本ブログのプラグイン(右端)に設けている「今日の言葉」の2014年2月15日から同年3月1日にかけての記録です。

イギリス(ハワード)
ハワース(イギリス北部の小さな村)

百田尚樹: 「
アメリカ大使が百田尚樹の街頭演説を理由に、NHKの取材に難色を示したという。もしこれが本当なら、アメリカは「東京大空襲と原爆投下は大虐殺」という言葉に、よほど腹が立ったのだろう。ちなみに、アメリカは東京大空襲と原爆投下に関しては 一度も謝罪して いない。私は謝罪を要求する気はないが。」 百田が言う通り、東京大空襲は アメリカ軍による東京・下町の人々の無差別大虐殺である。(略)この東京大空襲の下手人として悪名高い人間が、カーティス・ルメイだが、こともあろうに日本政府がこの戦犯・ルメイに勲章を贈ったことがある。時の総理大臣は、あの安倍晋三の大叔父・佐藤栄作だった。(略) 百田は、果たしてこの佐藤栄作を批判したことがあるのか? 百田が 佐藤を 批判したことがあるなら、首尾一貫していると認めてやっても良いだろうが、そんな話は寡聞にして知らない。(略)百田よ、佐藤栄作を批判してみろ。そしたらお前を見直してやる。(「kojitakenの日記」2014-02-15
 
・ひとつとせ。(略)生きてください。と言うのは10分の1ほどそらぞらしい(略)ふたつとせ。 どのみちいつかやるのではないか。(略)みっつとせ。〈この世は、 それでも、 生きる価値がある〉と言ってやってくださいよ。(略)なんか、すこしむっとしたが黙っていた。よっつとせ。どこのだれにそんなことを言う資格がありますかいな。(略)けふ、(略)雪道で転んだ。(略)長靴をはいた若い女性が雪をこいで近づいてきて「手伝いましょうか?」と手を差しのべてくる。右手ではなく、左手を。おっ、知ってるのか。小さい手につかまる。(略)いつつとせ。だから〈この世は、それでも、生きる価値がある〉んじゃないよ。生きる価値も死ぬ価値もなんだかわからないから、むっつとせ(略)おもいだす。 声。 手伝いましょうか? 死ぬのを。(略)ななつとせ。(
辺見庸「日録6」2014/02/15,16

・先月来、NHK新会長や経営委員の「勇ましい」発言が続く。これを受けて週刊新潮と週刊文春(略)、週刊ポストと週刊朝日(略)サンデー毎日が(略)そろって会長発言を取り上げ、就任会見や過去の言動を疑問視した。さらに週刊ポスト(略)では経営委員インタビューも実施している。このように一定の扱いをしてはいるものの、いずれも重要な点に切り込んでいないことが気にかかる。(略)経営委員がベストセラー作家であることやその歴史観に賛同できるかどうかといった点にとらわれることなく、一連の言動を「放置」しないことが、雑誌界にも求められている。(
「言動の放置、許すな」=山田健太(専修大教授・言論法) 毎日新聞 2014年02月17日

・デフレ脱却を掲げた安倍政権の経済政策「アベノミクス」に期待を寄せている人々はやがて失望を味わうことになるだろう。これまでは金融と財政による お金のばらまきで 国内総生産 (GDP) をかさ上げ できたが、 こういうやり方は長続きするものではないからだ。(略)雇用・福祉の強化や、脱原発・エネルギー政策の転換という抜本策を脇に置いて、日銀 マネー や 財政のばらまき に頼って いては、 経済再生はできない。 たとえ 規制緩和策を追加しても、小泉政権下の「実感なき景気回復」の焼き直しの域を出ないのではないか。外交面でも中国や韓国との関係悪化は日本経済の先行きに暗い影を落としつつある。靖国神社参拝の時のように、米国から失望を買う姿勢が続けられるならば、政治が経済の足を引っ張り、国民を不幸に してしまう だろう。 (
小此木 潔 経済部 朝日新聞 2014年2月18日

・私が嘘と呼ぶのは、見えるものを見まいとすること、あるいは見えるとおり には 見まいとすることである。(中略)ところで、この見えるものを見まいとすること、あるいは見えるとおりには見まいとすることは、何らかの意味で党派的 であるすべての人にとって、ほとんど第一条件ですらある。党派人は必然的に嘘つきである。(中略)党派的な人は誰でも、本能的に、道徳的な大きな言葉を口にするものである。そうであってみれば、道徳が存続するのはあらゆる種類の党派人がそれをたえまなく必要とするからだ、という事実に、もはや驚くこともあるまい
。(ニーチェ『反キリスト』)(Don't Let Me Down 2014-02-18
 
