃんもやってんだもん。僕だけじゃないもん」と弁解するんでさ。「売春や買春が合法的に行われているところがある」、「何時の時代にも、戦地では慰安婦 の存在 が普遍的に観察できる」なんて一般的な事実認識と「日本が植民地支配下朝鮮の婦女子を慰安婦として 駆り出したことに対する道義的法的責任」という個別事案の対応は、次元が違う問題だということが 分かんないん だよな。世の中に 「飾り窓」 なんて どこにもあるから、「朝鮮人婦女子を慰安婦として駆り出したことに道義的法的責任はない」というのは論理の飛躍なんでね。「安倍の分身」の言い分は子供の言い訳と同じってこと。心情で発言するから論理が飛躍するだけの話だね。だから、批判されても、 論理を正すことができない。 こういう議論は虚しいね。(
盛田常夫(在ブダペスト、経済学者) 2014.03.19
 
・朝日新聞モスクワ支局員の関根和弘氏が、 クリミア編入に関するプーチン大統領の演説全文をツイッターまとめサイトに掲載されている。
クリミア編入 を表明した プーチン大統領の演説――この際、原典に当たることは、 多分、とても貴重だ。PCだと、 まとめサイトで読むのに読みにくさを感じたので、改めて、まとめてみた。(街の弁護士日記 2014年3月20日

あと10日で消費税8%の時代に突入することになりそうだ。 (略) 消費税こそ逆進性を本質とする弱者いじめの典型的悪税。 「薄く広く」 というのが、 悪税の本質なのだ。 すべての消費者と、転嫁できる力をもたない 弱小業者の 窮乏化 を推し進める。 貧しい者ほど、 力の弱い者ほど、 その影響は大きい。これは、違憲ではないか。少なくとも、福祉国家時代の日本国憲法の理念に反する立法ではないか。租税は、累進的に富める者からの負担によるべきとするのが応能負担主義。一定の水準以下の貧困者には税の負担をさせるべきではないとするのが生存権思想の論理必然的な帰結。応能負担主義と生存権思想に基づいて、所得の再分配をなすべきことが、福祉国家時代の税制の在り方ではないか。(
澤藤統一郎の憲法日記 2014年3月21日

・読売新聞社と早稲田大学は、1月下旬から2月にかけて、政治意識に関する全国世論調査(郵送方式)を共同実施した。今後も政権交代があった方がよいと思う人は65%に上り、「そうは思わない」の33%を大きく上回った。日本の政治は、2012年の衆院選と13年の参院選で自民党が大勝し、「一強多弱」の状況が続いているが、政権交代が可能な状況を望む人が多いことを示している(読売新聞 2014年3月22日


読売・早稲田大調査
「社会・共産支持層」が抜けているのは?


ヴィガースハウスのアドルノ論読む。(略)世界から「質」をうばい、主体から「主体性」を消したもの、「夢のなかのようなさきどり」――をおもふ。 真っ赤なストックで長身のからだをささえながら、散歩道を白髪の女性があるいている。(略)追いこすとき、ちらりと顔が見えた。東欧か北欧の老女の顔。苦悩のあまりか、表情がセメントみたいにかたまり、 灰色の目はうつろだった。憂愁なんてもんじゃない。死ぬほどの孤絶。かのじょの頭のうえで、 ほぼ咲きおえた赤い花がいまにもこぼれかかっている。 「カラスアゲハ」 を書きおえて、よかったなとおもった。ギブアップしないでよかった。あれは書かなければならなかったものだ。書かせない敵はわたしのなかにいた。(辺見庸「日録10」2014/03/22

進行中の冷戦復活キャンペーンにおける、この組織の役割を明らかにする新調査報道によれば、最近の元RTニューズアンカー、
リズ・ウォールの放送中辞任は、ネオコン・シンクタンクが画策した妙技に過ぎない。3月5日、ウォールのニュース・コーナーにおける、ロシア政策の公然の非難という“プロパガンダ”戦術に関する、彼女の発言に至るまでの時々刻々の詳細説明マックス・ブルーメンソールと、ラニア・ハレクがtruthdigに書いた説明は、さほど有名でないネオコン・シンクタンクForeign Policy Initiativeとのつながりを明らかにした。(マスコミに載らない海外記事「‘アメリカ・ネオコン’が代替メディア攻撃をいかに仕組んだかに関する新報告」2014年3月22日

