安倍内閣4 
Japans Ministerpräsident Abe (rechts)

秘密保護法を、たとえ採決されても、みとめてはならない。
(辺見庸「日録6」2013/12/03)
 
いまはなんの季節だろうか?いまはまさにどんな時候なのか。
 
やむをえず声をあらげるべき季節ではないのか。余儀なく、あたうかぎり大きな声で吠えるときだ。いまは、からだのもっとも深い底で、いまここにこうして在ることの恥を、ザクリザクリと刻むべき季節ではないのか。
 
いまはさて、なんの季節か。この季節の埒もない移ろいを、やすやすとゆるしてしまったことを、皮裏深く悔いるべき季節ではないか。辱めをわがからだに彫らなくてはならない。平刀で三角刀で鑿で烏口で。
 
いまはどんな季節だろうか。 口から首へ、首から胸へと、肉をぬちゃぬちゃと腐らせ、骨をもろもろと崩していきながら、もうたまらず愧死してもよい季節ではないか。
 
いまは正直どんな季節だろうか。あの底なしの阿呆どもにあらがい、あらがうということの、途方もない徒労と、それを徒労とばかり思い込んできた狡猾な錯視と徒労のくりかえしに、しばらく耐えるべき、じつにかくべつの季節ではないのか。
 
おもえば、あまりにしたたかに惨めなのである。しかし、いまはそういう季節なのだ。たったあれしきのことをおまえが「テロ」と呼ばわるのであれば、おおさ、血も凍るテロリズムをおまえたちこそが着々と用意していることを、これから諄々とおしえてやろうではないか。
 
いまはどんな季節だろうか?ずるっと戦時がきたのである。秘密保護法を、たとえ採決されても、みとめてはならない。(略。見出し、改行は引用者)
 
右翼ポピュリズムがひとびとのフラストレーションにつけこ
んでいくためのあらゆる条件がいま、ほぼ整いつつある。

(辺見庸「日録6」2013/12/05)
 
この右翼ポピュリズム圧勝のつぎには、どんな風景がまっているのか。民衆(demos)はどこにうごいていくのか。われわれは民衆か。民衆はわれわれか。わたしは「われわれ」か。
 
で、「腐れた民主主義の民主化」はありうるのか。おもう。「腐れた民主主義の民主化」は、ない。
 
この社会では、右翼ポピュリズムが(貧困者や弱者をふくむ)ひとびとのフラストレーションにつけこんでいくためのあらゆる条件がいま、ほぼ整いつつある。弁才あるデマゴーグたちが今後ますますのさばり、はびこるだろう。左派/右派の境界と対立点は、いよいよあいまいで希薄なものになるだろう。わたしやあなたは日々に、なにか語ろうとする意思に明瞭な発語のともなわない、擬似唖者と化しつつ、たちあがってくる光景に目をみはり、ただ絶句するであろう。
 
右翼ポピュリズムは民主的で集合的で合法的なテロルと少数派の排除にのりだすだろう。足下ではげしい流砂がおきている。来週以降、年末までに、また絞首刑の執行があるかもしれない。(略。見出し、改行は引用者)
 
再び「抵抗権」について
宮沢俊義『憲法Ⅱ』「抵抗権」

個人の尊厳から出発するかぎり、どうしても抵抗権をみとめないわけにはいかない。抵抗権をみとめないことは国家権力に対する、絶対的服従を求めることであり、奴隷の人民を作ろうとすることである。」(宮沢俊義『憲法Ⅱ』「抵抗権」)
 
引用者注:上記は人民の「抵抗権」について述べた宮沢の言葉ですが、人民の集合体としての政党や団体の「抵抗権」についても同様のことがいえるでしょう。

超安心 秘密保護法なんて怖くない!
憲法は最強の切り札なのだ

(街の弁護士日記 2013年12月5日)

何か、このまま秘密保護法が成立してしまうと、いっぺんにみんな気落ちしないか心配になってしまったので、マチベンからのアドバイス。
 
憲法21条の「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由」には「過度に広範ゆえ無効の法理」とか「不明確ゆえ無効の法理(あいまいゆえ無効の法理)」とかウルトラマジックな切り札が用意されているんです。
これは大学生でも知っている法理だけど、法学部生でないと知らない可能性があるから、書いておくね。
 
要するに、表現の自由は民主主義を支える重要な権利だから、表現行為が萎縮するような法律は厳に慎まなければならないんですね。
過度に広範だったり、曖昧だったりすると、表現行為が萎縮してしまうわけ。
そうなると民主主義自体が機能しなくなって、誤った政治が行われても、民主主義による是正ができなくなっちゃうので、表現行為はとりわけ厚く保護されてるんですね。
 
今回のように何が秘密かわからないような、とても不明確な国民に対する表現の自由に関わる禁止、全省庁に秘密があるような非常に広範な秘密に関わる国民に対する表現の自由に関わる禁止、については、「不明確ゆえ無効」「広範ゆえに無効」と呪文を唱えると、一気に秘密保護法全部が無効になっちゃうわけ。
とっておき、ミラクル憲法マジックですよ、これは。(中略)
 
そうは言っても、戦前、あんなにやりたい放題に弾圧されたではないかという向きもご安心。
戦前は日本国憲法はありませんでした
大日本帝国憲法は、法律さえ作れば、無制限に人権を制限することができることになっていましたが、日本国憲法は、法律を超える最高法規ですから、憲法違反で無効だと唱えれば、無効になっちゃうんです。(後略)
 
新聞(全国紙・地方紙)社説(12月6日)

朝日新聞:特定秘密保護法案―民主主義に禍根を残すな
毎日新聞:秘密保護法案、参院審議を問う 強行可決 議会政治を壊す暴挙
毎日新聞:秘密保護法案、参院審議を問う 反対の声を無視 民主主義と人権の危機
東京新聞:特定秘密保護法案 知らされぬ国民の悲劇
北海道新聞:秘密保護法案 強行採決は許されない
新潟日報:秘密法案採決 世論無視した横暴を憂う
河北新報:秘密法案強行可決/審議のあり方を問い直せ
秋田魁新報:秘密法参院委可決 許し難い 「数の横暴」だ
岩手日報:秘密保護法案 民主主義が壊れ始める
茨城新聞:臨時国会 強行政治に猛省求める
信濃毎日新聞:秘密保護法 採決強行 内外の懸念無視の暴挙
信濃毎日新聞公安警察肥大 息の詰まる社会にするな
神戸新聞:秘密法案採決/審議は尽くされていない
京都新聞:秘密保護法案 民主主義壊す道を進むのか
中国新聞:特定秘密保護法案 議論尽くしたとはいえぬ
高知新聞:【秘密保護法案】 立ち止まって考えたい
愛媛新聞:秘密保護法案、参院委強行可決 暴挙許せない
西日本新聞:政治の暴走は許さない
琉球新報:秘密法強行採決 憲法を破壊する暴挙
沖縄タイムス:[秘密保護法成立へ]巨大与党暴走の序章

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