革新・リベラル勢力内でも来年早々(2014年1月23日告示、2月9日投開票が有力)にも投票のある東京都知事選やり直し選挙の候補者探しはすでに始まっているようです。前回の都知事選で宇都宮陣営の中心母体のひとつとなった「東京をプロデュース」も猪瀬東京都知事が正式に辞職表明を発表した12月19日に「いよいよ猪瀬都知事辞任となりました。東プロでは、宇都宮さんを交えての会合を開き、数名の候補対象者を決めました」という告知を流しているようです。したがって、同知事選に対する私のスタンスは、いまの段階では革新・リベラル勢力内で革新統一候補の合意が成立するのを静かに、しかし、熱く待つ、ということです。
 
それが団体であれ個人であれ、いまの段階で特定の候補者の名前を出してその支持を訴えることは、前回都知事選の反省点、いまの政治情勢の分析なども含めて候補予定者のさまざまな事情をも勘案した上での自由闊達な見地からの候補者選びをかえって阻害してしまうということにもなりかねません。いまの段階では静かに、しかし、熱く待つ、というのがベストの選択のように思います。
 
しかし、そうではあっても、革新・リベラル勢力の都知事選候補者探しについていくつかの提言的な声があります。そのいくつかの声を断片のままでご紹介しておきたいと思います。革新・リベラル勢力の候補者選びのあり方の問題、その「考えるヒント」、いや、「考えなければならないヒント」として。だから、「断片」を「断片」のままに。

猪瀬直樹 
東京都知事選で史上最多の434万票を獲得して新知事として
初登庁したときの猪瀬直樹氏(2012年12月18日)

・「私は柄にもなく昨年の都知事選挙で、宇都宮陣営の選対に加わった。これまで経験のないことで、右往左往するばかりだったが、「惨敗」の結果は驚愕だった。ダブルスコア、トリプルスコアという語彙は知っていたが、4倍を遙かに超える票差をどう表現するのかを知らない。なぜ、こんなに大差で負けたのか。選対の公式総括には納得が出来ず、何人もの人に尋ねてきた。最も多くの人の意見は、「知名度の差」だ。「最初から勝負にはならないことは分かっていたでしょう」「勝敗よりは、共闘の形だけが欲しかったのでしょう」などと、私には衝撃の言葉を聞かされた。続いての意見は「石原都政が批判に値するほど悪いと思われていなかったから」という、これはとても不愉快なもの。
 
惨敗の原因が「知名度の不足」だとすれば、候補者選択の時点で既に勝負あったということになる。猪瀬退陣が現実味を帯びてきた今、リベラル派の候補者を模索しなければならないが、前回選挙と同じ候補者では同じ轍を踏むことにならざるを得ない。本気で勝つためには、知名度の高い、有権者に魅力のある候補者を擁立しなければならない。本気で勝つ気はないと思われる候補者選びや、共闘の形づくり、惨敗の反省がないなどと言われる恐れのある選挙母体であってはならない。前回選挙とは総入れ替えした清新な選挙母体で、勝てる候補者の人選をしなければならない。当然のことながら、昨年の惨敗の責任の一端を負わねばならない私などは、新たな選挙に関わらない方が良いと思っている。」(「2012年総選挙・都知事選-あの敗北から1年」澤藤統一郎の憲法日記 2013年12月17日)
 
・「宇都宮君は、上原公子さんと並んで「緑茶会」という脱原発市民運動団体の結成呼びかけ人となっている。この「和製ティーパーティー」は、参院選で脱原発の候補者を選別し調整して、当選可能性の高い候補者を支援することが目的だという。
 
この会のホームページで、上原さんは、設立呼びかけのメッセージとして、「国民の不幸は2つある。国民を守るべき政府が、国民を置き去りにしていること。選ぶべき信頼(に)堪えうる政党がないことである」と言い放っている。この人、社民党から参院選に立候補して落選した経験があるはずだが、社民だけでなく、共産・みどり・生活・緑の党まで含めて、すべての政党を「信頼に堪えうる」ものでないというのだ。この人の頭の中では、「政党」と「市民」とは水と油のごとく親和せざるものとなっているのだろう。
 
もちろん、政治信条は人それぞれに自由、表現も自由だ。上原さんの言動を怪しからんというつもりはない。しかし、言論には責任が伴う。この人は革新陣営の共同行動を呼び掛けるにふさわしい人ではなく、この人の呼びかけによる運動に信を措くことはできない。「信頼に堪えうる」政党がないという人の呼び掛けに、のこのこ応じる政党人の見識も問われることになるだろう。
 
緑茶会は「脱原発候補が複数立候補する選挙区においては、当選確率がより高いと客観的に判断できる候補を推薦する」として、東京選挙区では、大河原まさこ候補(無所属)だけを推薦している。吉良よし子候補はもちろん、その他の「脱原発・原発ゼロ」を掲げる候補の推薦はない。端的に言えば、有権者の脱原発票を大河原候補に集中しようとしているのだから、排他性の高い運動となっている。大河原候補を推薦したければ、その実績や政策を訴えればよいこと。同候補を「当選確率がより高いと客観的に判断できる」などとまで根拠のないことを言って、脱原発志向の有権者を惑わせるのは罪が深い。
 
