澤藤統一郎さんの紹介される下記の同氏のご子息、大河さんの宇都宮選対「随行」記を読んで、いままで澤藤弁護士の意見に同意、同調するものの、それはあくまでも同氏の「怒り」として読みなしていた「宇都宮健児君」「宇都宮選対」「人にやさしい東京をつくる会」への「怒り」は私の「怒り」に変わりました。私は大河さんが描出するような人物(群)を許せません(そこにはもちろん、「耳順」の齢を疾うに超えた私の人生経験からくる判断があります)。だから、私は、今度は自分の言葉として言います。宇都宮健児氏を決して立候補させてはならない、と。

論語 
自分の言葉として言う。
 
以下、「宇都宮健児君、立候補はお辞めなさいーその6」(2部構成)の1部(大河さんの宇都宮選対「随行」記)のみ転載します。


宇都宮健児君、立候補はお辞めなさいーその6
(澤藤統一郎の憲法日記 2013年12月26日)

本日のブログはかなりの長文になる。長いが、是非最後までお読みいただきたい。インパクトがあるはずだ。
 
本日は2部構成となっている。
 
第1部は、澤藤統一郎の息子の澤藤大河が執筆している。彼が、宇都宮選対で随行員として働き、不当な任務外しを受けた「被害者」の一人だ。もちろん、任務外しをした、上原選対本部長、熊谷事務局長の側にも、あるいはこれを「責任を問うような事件ではない」と看過した宇都宮君にも、それなりの言い分がないはずはない。
 
しかし、まずは、「被害を受けた」という側の言い分に、耳を傾けていただきたい。その後に、「加害者」と指摘された側の言い分もじっくり聞いて、ご自身で、このような選対のこのような候補者が、都知事選の候補者としてふさわしいか否かをご判断いただきたい。
 
第2部は、本日唐突に強行された安倍首相の靖国神社参拝に対する憲法の立ち場からの評論である。このブログの訪問者数は、平均1500程度。それが、今毎日4000に近くなっている。「宇都宮君、立候補はおやめなさい」の記事を読みにいらしている新来の方が、半分以上と推察される。私のこのブログは、宇都宮君糾弾のためのブログではなく、「日々の憲法問題」を取り扱う「憲法日記」である。
 
一日も早く、宇都宮君の出馬断念を確認して、日常の「憲法日記」に戻りたいと願っている。今日の安倍靖国神社参拝については、どうしても書かずにはおられない。宇都宮君の出馬の是非についての関心でこのブログを閲覧される方も、第2部まで目を通していただくよう、お願い申し上げたい。お読みいただくにふさわしい内容だと自負している。
 
私の経験した宇都宮選挙
私は、2012年の都知事選挙で、宇都宮候補の選挙運動員となった。当時、私は、勤めていた会社を退職し、司法試験の受験準備をしていたので選挙運動の時間をとることができた。候補者の宇都宮さんが父の知り合いだったことからの紹介だったが、強権的な石原都政の承継を阻止したいと強く願っての選挙戦への参加であった。
 
その際、以下の三つの私の経験が生かせると考えた。
 
まず、私は東大教養学部の学生自治会の委員長を2期務め、その際有権者8000人の選挙を経験している。私の経験した選挙戦は、選挙の原点を学ぶにふさわしい、普遍性に富む充実したものだった。
 
また、工学修士号を有し理科・工学の基礎的な知識のあることは、脱原発を訴える宇都宮選挙で重要な援助をなし得るものと考えた。
 
さらに、司法試験を目指している立ち場で、法律についての素養があることも、政策論争や選挙弾圧対策において重要な意味があると考えた。
 
わたしは、選挙の始まる以前の11月19日から、解任される12月13日夜までの全期間、ほぼフルタイムでボランティアとして選挙に参加した。場合によっては早朝から深夜まで。当然のことながら一円も受け取っていない。選挙とはそのようなものだと心得ていた。宇都宮さんの秘書的な立場にあって選挙運動開始以前から彼と行動を共にした。私の任務はスケジュールの管理である。具体的には、常に候補者に同行し、その安全をはかるとともに、彼が過ごしやすいように配慮して、必要な時刻に必要な場所に彼を送り届けることだった。
 
私は、候補者本人とは誰よりも長く時間をともにした。スケジュールを策定する本部とも密に連絡を取り合っていた。おそらく、私ほどにこの選挙の全体像を見てきた者はなかったと思う。その立場から、率直に申しあげる。宇都宮陣営の選挙は、およそ選挙の形をなしていなかった。候補者についても、選対についても、負けるべくして負けたというほかはない。
 
以下に、候補者と選対について、見聞した事実を語ることにする。事実を語れば、否定的な評価は避けられない。できることなら触れないでおきたいとは思う。それでも、やはり率直に語らねばならない。再びの過ちを繰り返さないという大義のために、である。
 
