共同通信が22日付けで「参院196人、72%が改憲賛成 アンケート、96条は拮抗」という記事を発信しています。
 
「参院196人、72%が改憲賛成 アンケート、96条は拮抗」
(共同通信 2013/07/22)
 
共同通信社は22日、既にアンケートを実施していた参院選当選者と非改選議員計196人の回答を基に新しい参院の姿を探った。憲法改正については、「加憲」を掲げる公明党を含め、72・4%に当たる142人が「変えるべきだ」と回答した。ただ、憲法96条改正には賛否が拮抗した。
 
22日に確定した参院選の結果、改憲に積極的な自民、維新、みんな、新党改革の参院新勢力は計143議席となった。アンケートでは民主党の11人、公明党の11人も「変えるべきだ」と回答。この計22人を加えると計算上は、改憲発議に必要な参院3分の2の162議席に達する。
 
短い記事ですが、今後の政治の負のゆくえを展望するという意味で重要な情報が掲載された記事だと思います(もちろん、私たちもただ拱手傍観しているわけではありませんが)。
 
その国会の「改憲」状況に関して日本報道検証機構(GoHoo)がこれも重要な「注意報」記事を発信しています。私たちはこのGoHooが発信している国会における「改憲」状況に関する分布図を正確に受け止めておく必要があるでしょう。日本報道検証機構(GoHoo)はまさにわが国におけるジャーナリズムの“ウォッチ・ドッグ”(権力の監視者)の役割を果たしています。
以下、その日本報道検証機構(GoHoo)の検証記事(2013年7月22日付)。
 
「改憲勢力、3分の2達せず」は96条改正派のみ
(日本報道検証機構 GoHoo 2013年7月22日)
 
参院選の結果、改憲勢力が改正発議に必要な3分の2に達しなかったとの報道があるが、96条改正に賛成の4党だけで「改憲勢力」をカウントし、他の改正を容認する政党が入っていない。
 
【毎日】 2013/7/22朝刊1面「改憲勢力 3分の2近づく」
【日経】 2013/7/22朝刊3面「改憲勢力、2/3届かず 公明協力なら可能」
【共同】 2013/7/21「改憲勢力、3分の2に達せず 参院で自民・維新・みんな」
【NHK】 2013/7/22「改憲賛成政党 140議席確保」
【東京】 2013/7/22朝刊1面「改憲歯止め 原発・TPP推進」、2面「受け皿なく分散 改憲 原発 TPP 世論と議席にズレ」
 
《注意報1》2013/7/22 05:30
《注意報2》2013/7/23 18:30
 
《注意報1》 2013/7/22 05:30
 
7月21日に投開票が行われた参議院選挙の結果を受け、共同通信やNHKが「改憲勢力」あるいは「改憲賛成政党」が非改選議席を含め、憲法改正発議要件の「3分の2」を超える議席を確保できなかったと報じました。しかし、「改憲勢力」「改憲賛成政党」としてカウントされたのは、96条改正(改正発議要件の緩和)に賛成を明示している自民党など4党だけで、96条以外の改正を容認する政党がカウントされていません。(*) なお、共同通信は当初、記事の見出しを「改憲勢力、3分の2に届かず 参院で自民・維新・みんな」としていましたが、「改憲勢力、3分の2に届かず 『加憲』の公明加えると到達」に書き換えています。
 
共同通信は7月21日付で配信した記事で「自民、日本維新、みんなの3党と、今回候補者を擁立しない新党改革を合わせた改憲勢力4党」と表現。NHKも「憲法改正に賛成する政党」としてこの4党を列挙し、改憲発議に必要な3分の2に届かなかったと伝えました。
 
自民党(改選後115)、日本維新の会(改選後9)、みんなの党(改選後18)、新党改革(改選後1)は96条改正に賛成する立場で一致し、改選後計143議席となりました。他方、公明党(改選後20)、民主党(改選後59)、生活の党(改選後3)は96条改正に慎重か反対の立場であるものの、政権公約等でその他の改正には前向きな立場を示し、憲法改正そのものに反対とは表明していません。(**) 96条以外の改憲を認める3党を含め、何らかの改憲を容認する政党勢力は改選後計225議席で全体の90%を超えることになります。一方、改憲反対を明示しているのは社民党、共産党、沖縄社会大衆党で、改選後計15議席となっています。
 
改憲を容認する立場の7党は具体的な改正案について立場の相違があります。ただ、国会法は、憲法改正の発議についていわゆる「個別発議の原則」を採用し、全ての改正案で一致しなくても個別の改正で一致すれば発議できるとされています(68条の3)。96条改正については「慎重」論の公明党が賛成しない限り、3分の2超の発議要件を満たしませんが、その他の個別の改正案で3分の2超の勢力が一致すれば、改憲発議は可能となります。

