取り上げるには値しない馬鹿げた論にすぎませんが、どんなに馬鹿げた論であっても「宇都宮氏擁立」を支持する論であればいまのこの時機、その論の誤りを指摘せざるをえません。いま、「宇都宮氏擁立」を支持することは来月の2月に差し迫った(告示日は1月23日)2014都知事選で革新・リベラル勢力が勝利することを放棄することに等しい、と言わなければならないからです。
 
宇都宮氏は前回の都知事選では前都知事の猪瀬直樹の4.48分の1しか得票することしかできず、かつ、今回は、そうした都民の支持度の実態の問題に加えて、先の都知事選では宇都宮陣営であったその革新・リベラル勢力の内部の少なくない人たちからも強い批判を浴びています。こうした革新・リベラル勢力内での状況では、どちらの側の議論が正しいのか、そうした議論の正当性の如何の問題とは関係なく、宇都宮氏が勝利する見込みはまったくないというほかありません。仮に宇都宮氏が革新・リベラルを代表する候補者となったとしても、保守勢力側はこの革新・リベラル勢力内での宇都宮氏批判の議論を対立候補を落選させる手段として抜け目なく利用するに違いありません。そういうことも目に見えています。
 
いま、革新・リベラル勢力が都知事選で勝利するためには、一日も早く態勢を立て直して、きたるべき都知事選に勝利することのできる、そして、革新・リベラル勢力の候補者としてふさわしい候補者を早急に確立・擁立する以外ありません。
 
反論の中で引用した先の都知事選で宇都宮弁護士が立候補を表明した際に同時に発表された「<声明> 新しい都政に何を求めるか」(21頁)は、いま読み直しても清新で、「声明」賛同者の革新都政を実現しようとする深い情熱が伝わってくるものです。この歴史的文書としての「声明」を読み直して私たちは初心にかえるべきだろう、とつくづく思わざるをえません。このエントリになんらかのとりえがあるとすれば、「<声明> 新しい都政に何を求めるか」を改めて起こしたことでしょうか。

以下、標記についての反論です。
 
議論はまったくかみ合っていない。
 
「議論はまったくかみ合っていない」のではありません。「そうした議論は不毛」だとしてその「不毛」の原因をあげる主張の誤りのほとんどについては正鵠を射た再反論がなされています。「大所・高所」論しかり、「利敵行為」論しかり、「立候補を決めたからには、もう批判をよして、彼を推すべきだ」論しかり、「共闘の形を大切にしよう」論しかり、「私怨論」しかり、「対案を示せ」論しかりです。「議論はまったくかみ合っていない」のではなく、「かみ合った」再反論は尽くされています。あなたにはその「再反論」で提起されている問題、反論の内容、理念の構造が見えていない、というだけのことだと思います。
 
そもそも選対という組織は民主組織か? 僕が思うに、そうじゃない。あくま> でも選挙に勝つための組織で、当たり前だが、宇都宮> 氏の個人組織 > だ。
 
宇都宮陣営選対の母体となった「人にやさしい東京をつくる会」は「当たり前だが、宇都宮氏の個人組織」ではありません。「脱原発、反貧困、教育行政の転換、憲法の尊重という広範な一致点に基づく共同候補を擁立」するために広範な市民が結集した市民の結合体としての組織です。ただ、同組織が結成されるに至った重要な要素として「宇都宮候補自身の速やかな決断が大きな力となった」ということはあります。しかし、逆にいえば、それだけのことにすぎません。
 
そのことは当の「人にやさしい東京をつくる会」の「東京都知事選の総括&資料」(pdf)の「4.今回の選挙戦の意味と課題」の「4-1 幅広い共同の実現」(13頁)の中にも明確に記されています。
 
「都知事選では、宇都宮候補を擁立した超党派・無党派的な市民活動家や弁護士などが、確認団体「人にやさしい東京をつくる会」をつくって運動の主軸となりました。「会」は政党の支持拡大を担い、市民選対本部を設け、若者中心の事務局を組織するなどして、運動を担い、支持政党や労働組合、各地の勝手連がそれぞれ主体性をもって活動を展開しました。これまでにない選挙スタイルであった と評価することができるでしょう。石原前都知事の突然の辞任という緊急事態の中で、短期間のうちに脱原発、反貧困、教育行政の転換、憲法の尊重という広範な一致点に基づく共同候補を擁立し、候補者本人の決断がなされました。このような陣形を築く上で、宇都宮候補自身の速やかな決断が大きな力となったことは、特に強調したいと思います。」
 
また、上記の「東京都知事選の総括&資料」にも資料として掲載されていますが、宇都宮弁護士が都知事選への立候補を表明する際に同時に発表された「<声明> 新しい都政に何を求めるか」(21頁)にも格調高い文体で次のように謳われていました。
 
「惨憺たる石原都政の一三年半であった。(略)いま、東京都知事を変えることは日本の右傾化を阻止する力になると私たちは考える。では、どのような都知事を私たちは求めるか。第一は、日本国憲法を尊重し、平和と人権、自治、民主主義、男女の平等、福祉・環境を大切にする都知事である。第二は、脱原発政策を確実に進める都知事である。石原知事は、原発問題を「ささいな問題」と呼んだが、冗談ではない。東京都民は福島原発からの電気の最大の消費者であり、東京都は東京電力の最大の株主だ。福島原発事故の結果、豊かな国土が長期にわたって使えなくなり、放射能汚染による被害は、むしろこれから顕在化する。原発事故と闘い、福島をはじめとするこの事故の被害者を支えることは東京都と都民の責任である。これまで原発推進政策を推し進めてきた政官業学の原子力ムラと闘うことは、この国の未来を取り戻すことである。政府、国会、経産省、東電を抱える東京での脱原発政策は、国全体のエネルギー政策を変えることになる。第三は、石原都政によってメチャメチャにされた教育に民主主義を取り戻し、教師に自信と自律性を、教室に学ぶ喜びと意欲を回復させる都知事である。第四は、人々を追い詰め、生きにくくさせ、つながりを奪い、引きこもらせ、あらゆる文化から排除させる、貧困・格差と闘う都知事である。以上のような都知事を私たちは心から求める。このような都知事を実現するため、私たちは全力で努力する。2012年11月6日」
 
「人にやさしい東京をつくる会」は上記のような志のもとに結成されたのです。第一から第四に掲げられている政策を実現する都知事が求められているのであって、宇都宮氏の「個人組織」として設立された組織ではないことは明らかです。宇都宮陣営選対の結成も上記の政策を実現するための選挙選対として設置されたもので「宇都宮陣営選対」という名前がついていても宇都宮氏の「個人組織」として設立された選対でもないことは明らかです。
 
また、上記の第一から第四までの政策課題は明確な民主的課題であり、その民主的課題の実現を担う「選対」が「民主組織」でなければならないのはこれも論じるまでもなく明らかなことだといわなければならないでしょう。
 
あなたの論難及び論定は前提そのものが誤っています。そういうところから有益な所論も当然生まれるはずもありません。
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