・籾井勝人NHK会長が今月12日の経営委員会で、「取り消しているし、どこが悪いのか(略)」という趣旨の発言 をしていたことが 18日わかった。(略)12日の経営委では作家の百田尚樹氏、埼玉大名誉教授の長谷川三千子氏の両委員の言動などを審議し、経営委員は「一定の節度を持って行動していく」とする見解をまとめた。複数の関係者によると、委員会の最後に、ある女性委員が会長発言の影響について「受信料不払いなどのリスクにどう対処するのか」と質問。籾井会長は(略)「(発言の)どこがおかしいのか」(略)という旨の持論を述べた。別の委員から「そういう物言いはおかしい」と反発する声があがり、浜田健一郎委員長が ぶぜんとして 「終わります」と委員会を打ち切ったという。(
朝日新聞 2014年2月19日

・安倍首相が自ら任命権のある(略)NHK経営委員 に埼玉大学教授 の長谷川三千子氏や作家の百田尚樹氏など 過激な右翼思想 を持った4名のお友達を任命した意味とは12人で構成される経営委員のうち、4人の拒否 があれば会長候補にのぼった会長はその拒否権によって選出されないという規則があるからだ。 つまり 12人全部でなくとも4人の安倍の意中の人間さえ経営委員に 送り込めば 自分の 思い通り のNHK会長をつくることができるということだ。安倍という人間はほんとうに悪知恵に 長けて いる。
藤原新也 Shinya talk 2014/02/18
 
・現代日本彫刻作家展。そこで
靖国参拝などを批判した作品の撤去を東京都美術館が求めていた。(略)東京都美術館が作者らにアピール紙片の撤去を求めて「折り合いがつかなければ、展示会の中止や来年度以降の施設使用の見なおしも検討せざるをえなくなる」と脅したという。まるで1930年代。(略)あれはくるだろう。99.99パーセント、まちがいなかろう。もうきたのだ。たのまれもしないのに権力のお先棒をかつぐ連中が、雨後の竹の子のようにニョキニョキと元気をだしている。激震の予感がある。じぶんの内面にか外面にか。理解のあたわぬことがくるだろう。NHKの籾井たちが「なにが悪い!」ともうひらきなおっている。某紙社長が安倍晋三と会食したと悦に入っている全面的にidiot JAPONICA。すでにきつつある。(辺見庸「日録7」2014/02/19

・東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長を務める森喜朗元首相は20日、 福岡市内で講演し、 ソチ冬季五輪のフィギュアスケート女子の浅田真央選手がショートプログラムで16位と出遅れたことについて「見事に ひっくり 返ってしまった。あの子、大事なときは必ず転ぶ」と述べた。
時事通信2014/02/20

・「ことばを言った、矢を放った、手紙を書いた、罠に落ちた」はタタール人のことわざである。元に戻せぬもののたとえだが、一度口を出たことばは取り返しがつかない(略)籾井勝人NHK会長の就任記者会見での「個人的見解」取り消しをめぐる野党の追及が続く中、今度は衛藤晟一首相補佐官の「米国に失望」発言の取り消し騒ぎである。(略)「米国はちゃんと中国にものが言えない」。首相側近がこう言えば、国際的には首相の意を体した発言と受け取られて当然だろう。すぐさま官房長官の指示により取り消されたが、落ちた卵は戻せない。(略)官邸主導の外交・安保政策は政権の看板のようだが、当の官邸が外交戦略の基軸を傷つける言動の震源になっていては世話がない。 最後は 国民まで「罠に落ちた」 に巻き込まないよう 願いたい。 (毎日新聞「余録」2014年02月21日
 
・なに?閣議決定つまり首相の意思ひとつで集団的自衛権の行使が可能になるだと!?一大事だ。とてつもない発言である。驚天動地の暴論だ。 これこそ号外ものである。臨時ニュースをなぜ流さないのか。君たち、編集局長、記者諸君、 ニュースの軽重、順列が ひっくりかえってるぞ。(略)なんということだ。安倍晋三は 憲法第96条 論議を ひっこめて、こんどは、ヒトラー内閣が1933年に成立させた「全権委任法」(国民と国家の危難を除去するための法)を真似しはじめている。(略)「全権委任法」によりドイツがどうなったか、だれもが知っているはずではなかったのかワイマール憲法は完全に死文化した。日本国憲法も死文化させられようとしている。安倍は戦時体制をつくろうとしている。弱虫は弱虫なりに、泣き虫は泣き虫なりに、怠け者は怠け者なりに(略)「反対!」の声をあげよう。そして、安倍たちにここまで自信をつけさせている 「怖ろしい気流」 についてかんがえてみよう。(
辺見庸「日録7」2014/02/21