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― NHK2013年7月22日03:00

改憲勢力、3分の2に達せず (共同通信2013/7/21 22:50、後に同一URL上で2013/7/22 03:06上書き修正)

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3分の2届かず
<各政党の憲法改正に関する立場>(改選後議席順)
 
◾自由民主党(改選後115)→憲法改正草案
◾民主党(改選後59)→参院選マニフェスト
民主党は、現行憲法の基本理念を具現化し、真の立憲主義を確立するべく、国民とともに「憲法対話」を進め、補うべき点、改めるべき点への議論を深め、未来志向の憲法を構想します。
 
憲法の議論を深める前に、改正の中身を問うこともなく、改正手続きの要件緩和を先行させることには、立憲主義の本旨に照らして反対です。
◾公明党(改選後20)→当面する重要政治課題憲法記念日アピール
公明党は、日本国憲法がわが国の今日の発展を築く上で大きな役割を果たしてきたと認識しています。時代に合わせて憲法を発展させるに当たっては、この3原則を堅持しつつ、新たに必要とされる理念・条文を現行憲法に加える「加憲」が最も現実的で妥当な方式と考えます。
 
憲法第96条に定められている憲法改正の手続については、改正の内容とともに議論するのがふさわしいと考えます。
◾みんなの党(改選後18)→憲法改正の基本的考え方アジェンダ2013
将来的には憲法改正手続きの簡略化を進め、決議要件を緩和。憲法改正によって「地域主権型道州制」を導入した後、衆参両院を統合して一院制(定数200)へと改め、「ねじれ国会」をなくす。
◾日本共産党(改選後11)→参議院選公約
憲法改悪策動を許さず、憲法の全条項をまもり、平和・人権・民主主義の条項の完全実施をはかります
◾日本維新の会(改選後9)→参議院選公約
改憲の賛否を問うために民主主義の原点に戻り、まず憲法96条改正に取り組む
◾社会民主党(改選後3)→参議院選公約
改憲を阻止し、憲法をいかそう
◾生活の党(改選後2)→参院選公約2013憲法についての考え方
憲法の基本理念と原理を堅持した上で、時代の要請を踏まえ、国連の平和活動、国会、内閣、司法、国と地方、緊急事態の関係について一部見直し、加憲します。
◾沖縄社会大衆党(改選後1)→毎日新聞アンケート (※糸数慶子議員が憲法改正に反対の立場を明示している。)
◾新党改革(改選後1)→新党改革約束2012 (※今回の参院選には立候補者がなく、参院選公約はない。ただ、党代表は96条改正を含め憲法改正に前向きな発言をしている。)

《注意報2》 2013/7/22 18:30
 
7月21日投開票の参院選の結果を受け、東京新聞も「改憲勢力」として自民党、みんなの党、日本維新の会の3党だけを挙げ、改憲の発議に必要な総議員の3分の2に届かず、「改憲をめぐる岐路が(次の参院選のある)三年後に持ち越された」と報じました。毎日新聞も「改憲勢力の3分の2に近づく」の見出しで、自民、維新、みんな、改革の4党を改憲勢力と位置付けて報道。日本経済新聞もこの4党を挙げて「改憲勢力、2/3届かず 公明協力なら可能」と伝えました。
 
他方で、朝日新聞は「改憲を容認する自民、公明、維新、みんな」の4党で、改正発議要件の3分の2に達したとし、安倍首相が衆議院任期中に憲法改正を発議する可能性に言及。衆参両院の「3分の2以上」の改憲勢力を首相主導で確保できるかどうか、という観点を指摘しています。また、読売新聞もこれら4党を「憲法改正派」として「改正が発議できる要件が整った」と伝え、産経新聞も「3党に公明を加えれば、潜在的に両院で改正発議が可能な環境に大きく近づいた」としています。
 
なお、日本報道検証機構(GoHoo)の検証記事(2013年7月22日付)と同様の問題意識と危機感を述べた記事として
 
与党の圧勝によって自民「独裁」体制を生み出した参院選
(五十嵐仁の転成仁語 2013年7月22日)
「自民圧勝」に危機感と決意と(澤藤統一郎の憲法日記 2013年7月22日)
 
などがあります。
 
五十嵐さんは上記の記事で「改憲を支持する自民党、日本維新の会、みんなの党などの合計議席は3分の2を越えることができませんでした。とはいえ、足りないのは19議席に過ぎませんから、安倍首相が狙っているように、民主党内の改憲支持勢力を巻き込めば改憲発議もできるという微妙な数字です」とその危機感を述べていますが、冒頭にご紹介した共同通信の記事には「アンケートでは民主党の11人、公明党の11人も「(憲法を)変えるべきだ」と回答。この計22人を加えると計算上は、改憲発議に必要な参院3分の2の162議席に達する」とあります。「微妙」というあいまいな見方よりも、いまは「改憲」状況に関する正確な認識が必要とされるでしょう。

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