宇都宮候補について
 
・候補者としての魅力に欠けること
私が、宇都宮さんの随行員を買って出た動機のひとつには、宇都宮さんから多くのことを学ぶことができるだろうとの思いがあったから。きっと、魅力的な人物なのだろうとの期待が大きかった。しかし、一緒にいて、その期待が崩れるのに、たいした時間はかからなかった。その後は、宇都宮さんの魅力に感じてではなく、任務として頑張った。
 
候補者には、人と話をして魅了する資質が必要である。ところが、彼はそもそも話をしない。話しかけても膨らませて会話が弾むことがない。私も、最初は頻繁に話しかけたのだが、話しに乗ってくることがなかった。
 
彼の演説は毎日聴いたが、聴衆を魅了する憲法訴訟の経験談や、人権擁護の熱意がほとばしるという魅力に溢れた演説は一度も聞いたことがない。私の期待が、そもそも無い物ねだりだったのだ。人を感動させたり引きつけたりする内容のある話ができないのは、候補者として不適格というしかない。そもそも政治家としては向いていないのだと、どうして誰も言わないのだろうか。
 
選挙戦の初めのころ、ある運動員が宇都宮さんに話しかけたことがある。「是非、よい弁護士さんに都知事になってほしい。そして憲法の理念を都政に生かしてほしい。私は常々憲法13条こそ一番重要な条文であり、これを生かすような政治が必要だと考えている」
 
私は、弁護士が候補者であることの最大の利点は、法律を、とりわけ憲法を縦横に語れることにあると考えていた。これは、猪瀬や松沢、その他の候補者には全くできないことだ。弁護士が憲法13条を語ることは、まるごと自分の憲法観を語ることであり、自分の職業的な使命観を語ることでもある。宇都宮さんが弁護士としてがんばってきた今までの反貧困運動、クレサラの活動などが凝縮された、具体的で理想に満ちたすばらしいやりとりを期待した。
 
ところが、宇都宮さんの返事は「そうですか」というだけのもの。あとでその運動員は、大変がっかりしたと語っていた。
 
・都知事候補者としての政策能力が十分ではない
さらに候補者としての不適格な点は、具体的に都政を語る力が十分とは言えないことだ。
 
これは、彼だけの責任に帰するのは気の毒な面もあるが、都政について語るべきものをもっているとは言いにくい。これまでの蓄積のないことが見えてしまう。
 
街頭での演説は、常に同じ内容の繰り返し。選挙戦の進展に伴って、演説の内容が深化していったり、訴えるべき言葉の完成度が高まるということはなかった。
 
宇都宮陣営の政策は、抽象的には優れたものかもしれないが、具体性に乏しく、このままでは候補者の演説にはならない。この難題をこなすには多大な能力を必要とするが、明らかに宇都宮さんには重荷に過ぎた。候補者が、広大な東京都の中で、演説する場所に応じた、地域的な課題について触れることもなかった。あえて言えば、秋葉原で表現規制問題に触れた程度だろうか。
 
テレビにおける公開討論は総選挙と重なったことで2回だけだったが、宇都宮さんが他候補との議論において切り結び、圧倒するような場面は一度もなかった。切られないようにハラハラしながら祈るばかり。公開討論の回数が少なかったことは、猪瀬の傲慢さを都民に伝える機会が減った点で残念なことであったが、同時に、宇都宮さんの都政への知識不足と熱意不足が明らかにならなかったことは、むしろ陣営に利益だったといえるだろう。
 
以下、私が彼に失望した具体的事件を述べる。
 
・バッヂ事件(NHKでの収録)
弁護士の世界は別として、ささやかなりとも宇都宮候補が社会的知名度があったのは、年越し派遣村の名誉村長となり、湯浅誠氏などと反貧困運動に関わったから。宇都宮さん自身も、反貧困運動に取り組んできたことを周囲に誇らしげに語っており、どこに行くにも反貧困バッヂを背広に付けていた。
 
ところが、政見放送収録のため、渋谷のNHKに出向いたときのこと、収録直前にNHKの職員がそのバッヂを外すように指示してきた。
 
これには二重の問題がある。
 
一つは、表現の自由との関係である。およそ弁護士として、「表現手段としての大切なバッヂ」を外せと言われて簡単に応じられるはずはない。政見放送が完全に自由に収録されねばならず、あらゆる制限がなされるべきでないこと、それを争った憲法訴訟もなされたことは、広く知られている。憲法を擁護する立場を鮮明に打ち出した候補者として、表現の自由に対する制約に対して常に闘う姿勢を示すべきでないのかという問題が第一。
 
次に、反貧困運動を行ってきた仲間に対して、そして「自分のトレードマークはこのバッヂである」と語り真剣に行ってきた運動に対しての裏切りにならないのか、という問題が第二。
 