・【安倍晋三の「不愉快」な仲間:本田悦朗」版】
朝日新聞(2/22)(略) によると、 本田悦朗は20日に「真意ではない」とWSJに「抗議」し、「修正する用意があると言われた」と菅義偉に報告したが、 WSJを発行するダウ・ジョーンズ社は、記事の正確さを確信しており、本田に「修正する用意がある」と言ったこともない とのコメントを出した。本田は、 21日に「今、具体的にどうしようということは考えていない」と発言をトーンダウンさせたとのこと。要するに本田悦朗はその場を取り繕うために 見え透いた 嘘をついて、それが咎められると、事実上自分が嘘をついたことを認めたのである。呆れたものである。(kojitakenの日記 2014-02-22

・本日午後「放送を語る会」が主催した「
緊急集会NHKの危機 今、何が必要か~籾井会長発言が問いかけるもの」に参加した。立錐の余地のない盛会。最高のパネラー5氏を得て、 実に充実した 有益な集会だった。(略) 現状認識ではほぼ共通の危機意識が確認できるが、 さて、どう対応するか。(略)まずは、直ちに誰にでもできる正攻法の手段として、NHKに意見を寄せよう。(略)当面大切な意見の内容は、・籾井勝人会長は即刻辞任せよ・経営委員会は籾井勝人会長を罷免せよ・百田尚樹・長谷川三千子両経営委員は即時辞任せよ・経営委員会は、百田尚樹・長谷川三千子両経営委員に辞任を勧告せよという4点でよいのではないか。(澤藤統一郎の憲法日記」2月22日) 

・どんな論説委員が書いたのか知らないが、朝日新聞社は2014年2月22日の大阪本社版社説で、「橋下市長、辞職を撤回しませんか」と呼びかけた。(略)社説を読めば、出直し市長選に勝ったとしても事態の打開につながらないことを諄々と諭し、ご親切にも辞職を撤回した方が得策だと懇切丁寧に橋下氏に進言しているのである。まるで維新の後見人のような書きぶりではないか。(略)大阪都構想に関する議論の推移を冷静に眺めれば、間違っても橋下氏に辞職撤回を進言し、「もっと議論をしよう」といった助け船は出せないはずだ。(略)「橋下市長、出直し市長選を止めて辞職しませんか」との社説を掲げるほうがはるかに読者にアピールするだろう。(略)朝日の論説委員はいったい何を考えているのか、その見識を疑わざるを得ない。(「広原盛明のつれづれ日記」2014-02-23

・今日、2月20日は
小林多喜二の命日。命日という言葉は穏やかに過ぎる。天皇制の手先である思想警察によって虐殺された日である。1933年の今日、多喜二は、スパイの手引きで特高警察に街頭で格闘の末に身体を拘束され、拉致された築地警察署内で、その日のうちに拷問によって虐殺された。(略)昨年の秋、築地署を見てきた。その裏門近くには、多喜二の死亡診断書を書いた前田医院が残っていた。(「澤藤統一郎の憲法日記」2014年2月20日

・「冬が近くなると ぼくはそのなつかしい国のことを考えて 深い感動に捉えられている そこには運河と倉庫と税関と桟橋がある そこでは 人は重つ苦しい空の下を どれも背をまげて歩いている ぼくは何処を歩いていようが どの人をも知っている 赤い断層を処々に見せている階段のように山にせり上っている街を ぼくはどんなに愛しているか分からない」小樽の旭展望台の碑に刻まれた1930年11月11日付の
村山知義夫人宛の多喜二の手紙の一節です。
河津聖恵「詩空間」2014年2月23日

