各メディアがいっせいに大きく取り上げていますから多くの方は周知のことだと思いますが、民主党の馬淵澄夫国交相は昨日6日、政府・民主党のこれまでの八ツ場ダム建設中止方針を撤回する方針を表明しました。


 馬淵澄夫国交相は6日、大沢正明群馬県知事らとの懇談会で、同県の八ツ場ダムの建設について「私が大臣のうちは『中止の方向性』という言葉に言及しない。予断を持たず検証を進める」と述べ、前原誠司前国交相が表明した中止の方針を事実上、撤回。さらに建設の可否を検証した結果が出る時期は「12年度予算案に反映できる時期で(来年の)秋ごろだ」と説明、建設継続を求めてきた大沢知事らは発言を評価した。ただ八ツ場ダム中止は民主党がマニフェストで掲げる目玉政策の一つだっただけに、野党からは「見解を覆しておいて、何ら理由を述べないのは極めて不誠実だ」(石破茂自民党政調会長)と厳しい批判が出ている。(以下、省略)

これも言うまでもないことですが、民主党は2009年の政権マニフェストで「川辺川ダム、八ツ場ダムは中止。時代に合わない国の大型直轄事業は全面的に見直す」ことを高々と掲げていました。その政策が多くの市民の支持を得て昨年8月の「政権交代」につながったといっても過言ではない同党の目玉政策中の目玉政策というべきものでした。この一報を聞いて、社民党元衆院議員の保坂展人さんは「『政権交代』の終焉の一幕を見るようなニュースだ」という感想を述べています。(保坂展人のどこどこ日記 2010年11月6日)

(民主党政権発足以来)『八ッ場ダム工事』は中止どころか旧政権の工程表通りに着々と進んでいる。おそらく、このままだと民主党政権が『八ッ場ダム建設中止の撤回』を明らかにするのも時間の問題ではないかと考えてきた。『中止の撤回』の後は、『建設の再開』である。/なぜ、こんな奇妙なことが起きたのか。その謎は、『ダム本体事業中止』という言葉に隠れている。前原前大臣が中止したのは『ダム本体事業』であり、言い換えればダムサイト(=本体)の部分以外の『ダム関連工事』は粛々と進んでいたのが実態だ。鉄道や道路の付け替え工事も、ダム建設計画のままに建設された。川原湯温泉の入口で、この春に着工した『湖面1号橋』は高さ100mで52億円の予算をかけてつくられる。この高さも、ダムに水が溜まり湖面をまたぐことを想定して設計されている。(同上)

前原前大臣も、馬淵大臣も『ダム建設派』の地元自治体に配慮するが、莫大な建設費を負担する国民や下流流域の人々からあがる『建設反対』の声に耳を傾ける機会をほとんど持ってこなかった。自民党時代よりも、国土交通省河川局の閉鎖的体質はひどくなり、政治のイニシアティブを探すことは困難で、今日のような最低の結論を持ち出す姿に、『何が政権交代だ』と言いたい。(同上)

私も保坂展人さんの見解に同感です。馬淵澄夫国交相が示した今回の「八ツ場ダム建設中止撤回」方針は民主党政権が国民的規模で見捨てられる「終焉」のはじまりのドラの音のような気がします。

こうした状況の中で11月21日に東京で「八ッ場あしたの会」主催のシンポジウムが開催されるようです(同シンポジウムの開催自体は馬淵発言前から決まっていたものですが、当然、同シンポジウムでは今回の馬淵発言は強く批判されることになるでしょう)。

シンポジウム「八ッ場ダムはどうなるのか」―明日のために必要なこと―

◆日程:2010年11月21日(日曜日)

    開場12時45分  開会13時15分  終了予定16時40分

◆会場:東京大学弥生講堂一条ホール
http://www.a.u-tokyo.ac.jp/yayoi/map.html

◆登壇者(アイウエオ順/敬称略)
司波寛(都市計画コンサルタント)・嶋津暉之(水問題研究家・八ッ場あしたの会運営委員)
寺嶋悠(子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会・福岡の会スタッフ)
中村庄八(地学団体研究会会員)・保坂展人(ジャーナリスト・前衆院議員)
牧山明(長野原町議会議員)・まさのあつこ(ジャーナリスト)ほか

参加費(資料代):500円

主催:八ッ場あしたの会 共催:八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会
http://yamba-net.org/
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