・歴史から見れば、クリミアは数百年にわたってロシアの一部であり、ロシアの固有の領土である。1954年にフルシチョフによってウクライナに贈り物とされたが、これは ソ連内部の行政的境界の調整に過ぎないと見ることが可能であり、国際法的な効力を有するものではない。(略)道に迷った子どもが母親の懐に戻ることは、「国家の領土保全」原則と矛盾しないのみならず、当然そう あるべき正義である。クリミア住民投票がロシア加盟を宣言したことは、「分離主義」ではなく「歴史的復帰」なのだ。中国は無原則にロシアを支持しているわけではなく、 中国が支持しているのは国際的正義だ。 (中国「環球時報」3月19日付)(
浅井基文 2014.03.24

現在、日本のあらゆる印刷、 TVメディアは、ハースト/ピューリッツァー時代のイエロー・ジャーナリズムに従事している21世紀が始まって以来ずっと、 宗主国アメリカが、 米西戦争と同様、全く無意味な戦争をし続ける のを、 ・属国(引用者注:むろん、 日本のこと)イエロー・ジャーナリズムは手助けしているのだ東京は、思いやりや正義という観念を持たず、 自らの権力強化と金稼ぎだけを 目指す、戦争を商売にする自己本位連中の巣窟 なのだ。 (マスコミに載らない海外記事「戦争を起こした三人」 (後記)2014年3月25日
 
・2月の末に、公立図書館の職員が、何百冊もの『アンネの日記』が破損しているのを見つけて警察に通報した。(略)私の見るところでは、これはもっと広い何かの兆候でもある。過去の数十年にわたり、日本は戦時中の歴史に正面から向き合うことを避ける仕組みを作り上げてきた。そこでは、触れるには苦痛が大きすぎることがらを、純粋にきれいで、そして無害なものにすることによって和らげてきた。それはつまり、「かわいく」することだった。しかしこの方法はもはや機能しなくなっているように見える。(略)東京の図書館でアンネの日記が何百冊も破られた最近の事件は、日本のかわいさの文化が有効性の限界に達したことを示しているのかもしれない。(
「アンネ・フランクからハロー・キティーまで」 加藤典洋/ Peace Philosophy March 25, 2014
 
選挙資金なら違法の恐れ 渡辺氏への貸付金、識者ら指摘。 元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士によると、選挙資金だった場合、たとえ借入金だったとしても選挙運動費用の収支報告書に 記載が なければ、公職選挙法違反に問われる可能性がある。政治活動の費用だった場合は、政治資金収支報告書に記載がないと政治資金規正法違反にあたる可能性がある。 使途が選挙や政治活動に無関係だったとしても、吉田会長は12年の5億円について担保や返済期限が設定されず、借用書もなかったとしており、贈与と認定されて税務上の問題が指摘される可能性が浮上する。これを寄付とみなした場合には政治資金規正法が定める寄付額の制限を超える可能性もある。 (
朝日新聞 2014年3月27日
 
・今朝の 大本営広報部 にあった文章。「クリミア併合を、冷戦後の秩序のちゃぶ台返しとでも呼ぼうか。膨張主義への先祖返りがどうにも露だ。米の国連大使は公式の場で「盗賊」と難じた。外交上まれな厳しさだ。(引用者注:「天声人語」3月26日)」「ウクライナ国営テレビ会長が、ファシスト与党、スヴォボダ党議員を含む暴漢に襲撃され、辞表を書かされた」と
Russia Todayは報じている。ビデオもある。(私)としては、大本営広報部のお偉方と違い、「ウクライナ国営テレビ会長辞任強制を、民主主義秩序のちゃぶ台返しと呼ぼう」と思う。(略)大本営広報(は)(略)自ら調査をして、(略)ポール・クレーグ・ロバーツ氏や、ロシア・トゥデイ評論の信頼性を、完膚無きまでたたき潰して頂けると嬉しい。ヌーランド女史と大使との電話会話 の内容に ついての 論評も是非。もちろん、木によりて魚を求むであること、分かっている。(マスコミに載らない海外記事:後記 2014年3月27日
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