・ロンドンぐらしの失意のなかで、夏目漱石は「自己本位」という言葉にゆきあたった。それまで苛まれていた不安が消え、自分の進むべき道を見いだしたという。(略)わがまま勝手にふるまうのではない。自分を尊重する以上、他人も尊重しなければならないというのが漱石の考えだった。個人主義を退治しなければ国家が滅びるなどと唱える者があるが、そんな馬鹿なことはあるはずがない、と。このくだりに、いまの改憲論議が重なる。憲法の核心とされる13条は「すべて国民は、個人として尊重される」とうたう。自民党の改憲草案はこれを「人として」に変える。「個」をなぜ削るのか。(略)おそらく自民党内に昔からある声を踏まえたのだろう。いまの憲法こそ日本社会に利己主義をはびこらせ「家」を壊してきた元凶、という議論だ。とするなら、たった一文字の 削除が意味するところは重大である。東京都の舛添要一知事は新著でこれを暴論と断じた。個人の対極には国家権力があるが、「人」の対極にあるのは動物であり、憲法論議とはほど遠い言葉だ――。権力を拘束し、人権と自由を守る憲法の役割からすれば、確かにここは個人でなければならない。 漱石の講演から 1世紀。 草案前文が尊ぶ 「和」 に個人が埋もれてしまう事態を危ぶむ。(「天声人語」2014年2月24日
 
報道の自由を考えるとき、私は17世紀英国の詩人で共和派論客だった
ジョン・ミルトンの言葉を思い出します。彼は(略)「公開の場ですべての人が自由に発言すれば、真実で健全な意見は必ず勝ち残り、誤った不健全な意見は敗退する」と主張した。これがジャーナリズムの哲学、根本 なんです。 だから放送法も、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」を放送事業者に求めているのです。「人間のくず」と他者を公然と侮蔑したり、新聞社での拳銃自殺を礼賛したり。そんな人物がジャーナリズムの根本を理解しているとは、とても思えません。経営委員会の本来の性格から言えば、そもそも政権と距離を保てない人物は委員になる資格がないんです。(略)いま起きつつあるのは、安倍政権 による NHKの乗っ取り です。権力の介入を防ぎ、市民のための公共放送にしていくには、首相が経営委員 を選ぶ仕組みを改めるしかありません。(朝日新聞『耕論』 松田浩 2014年2月25日
 
もう3年になる。大震災の翌月、2011年 4月24日 早朝に 放送された「こころの時代瓦礫の中から言葉を――作家・辺見庸」が、来月3月4日の午前2時40分から、NHK総合テレビで再放送されるという、噂というか情報がある。NHKの放送予定表にも載ったようだ。だが、このご時世である、にわかには信じがたいので、へえ、そうなの!?と反応するにとどめた。(略)この3年、 予想どおり、いや予想以上に、ものごとすべてが悪くなった。 NHKは いま、3年前にもまして、この国の ネオファッショの重要な一翼をになっている。とりわけ、報道はすでに、最低限の魂まで失ったガラクタにすぎなくなった。 まことに見るにたえず、聴くにたえない。籾井勝人は居直りヤクザよろしく下品にいすわっている。即刻辞めるべきである。経営委員会は解体すべきである。百田某、長谷川某らの病的異常発言を、わたしはどのような観点からも断じてみとめることができない。再放送の真偽はどうあれ、以上、あらためてわたしの立場を明らかにしておく。「花は咲く」オンパレードの今日の景色を、どこまでも怪しむ。(
辺見庸「日録7」72014/02/25
 
何という醜い国になってしまったのでしょうか。この日本は……。気にくわないからといって、
片っ端から本を 引き裂いて 破損するような 行為は、 ナチスによる焚書の現代版 にほかなりません。 麻生副総理が勧めたように、 「ナチスの手口を学んだ」やり方だと言うべきでしょうか。朝鮮の人々に向けられていたヘイト・スピーチや ヘイト・デモ の鉾先が、ユダヤの人々に向けられたということなのかもしれません。特定の民族に対する憎しみと排除という点で、両者には大きな共通点があるように思われます。(略)誰が、どのような意図で行ったのかは不明ですが、(略)それが今日、このような形で生じ、 その背景となる社会的雰囲気が生み出されたのも、安倍首相の右翼的で拝外主義的な言説の影響であると考えるのは私だけでしょうか。(「ネオ・ナチ化する醜い日本と日本人」 五十嵐仁の転成仁語 2014年2月26日
 
