以下は、私の参加しているいくつかのメーリングリストに警鐘を意味を込めて発信したものです。
 
山本太郎議員の天皇に手紙手渡し問題に関してメーリングリスト上でのいくつかの意見を拝見しましたが、そのほとんどすべての意見がこの問題の本質を見損なっているように思います。そして、問題の本質を見損なった上でのご投稿であるように思います。

山本太郎 
山本太郎議員、秋の園遊会で天皇陛下に手紙を手渡し(TBS)
 
では、その問題の本質とはなにか。そのことを説明するうえで『皇国日本のデモクラシー』(有志舎、2011年)や「戦後日本政治史のなかの原発問題」(『史創』3号)などの著書や論文のある歴史学者の住友陽文さん(大阪府立大学教員・日本近現代史)のツイッター投稿を以下いくつか引用します。
 
臣民の一人である田中正造が議員辞職をしたのち、統治権の総攬者である天皇に直訴したのと、主権者である国民の代表である山本議員が、国政に関する権能を持たないと憲法で定められている天皇に直訴するのとでは意味が全然違う。山本議員がやったことは天皇を主権者の頭の上に戴いたのと同じだろう。
https://twitter.com/akisumitomo/status/395839844229730305
 
むしろ、「民主主義の暴走」、あるいは「立憲主義の危機」じゃないのかな。
https://twitter.com/akisumitomo/status/395844152413265920
 
こういう山本議員の行動や一部脱原発運動の底流にある意識などを見ると、2012年4月に公表された自民党「憲法」草案のうち天皇の元首化は社会的にはほとんど抵抗感なく受け入れられそうに思う。
https://twitter.com/akisumitomo/status/395847470485209088
 
田中正造よりも昭和の青年将校に近いような。 RT @ishikawakumiko「動機の純粋さ」「心情の純粋さ」「主張の純粋さ」から世論が山本太郎議員を支持するのであれば、それは戦前のテロリズムを容認した世論の二の轍を踏みかねません。
https://twitter.com/akisumitomo/status/395848289808953344
 
私がここで「問題の本質」と言っているのは、住友陽文さんの言う「山本議員がやったことは天皇を主権者の頭の上に戴いたのと同じだろう」という指摘と同値です。山本議員の行動は国民の上に天皇を戴く。すなわち、日本国憲法の「国民主権」の原理に真逆する行為だということです。そういう意味で「民主主義の暴走」、あるいは「立憲主義の危機」と言えるのです。
 
この山本議員の今回の行為の意味をよく考えてみる必要があるでしょう。
 
この山本議員の行為を是認するようであれば、上記で住友陽文さんが指摘されていることのほかにもたとえば「右派政治家が同じシチュエーションで「陛下、靖国に参拝して下さい」という内容の手紙を渡すのも」論理的には肯定されなければいけないことになってしまうでしょう。山本議員の行為はきわめて危険な兆候と見るべきです。
http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20131031
 
また、当面の政治情勢にどう立ち向かうかという側面から見ても、今回の山本議員の行為は、「彼が『天皇の政治利用の是非』という余計なテーマを投げかけた事で、やれみずほだ食品偽装だみのもんただ天安門だのでマスコミの主要テーマからかき消されがちな秘密保護法の問題が、この切羽詰った政治スケジュールの中で余計に議題に上りにくくなる」負の要因となる危険性も高いということも指摘しておかなければならないでしょう。
http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20131031
 
*以上は、「vanacoralの日記」(2013-10-31)の「歴史学者・住友陽文氏の山本太郎批判」という論を参考にして記述しました。
 
また、「kojitakenの日記」の「山本太郎の軽挙妄動を持ち上げる大馬鹿者・田中龍作に怒り心頭に発する」という記事の中の以下の指摘もご紹介しておきます。
 
渡辺輝人さん@nabeteru1Q78(京都・弁護士):2013年10月31日 - 6:40
田中正造が凄いのは、絶対的天皇制の下で無権利に置かれた住民を代表し、不敬罪にも問われる場面で、あえてやったからだ。むしろ江戸時代の一揆や直訴に近い。議会制民主主義があって、天皇は政治的権能を持たない「象徴」である日本国憲法の下で同じ事をやっても田中正造にはなれない。雲泥の差。

参考:「山本太郎はおかしいが与党や自民党が騒ぐのはもっとおかしい件」(京都の弁護士 渡辺輝人のブログ 2013年11月01日)
 
kojitakenさん
さらに言えば、山本太郎の今回の行動は、田中正造が生きた天皇主権の時代への逆行を目指す安倍晋三ら極右の連中を利するものだ。右翼は今回の一件について、「不敬罪」的な批判を山本太郎に浴びせているようだが、彼らは内心ほくそ笑んでいるのではないか。そして、そんな山本の軽挙妄動を天にも届かんばかりに持ち上げる田中龍作のような人間こそ、山本太郎の百倍も千倍も罪深いと思う。

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