であるならば、「統一」の可能性をあくまで追求する以外ありえません。「吉田万三さんが降りてくれるという保証」がないから「浅野氏擁立」運動をやめよう、という話にはなりません。何度も何度も繰り返しますが、吉田万三さんだけでは「石原3選阻止」は為し難いのです。同じように共産党抜きの「浅野氏擁立」でも、「石原3選阻止」は為し難いのです。何度も何度も同じことを言いますが、であるならば、「統一」の可能性をあくまで追求する以外ないのです。「石原3選阻止」のために。

Sさん:しかし今からでは政策協定も難しいし、こうした市民の動きが逆に反石原勢力の分裂を促すのではという懸念もあります。

東本:革新統一の候補者が決まらなければ「政策協定」も結べません。「今からでは政策協定も難しい」のではなく、浅野さんが立候補の意志を明確に示さない限り「政策協定」を結ぶ段取りにもならないのです。いまは「浅野ラブコール」が先決です。段取りとしては、浅野さんが出馬の意志を示して、それから各党との「政策協定」の締結ということになるでしょう。「政策協定」の締結は、浅野さんが出馬の意志を明確に示してからでも決して遅くないと思います。吉田さんがすでに示している「3つの協定」は、浅野さんのこれまでの実績から見ても、浅野さんご自身の政策でもあるはずだからです。何度も言いますが、いまは、浅野さんに出馬の決意をしていただくこと、その取り組みが先決だと私は思います。

なお、「浅野氏擁立」の「動きが逆に反石原勢力の分裂を促すのでは」という見方は、「浅野氏擁立」の動きが「民主党支持」の動き、ひいては「共産党排除」の動きに連動していくのではないか、という懸念でしょうが、そうした見方は、「浅野さんのハートに火をつける会」の運動が“民主党的なもの”の主導によるもの、という誤解からきているところが少なくないのではないか、と思われます。

たしかに、同会の呼びかけ人のおひとりの五十嵐敬喜・法政大教授は民主党サイドの人です。しかし、彼が独自の民主党観を持っていることはすでに述べたことです。五十嵐氏は一面において革新の人、民主党と共産党との“共闘”を支持する人でもあります。五十嵐さんはいま、民主党と共産党との“共闘”を真剣に模索しているはずです(*5)。

*5:前回都知事選で浅野陣営と吉田陣営がそれぞれ惨敗(石原の大量得票に比して)した最大の原因はやはり共産党サイドと民主党サイドの“共闘”が実現しなかったこと、を挙げるべきだと思いますが、浅野陣営の惨敗の原因のひとつに同選挙戦の後半で民主党の支援を前面に出して戦った選挙戦術上の失敗を挙げておく必要があるようにも思います。同戦術は民主党支持層を完全に固めることができなかったばかりか、逆に無党派層(とりわけ革新無党派層)の離反を生じさせる結果となりました。こうした戦術上の失敗は、五十嵐氏が(だけではありませんが)「民主党と共産党との“共闘”を真剣に模索」していたとしても、その模索は、民主党サイドに立った、すなわちわかりやすく言ってえこひいき型の「民主党と共産党との“共闘”」の「真剣な模索」でしかなかったこと、そうした「調停」人の限界性を示しているでしょう。改めて私たちはこのことも“共闘”のあり方の大切な教訓として記憶しておくべきことのようにも思います。

また、この日の「浅野さんのハートに火をつける会」には、ジェンダー学関係者(「護憲」を志向する者も少なくありません)やAML(当時)参加者、「東京を。プロデュース」のメンバーなども多数参加していました。卑近にいえば、私の見るところ共産党支持者も多かったのです。決して民主党サイドの「浅野氏擁立」の動きに連動するものではない、というのが、私の判断です。

Sさん:せめて「革新都政をつくる会」や吉田さん本人との協議を十分に行った上で都知事選に向けた候補者擁立運動に踏み出すべきだったのでは、と思うのですがどうなんでしょうか。

東本:この点についても上記で述べたとおりです。浅野さんが立候補の意志を明確に示さない限り、「協議」する段取りにもならないのです。ここでも浅野さんが出馬の意志を明確に示すことが先決問題だろう、と私は思っています。

Sさん:浅野さんでうまくいかない場合、市民・護憲派が一致して吉田万三さんを支援する、という選択肢も考える必要があるのではないでしょうか。すでに都知事選直前なのに、中途半端に候補者選びに時間を費やすより、思い切った決断を行うほうが有益な場合もあると思います。

東本:これも何度も言っていますが、吉田氏が出馬することになれば、必ず民主党、社民党も、連合するか単独であるかはともかくとして独自の候補者を擁立することになるでしょう。すなわち、分裂選挙になります。分裂選挙になれば「石原3選阻止」は為し難いのです。「吉田万三さんを支援する」という選択は、分裂選挙やむなし、という状況になって、はじめて議題に上りうる議題であろう、と私は思います。いまの段階で考えることではないだろう、と。最後の最後まで「統一」を志向しましょう。「石原3選阻止」のために。

Sさん:社民や9条ネットや新社や民主党の有志も、幅広い市民団体も、今までのしがらみを捨てて吉田さんを支援する、という決断はできないのでしょうか。

東本:分裂選挙やむなし、という状況になれば、「今までのしがらみを捨てて吉田さんを支援する」べきだと私も思います。しかし、それは最後の最後の手段だと私は思います。

Sさん:吉田さんでは勝てない、と言われますが、マスコミが悪意の無視をしているとしか思えません。仮に石原知事と吉田さんが、都知事選関連報道で同じくらいの比重で扱われれば、知事選に対する関心ももっと高まり、本当に「政策」で勝負する選挙になるはずなのにと思います。マスコミに対して、このような「偏向報道」を今すぐにでも改めるよう求める必要があるのではないでしょうか? 読売や産経ならともかく、朝日新聞やTBS、テレビ朝日でさえ吉田さんのことがほとんど取り上げられないのは、比較的リベラルな層の間にも共産党への抵抗感や共産党系の運動を軽視・無視する態度が根付いていることの現われではないでしょうか。

東本:この点についてのご指摘にはまったく同感です。私も先日この点について「東京都知事選の候補者問題を報道するマスメディアのスタンスは、『石原・自民VS民主』というもの。私は、このマスメディアの報道スタンスに大きな疑問を抱いています」云々と書いて、いくつかの媒体に発信しておきました。しかし、今回の市民レベルの浅野擁立の動きは「石原・自民VS民主」の構図ではありません。私たちは「石原・自民VS市民・革新党派連携」の構図を作りたいと願っているのです。ただ、マスメディアがそういうことを理解せず相変わらず「石原・自民VS民主」の構図に収めようとしているにすぎません。
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