宇都宮健児君も緑茶会設立呼びかけ人の一人である。東京選挙区では、「当選確率がより高いと客観的に判断できる」大河原候補に脱原発票を集中するように呼び掛けている立ち場にある。この排他性の高い運動の呼びかけは、吉良候補への応援とは両立しない。敢えて吉良候補への支援の弁を赤旗に掲載したことを評価するとして、緑茶会呼びかけ人としての立ち場は放棄したのか、そうでないのか気にかかるところ。革新共闘の要に位置した人として、排他性の高い運動に加担してはならない。その辺のケジメを大切にしていただきたい。」(「参院選・投票日まであと3日ー脱原発を願う有権者の皆様に」澤藤統一郎の憲法日記 2013年7月18日)
 
・「ここは、民主・生活・共産・社民が結集して、リベラルの統一候補を探し出して立てなくてはいけない。この都知事選はチャンスだ。安倍晋三に逆風が吹き、支持率が下がり、マスコミ(朝日・毎日・テレ朝・TBS)がこの機に安倍晋三を失墜させようとしている。若くて魅力的なリベラル候補が立ち、STOP THE ABE を宣言して看板に掲げ、秘密保護法に反対する民意の受け皿となれば、必ず勝機を掴むことができるだろう。若くて溌剌としたリベラル候補を立てることができれば、若者のボランティアが選挙運動に参集し、2008年の選挙でオバマが勝利したような草の根の戦いを現出させることができる。この都知事選で勝つか負けるかはとても大きい。勝てば、現在50%を切った安倍晋三の支持率は、一気に40%を割るところまで落ち、そこから消費税増税の春を迎える局面に推移する。支持率が30%を切って沈み込めば、レイムダック化の評がマスコミで定着し、暗愚が目をキョロキョロさせる頻度が増え、予定している集団的自衛権の行使(国家安全保障基本法)は世論の猛反発を受けて頓挫することになるに違いない。逆に、この政治戦で安倍晋三を勝たせてしまうと、秘密保護法で下降に転じていた支持率が反転回復し、安倍晋三の応援団である右翼マスコミ(NHK・フジ・読売)の声が勢いを増し、集団的自衛権の攻防でわれわれは決定的に劣勢に立ってしまう。
 
(略)私は、土井香苗を候補に立てるべきという提案をしている。理由はTWで何度も述べてきた。左派は宇都宮健児を候補に担いではいけない。むざむざ自滅の道を選んではいけない。宇都宮健児が左派候補で立てば、そこに民主は乗ることはできない。民主は自主投票となり、票は左右に分かれてしまう。今回の選挙は、安倍晋三の推す候補を倒して勝つ選挙であり、リベラルは大きく一本で共闘する必要がある。昨年の選挙での惨敗ぶりを見ても、高齢の宇都宮健児に期待が集まらないのは歴然だ。都民は若い候補者に投票する。高齢の有権者ほど、若い政治家への期待が熱く大きい。」(「都知事選でSTOP THE ABE - リベラル統一候補の擁立を」世に倦む日日 2013-12-16)
 
・「さて、上記の保守陣営に対立する候補についてだが、孫崎享がこんな妄言を発した。
https://twitter.com/magosaki_ukeru/status/414176357879275522
 
孫崎享@magosaki_ukeru 2013年12月20日 - 15:31
RTは438:東京都知事選:誰か田中康夫氏に言及。その選択も十分ある。私は田中康夫氏も素晴らしいと思う。宇都宮氏に限定しなくてもいい。重要なことはリベラルの結集だ。早く体制を整え立候補予定を宣言するのが良い。そうすればマスコミ無視できない。マスコミ設定の筋書きを早く壊すべきだ。
 
何言ってんだこのボケ老人。平沼赳夫や城内実と一緒になって国籍法改正に反対した田中康夫のどこがリベラルなんだよ。極右政治家じゃないか。そもそも、岸信介・佐藤栄作兄弟や朴正煕の信奉者であるお前が、なんで「リベラル」を僭称するんだよ。ふざけんじゃねえ!!!(略)「重要なことはリベラルの結集」ですか……(呆)」(「『東京都知事選候補』候補の混迷」kojitakenの日記 2013-12-21 )
 
なお、前回都知事選に革新・リベラル候補として出馬した宇都宮健児さんの来年早々の都知事選出馬に関しての次のような「最終的な」決意の言葉もあります。
 
「いろいろな市民団体でも話されているようですけども、前にもお話ししましたけど、その中でほかの人がいなくて、そして、私のようなものでもよければ、覚悟は決めているんですけど、ただ市民団体が(いろんな市民団体がありますから)いまいろんな話をされていると思います。で、そういう市民団体の中で私以上にすばらしい候補者もたくさんいらっしゃると思いますので、そういう話し合いの中で最終的にどなたも出られなくてあんたしかいないということで、それであんたでもいいということであれば、昨年の続きですからね、そういうことは考えなければいけないかなあと思ってはいます。が、まだいろんなグループが議論されているようですから、そういう前回支援していただいた人たちともよく相談しながら対応を決めなければいけないと思っています。ただ、時間が短いですからね、早く決めなければいけないとは思っています。」(草の実アカデミー主催の宇都宮健児氏講演会22013年12月20日 1:17:35頃~)

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