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eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)のメディアアクションチームが明後日公示される参議院選に向けて下記のような取り組みを始めたそうです。
 
eシフト・メディアアクション
「私は脱原発に投票します!」キャンペーン
 
都議会議員選挙は目を覆うばかりの低投票率でした。
低投票率は、脱原発・再生可能エネルギー推進派議員の当選を難しくしています。
 
そこで、eシフト・メディアアクションチームでは「私は脱原発に投票します!」キャンペーンを始めることとしました。
 
内容は簡単、ツイッターで今度の参議院選挙にかける思いをつぶやいてください。
 
(略)
 
みんなが投票に行きたくなる、楽しいつぶやきをお待ちしています。
 
★ キャンペーン期間 参議院選挙投票日まで
 
しかし、この言うところの「脱原発」票はいったいどこにゆくのでしょう?
 
こちらの通販生活の「『さようなら原発1000万人署名』に賛同する“脱原発国会議員”は、現在93人」というサイトによれば、その「脱原発」を明言している議員が所属している政党は自民党、公明党、民主党、共産党、社民党、国民の生活が第一、みんなの党、新党きづな、みどりの風(サイト上では無所属ということになっていますが、その無所属議員はその後「みどりの風」という政党を立ち上げましたのでそれに倣います)。もちろん、各議員個人と政党の政策はすべての分野にわたって必ずしもイコールの関係にあるわけではありませんが、各政党にはそれぞれの規約があって議員はその規約を順守する責務を負うというのが近代政党の存立の大きな前提条件のひとつになっているわけですから、「脱原発」を明言している議員が所属する政党を仮に「脱原発」政党と見立てることにすれば、「『私は脱原発に投票します!』キャンペーン」はそれらの政党すべてに「投票しよう」という呼びかけになるほかありません。
しかし、そういうことで呼びかけの目的である「脱原発」は真に実現するのでしょうか? たとえば自民党と公明党はこの十数年来の連立与党として「原発依存」政策を推進してきた政党です。そして、その立場は3・11以後も基本的に変わりません。また、民主党は「脱原発依存」と口先では言いながら実際には「原発再稼働」を容認してきた政党です。たとえ個人的には「脱原発」を主張していたとしても、そうした政党に籍を置いて離党しようともしない議員*に投票することがどうして「脱原発」の実現に結びついていくというのでしょうか? eシフトの呼びかけは矛盾も甚だしい呼びかけといわざるをえません。仮に彼ら、彼女たちの呼びかけが功を奏したとしても、「脱原発」は決して実現しないでしょう。彼ら、彼女たちの呼びかけは結果として「原発推進」政党に投票しようという呼びかけになるほかないのですから、「原発推進」政党に投票して「脱原発」が実現できるはずがありません。

*たとえば社会保障問題に造詣が深い政治家として報道されることも多い民主党の山井和則衆院議員ははじめは「改悪案の質疑でも、『貧困に苦しむ方の声なき声を代弁します』などといいながら、衆院段階で形だけの『修正』を加えるとさっさと賛成に回り、『政府案は申請のハードルを高めるものではない』(同)」などと積極的に「生活保護法」改悪法案擁護の側に回るなど民主党員であることのおのずからの限界を示しています。(「生活保護改悪 民・み・維・生 自公の暴走後押し」しんぶん赤旗 2013年6月22日)。
 
ところでeシフトと同様の矛盾した呼びかけを参院選を前にしてつくられたばかりの緑茶会(脱原発政治連盟)という組織も行っています。
 
本日7月1日、参議院議員選挙2013の緑茶会推薦・支持・支援候補予定者を発表しました。緑茶会と政策協定書を取り交わした候補者に限り「推薦候補者」とし、選挙区では★5つ(WEBや印刷物では★ではなくゼロノミク  ママークです!)、比例区では★4つをつけています。また政策協定をとりかわしていない候補者についても47  都道府県で戦略的に候補者をあげ国会での多数派を目指していくものです。(略)多くの人に投票所に足を運  んでもらい、政治を大きく変え、脱原発を実現しましょう!
 