私は、NHKの職員にその指示の根拠となった文書を見せるように要求した。NHK職員が手渡したのは、上司からのメールの一部だったが、その後半には「それでも候補者がバッヂを外すことに同意しない場合はそのまま収録、放送すること」という指示が書かれていた。
 
私は、政見放送において、あらゆる制限は認められないという原則をNHKの職員に主張するとともに、選対の法対に連絡し、バッジを外すことを拒否した場合の法的リスクについて判断を仰いだ。法対の判断は外す必要はないし、なんらかの訴訟になれば憲法訴訟として受けて立つに足るものだというものだった。
 
私は、法対の判断と、NHK職員のメールから絶対的な要求ではないという先方のハラを宇都宮候補に伝え、どうするか相談した。
 
まったく意外にも、宇都宮さんは「ああ、はずしますよ」と理由も言わずバッヂを外してしまった。これには、唖然とした。NHKが政治的に偏向していることは周知の事実ではないか。彼は、何の抵抗も示すことなく、その指示に従ってしまった。たたかう姿勢皆無の人なのだと、私は失望した。
 
後日、宇都宮候補は、「マスコミ対応には彼(澤藤大河)よりも、私(宇都宮自身)の方がなれているから」と、私のいないところで語ったという。人権も、運動への誇りも、仲間を裏切る葛藤もなく、NHK職員の指示に従うことが「マスコミ対応になれている」ことにあたると宇都宮候補が考えているのならば、都知事になったところで、官僚や議会多数派の指示に従うだけの都知事になるだけだろう。
 
・収録時間超過事件(MXTVでの収録)
NHKでの政見放送の他に、民放各局合同の政見放送収録があり、MXTVに赴いた。
 
ここでの収録の際、宇都宮候補は、予め決められていた時間枠を数秒オーバーしてしまった。
 
事前に説明があったとおり、他の候補との平等取り扱いのため、収録のやり直しは認められない。さすがに、発話中に突然終わってしまうことは防ぐために、一番最後の「皆さん、ともに都政を作っていきましょう」という呼びかけを削除するのでよいかと、スタッフから質問された。しかし、これでは終わり方が不自然になってしまう。
 
私は、何度もビデオを見直して、カットするなら最初の頭を下げる挨拶部分を切ることはできないかと、提案した。最初は、「前例がない」というだけの答えだった。食い下がって、それが不可能であるか問い合わせてほしいと求めたところ、収録スタッフがわざわざ電話をかけて局長に問い合わせ、それが可能だとの答えを得た。
 
その結果、幸い冒頭のお辞儀の3秒ほどをカットすれば、時間内に収まることが現場で繰り返し再生することで確認され、無事に最後の呼びかけまで政見放送されることになった。
 
この件に関して、宇都宮候補は現場で一切発言しなかった。私のやり取りを傍観していただけ。しかし、やはり事後、この件について、「澤藤は何もしていない。局側スタッフがよいようにしてくれただけだ」と語っている。これには、呆れた。
 
そもそも、何百回でも練習して、きちんと時間内に演説できるように訓練してくることすらできない点で候補者としての熱意にも能力にも欠けている。そのうえ、自分の陣営の利益に誠実に活動する者を、守ろうとしない点でも候補者としての資質に欠けることになろう。
 
・同窓会
宇都宮さんの同窓会にも同伴した。東大駒場の文Ⅰ(法学部進学)のクラス会だった。
 
30人も出席していただろうか。当時、宇都宮選対内のメールマガジンやツイッターでの情報発信のために、私は宇都宮さんの人となりについての情報をできるだけ集めて選対に送っていた。
 
宇都宮さんがどんな学生だったのか、学生時代の友人は彼をどう語るのか、最高の取材の場であると考えて、出席者に話を聞いてまわった。弱い立場の者に寄り添った話や、自分の信念を貫いた話が何か聞けるかと期待した。
 
しかし、みな口をそろえて言うのは、「地味だった」「目立たなかった」というものだった。具体的なエピソードについては一切聞けなかったのは、実に驚くべきことだった。
 
その場で誰かが、「立候補に当たっての供託金はどうしたんだ?借りたのか?」という軽口が飛んだ。宇都宮さんは、それに「自分で用意した」と答えていた。自ら用意すると一旦は言いながら、結局用意できずに、他人から借りた事情を知っている私の前で、なぜそのような嘘を申し述べるのか、理解に苦しんだ。
 
その上、その場で旧友に対し、供託金が高すぎて負担が大きいとの持論を繰り返し述べていた。供託金が高いことを問題視するならば、自分で用意できないほど高いのだと率直に語った方が、かわいげがあったのではないだろうか。
 
ずいぶん、長くなった。今日は、ここまでとする。明日は、私を切った選対の体質について、お話しをしよう。

*「2部」は省略。全文は上記URL「宇都宮健児君、立候補はお辞めなさいーその6」をご参照ください。

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