憲法研究者の上脇博之さんがご自身のブログに「小沢氏2度目の『起訴相当』議決に関する雑感」という論攷を書かれています。

小沢氏2度目の「起訴相当」議決に関する雑感(上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場 2010年11月6日)

同記事の「1.東京検察審査会への申立人について」では、同申立人は巷間噂されている在特会会長の桜井誠という人物ではなく、「真実を求める会」という「保守」を自認しているものの自民党寄りというわけではなく、政党とも関係のない関東近郊に住む60代を中心とする男性約10人で構成される団体のメンバーのひとりで元新聞記者の職歴を持つ人であることを「小沢氏告発の団体とは 『保守』自認、政治的意図なし」という2010年10月8日付の朝日新聞記事を引用して紹介しています。

上脇さんはこれまでも東京検察審査会への申立人は在特会会長の桜井誠ではないことを2度ほど記事にしているのですが、上記の記事では、その理由のひとつとして「当該代表を真実の申立人と思い込み、高く持ち上げる者がいることを知り、当該代表が『嘘つき』であることを明らかにしかった」ということを挙げています。上記で上脇さんがいう「当該代表を真実の申立人と思い込み、高く持ち上げる者」とは、ユダヤ陰謀論者としてブログ界では有名らしいリチャード・コシミズ氏のことであり、その暴論の受け売りに精を出す山崎康彦氏あたりのことを指しているのでしょう。この点についての山崎氏の論の荒唐無稽さについては私も上脇さんの論を一部援用してJanJanBlogに記事を書いています。


同記事の「2.政治家の説明責任の重要性」では、上脇さんは、東京第5検察審査会の2度目の「起訴相当」議決について「議決の要旨を読むと『状況証拠』しか挙がっていない点で議決理由について批判を加えておいた」(はじめに)ということを前提にして「小沢一郎氏の『政治とカネ』の疑惑」について(1)旧政党の政治資金(税金である政党交付金や立法事務費を含む)を異常な方法で迂回して受け取っているという問題(2)自民党の手法を継承した『組織対策費』名目での使途不明金問題(3)今回の強制起訴議決でも問題にされている4億円の原資について、これまで『政治献金』『金融機関からの借り入れ』『プール金』『父の遺産』『個人の資産』と、説明する度に異なっていて、どの説明が真実なのか、分からなかった問題などを例にして、刑事事件とは別様の問題として(上脇さんは今回の東京第5検察審査会の2度目の「起訴相当」議決のあり方を批判してはいますが、それはイコール小沢氏の「犯罪容疑」をも否定している、ということでもないように思います)小沢氏の政治家としての監督責任・説明責任の問題を問題視しています。

上記の上脇さんの今回の東京第5検察審査会の2度目の「起訴相当」議決の評価のしかたに私はほとんど同意見です。私は最近検察審査会制度を「制度」として支持する論を展開していますが、あたかもその論が今回の検察審査会の小沢強制起訴議決を全面的に支持しているものであるかのように一部に受け止められている向きがあるようですが、それは誤解です。実は私自身が小沢強制起訴議決について少なくない疑問を持っているのです。私が批判しているのは小沢氏を擁護したいがために事実を歪めてまで検察審査会及び検察審査会制度を批判する小沢「支持者」ではない妄信的といってよい一部の小沢「礼賛」主義者のリテラシーとエセ思想です。この際、これまでの私の最近の論の補注をつけさせていただきたいと思います。
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