・「紙は人間よりも辛抱づよい」。
アンネ・フランクは日記をつけ始めた理由を書いている。紙はそこに文字を記す人のどんな思いも受け止める。(略)終戦まであと2カ月という強制収容所で亡くなったアンネの日記は戦後世界でベストセラーとなり、「死んでからもなお生きつづけること!」という彼女の望みはかなえられた。書き記すという営みによって受け継がれる本から本への人間の精神と魂のリレーである。そこに何事も書き加えることなく、ただ本を破ることで受け継がれるべきものを断ち切ろうとする悪意は一体どこから生まれてきたのか。東京や横浜の何十もの図書館で「アンネの日記」や関連本が300冊以上も破られていたという胸の悪くなるような事件である。その本の中にはナチの迫害からユダヤ人を救った日本の外交官の伝記もあった。(略)「この世界が徐々に荒廃した原野と化してゆくのを、わたしはまのあたりに見ています」。こう記した少女の本への憎悪の正体とは何なのかを見極めたい。(毎日新聞「余録」2014年02月27日
 
・友、
堀内良彦が2014年2月25 日午後8時ごろ、逝った。友、堀内良彦は血友病患者でHIV感染者だった。すでに肝臓がんを併発していたのに、福島県の放射能汚染地にたびたび入り、東電に抗議し、血友病患者支援にもあたっていた。そうせずにはいられなかったのだ。「戦死」という言葉はきらいだから、つかわない。良彦はただ、ずっと悪戦苦闘し、のたうちまわり、ついにひとりで逝きやがった。昔、文化学院でかれを知った。いっしょに教育テレビにでたこともあった。たびたび助けられた。とてもはげしく憤り、とてもやさしく愛する男。カサヴェテスについておしえてもらった。飼っていた犬は柴のペロ。良彦より先に死んだ。存在していた者が不意にいなくなるのはあまりに奇妙だ。不当だ。(辺見庸「日録8」2014/02/26,27

・イラク戦争が始まる直前(略)、グレッグ・ダイクさんは当時の ブレア英首相から手紙をもらった。 イギリスの公共放送BBCで社長をしていた時だ。イラク関連報道が英政府に批判的過ぎる、という非難だった。ダイクさんは返事を書く。 「放送の中心的役割の 一つは、 時の政権 を疑い、政権がいじめてきたら、立ち向かうことである」首相官邸の圧力は続いた。(略)情報源探しが始まり、情報源とされた科学者が自殺。そのてん末を検証した調査委員会が「BBCは根拠なき政府非難をした」と結論づけ、官邸の意に沿ったBBC経営委員会がダイクさんをクビにした。BBCは自分が関係したこの一部始終をつぶさに報道した。(略)解任されたダイクさんがBBCで 社員向けに演説し、大勢に惜しまれながら局を去る場面も中継した。(略)国民の信頼度は新聞も含めた英メディアでダントツ。 「BBCは誇り」なんて歌もある。(
「僕らのBBC」福本容子 毎日新聞 2014年02月28日
 
・先日亡くなった 詩人の
吉野弘 さんは童謡「ぞうさん」について言っている。「<おはながながいのね>は、象の鼻が長すぎることをいくらかからかった者の意地悪と読めないこともない」。 仲のよい親子の歌というのとはちょっと違う解釈である。「ところが、そういう意地悪すら<そうよ/かあさんも ながいのよ>が見事に肩すかしを食わせるのである」。大好きなおかあさんの鼻も長いことを誇らしげに答え、悪意を吹き消してしまった子象である。詩は好きに読んでもらえばいいという作者のまど・みちおさんだが、吉野さんの解釈には「一番、その通りという気がします」と言い残している。「自分はこの世に生かされてるんだという誇り。他とは違うからこそ、うれしいんです」。まどさんはそう語っていた。(毎日新聞「余録」2014年3月1日

附記:集大成といえる「まど・みちお全詩集」には、太平洋戦争時に書いた戦争協力詩二編も収め、そのあとがきをざんげに費やして自身の 非力さを終始責めた。(東京新聞 2月28日

米国務省は2月27日、世界の約200カ国・地域を対象にした 2013年の「人権報告書」を公表した。日本について、在日韓国・朝鮮人へのあからさまな差別表現を繰り返すヘイトスピーチ(憎悪表現)を取り上げ、懸念を示した。報告書はヘイトスピーチについて「極右グループが東京でデモを行い、人種的な差別表現を用いた」と指摘。「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の会長らが、ヘイトスピーチに抗議する人たちとの衝突で逮捕されたことに触れた。(
朝日新聞 3月1日
関連記事
Secret

TrackBackURL
→http://mizukith.blog91.fc2.com/tb.php/798-d1741a5b