■脱原発を実現する候補者を選ぼう!緑茶会の推薦・支持・支援候補予定者。
〇選挙区 計47名 ※()は選挙区の定数。
北海道(2) あさの貴博(新党大地)   ★★★★★
青森(1) はたの里奈(みんなの党) ★
岩手(1) せきね敏伸(生活の党)   ★★★★★
秋田(1) 松浦ダイゴ(民主党)       ★★★★★
山形(1) 舟山やすえ(みどりの風)  ★★★★★
富山(1) 高橋わたる(共産党)        ★
愛知(3) 宇田こうせい(減税日本)  ★★★
兵庫(2) 松本なみほ(緑の党)     ★★★★★
大分(1) ごとう慎太郎(社民党)     ★★★★★
*引用者注:その他の同一政党候補者は省略。
 
緑茶会は上記の参院選候補者(省略している候補者も含む)の当選を実現するために「多くの人に投票所に足を運でもらい、政治を大きく変え、脱原発を実現しましょう!」と私たち有権者に呼びかけるのですが、しかし、みんなの党、生活の党、民主党、みどりの風の諸党は「脱原発」政党といえないことについては下記の拙記事(付記(4月26日))ですでに立証ずみです。
 
「党派を超えて新しい政治の流れをつくろう」という集会案内の抽象性とそれゆえの危険性について(弊ブログ 2013.04.20)
 
新党大地と減税日本については上記の記事では言及していませんのであらたに追加的に補足しておきますと、まず新党大地は昨年の衆院選挙の際に出した公約集「新党大地の誓い」にはたしかに「原発ゼロ」というひとことのみは挿入されていますが、同党の今回の参院選比例代表候補者のひとりの松木謙公氏はかつて3・11の原発震災の直後に結成された地下原発推進議連のメンバーのひとりでした。そういう人(政党)のいう「原発ゼロ」の主張は当然信用できません。また、河村たかし名古屋市長率いる減税日本はこれも「原発推進」を高言して憚らない石原慎太郎氏(「太陽の党」)とかつて組もうとしていました。当然、減税日本の「脱原発」の主張も信用するに足りません。

このように口先でどう言おうと本音は「原発推進」の政党(候補者)でしかない政党群の参院選立候補者を当選させて「脱原発を実現しましょう!」と呼びかけているのが緑茶会(脱原発政治連盟)という組織なのです。eシフトにも増して矛盾も甚だしい主張といわなければならないでしょう。もちろん、このようなことで「脱原発」が実現するはずもないのです。
 
緑茶会の主張の反「脱原発」性及び反「民主主義」性については下記の記事もご参照ください。
 
出がらし「緑茶会」には問題山積(澤藤統一郎の憲法日記 2013年4月30日)
「緑の党(日本)」という政党の「革新」度のほんもの性について疑う ――澤藤統一郎さん(弁護士)の「出がらし『緑茶会』には問題山積」という論攷に関連して(弊ブログ 2013.05.13)
 
なお、ここでさらに補足しておく必要があると思うことがあります。それはいわゆる「革新」政党(社民党、緑の党)の緑茶会評価が付和雷同的でかつ盲目的であるという点についてです。左記の政党は、上記の指摘のように政策的に決定的な矛盾を孕む緑茶会の主張に無批判的であるばかりかあまつさえその緑茶会と「政策協定」なるものを結び、結果として、そのことによってあたかも「脱原発」が実現できるかのような幻想を無辜の市民にふりまく役割を果たしています。
 
しかし、前述したとおり実態として「原発推進」政党でしかない政党に投票して「脱原発」など実現できるはずがないのです。これはものの道理です。上記のような呼びかけは、実態的に「原発推進」政党でしかない政党を含む政党群を一律に「脱原発」政党とみなすことによって、その政党群の実際としての「脱原発」政策(実際は「反脱原発」政策)を黙認、許容、容認、認知することにつながり、真の意味の「脱原発」政策が喫緊の課題として求められているときにその政治的弊害ははかりしれないものがあります。そのことについていわゆる「革新」政党(社民党、緑の党)はあまりに無自覚的です。いわゆる「革新」政党(社民党緑の党)に猛省をうながしたいと思います。自らの政党の存立の生命線というべき「革新」の座標すら見失ってはその政党生命も長くはない、と肝心の頼みとするべき市民から愛想づかしをされかねないでしょう。

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