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「緑の党(日本)」の公式ホームページに「緑の党について」という記事がありますが、その記事には同党の見解として「私たちは、世界の90の国や地域で活動している『緑の党』が参加し、国益よりも地球益を求め、国際的な連携を重視する国際組織『グローバル・グリーンズ』(2001年発足)に加盟しています」という記載があります。

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第3回セネガル・グローバルグリーンズ世界大会

そして、ウィキペディアには、その「グローバル・グリーンズ」について「世界各国の環境政党が所属する国際組織。2001年にオーストラリアのキャンベラで設立し、最初の憲章としてグローバルグリーンズ憲章が定められた」という記述があり、参加政党として「アイルランド - 緑の党、アメリカ - アメリカ緑の党、イギリス - イングランド・ウェールズ緑の党、イタリア - 緑の連盟、オーストラリア- オーストラリア緑の党、韓国 - 緑色党+、台湾 - 台湾緑党、ドイツ - 同盟90/緑の党、日本 - 緑の党 Greens Japan、ニュージーランド - 緑の党、フランス - 緑の党」などなどの例が挙げられています。

これだけを見れば「グローバル・グリーンズ」という組織は押しも押されぬ堂々とした立派な国際NGO組織です。しかし、その「グローバル・グリーンズ」という組織について、「20世紀末から活発に行動していたロビー活動団体のようで、そのころにすでに官・民から沢山の資金提供を受けていたそうです」。「2012年12月にグローバル・グリーンズは2001年に定めた同党の『グローバルグリーンズ憲章』を改定して『グローバルグリーンズ憲章2012』という新憲章に更新したが、この新憲章は平和維持活動のための国連軍設置に関する現行の国連憲章を変えようとする策動のように思えてならない」「武力の利用が....正当化できる」ということを認めたら、もう、日本国憲法を守る立場とは言えません」などという指摘があります。

この指摘者は次のようにも述べています。「新憲章には二酸化炭素排出制限を緩める項目もあります。これは世界で今後、拡大する一方の石炭火力発電や同様の最新技術に迎合するものです」。「そもそも地球温暖化への懸念から活動を開始した人たちのNGOが、CO2排出量を拡大するというのはおかしなことです」。この指摘者の発言が当たっているとすれば、私たちはその「グローバルグリーンズ」に加盟しているという「緑の党(日本)」のこちらに掲げている環境政策についてもそのほんもの性について再検討してみる必要も出てくるようにも思います。

さて、この指摘者が上記のように言う論拠は、上記に挙げた2012年改訂版の「グローバルグリーンズ憲章2012」(英語版)と前世紀の20世紀末に発表された『グローバルグリーンズの伸ばす手が第三世界を脅かす』というジェイムズ・シーハンという人が著した論攷(英語版)です。そのそれぞれの原文と該当部分の同指摘者による暫定訳(日本語)を下記に転記しておきます。

グローバル・グリーンズ憲章(2001年キャンベラにて採択され、2012年ダカールにて更新)(抜粋訳)
原文:http://www.globalgreens.org/sites/globalgreens.org/files/Charter%202012_0.pdf

9.平和と安全保障 9.1
「予防が失敗しかつ構造的で大規模な侵害、および/あるいは、大量虐殺の状況において、武力の利用が、それがさらなる人権侵害と大衆の不幸を阻止する唯一の方法である場合で国連の委任のもとにそれが利用できる場合には、正当化できることを認めつつ、他方で、紛争管理と平和維持に対するグローバルな組織としての国連の役割強化を支援する。< * 参考: 国連広報センターのガイドブックより:・国連はその平和維持活動として「一方の味方をするのではなく、自衛の時のみ武力を行使し、しかも事務総長の指揮下にあるべき」・国連が「軍事強制行動を取ったのは、1950年、安保理が北朝鮮の武力攻撃下にある韓国を支援するため、米国の率いる多国籍軍の派遣を勧告した時だけ」

グローバルグリーンズの伸ばす手が第三世界を脅かす(抜粋訳)
原文:http://cei.org/news-releases/reach-global-greens-threatens-third-world-development-national-sovereignty

「1998年10月20日 ワシントンD.C. ― 以下を思い描きなさい:日本の中規模の都市で、金属の塊でつくられた巨大なティラノサウルス・レックスが、会合のホールへの入り口にそびえ立つ。ここは、ヨーロッパ、北米からのグリーン活動家数千人がやってくる場所だ。なかでは、これらの活動家が少数ずつまとまって、プロパガンダのチラシを持ち、あらゆるテーブル、会議室ドア、廊下をまわってる。.........ワシントンD.C.に本部がある「コンペティティブ・エンタープライズ・インスティチュート」のジェイムズ・シーハンは、キャピタル・リサーチ・センターが出版した『グローバルグリーンズ:国際環境団体の内側』という本において、これらの強力な団体の興隆と、それらが各国や国際間の政策にますます与えつつある負の影響について詳述している。.........専門家がスタッフとなり、官民から数百万ドルの融資をもち、イデオロギーが推進する政治勢力である環境活動団体が、外交の動きと国際政策の創出に実際の力を振るうことに気付いている米国人はほとんどいない。国際法を利用し、国連および他の国際機関に援助されたこれらの団体は、各国自治や、経済活動の自由、個人の自由を損なうために、国際会議の場からは目立たないところで活動している。中心的な企画者のトップが、母なる地球への公言された懸念を通じて彼らのグローバルアジェンダを進めるとき、このような活動が規制されないまま継続される場合に生じる不吉な将来をシーハンは予測する....」

なお、私は先に一部の「革新団体」から提起されている「新オリーブの木」構想なるものの「非革新」の実態を指摘しておきましたが、「緑の党(日本)」共同代表のおひとりの長谷川羽衣子氏は先日神戸市で開かれた「~総選挙敗北を見すえ 立ち直りの途を探る~ とめよう壊憲 ! 護憲結集!討論集会」においてもこの怪しげな「新オリーブの木」構想なるものを得々と語っています(こちらの記事の最下段のⅠのビデオ1:7:13秒頃)。この点を見ても、私は、「緑の党(日本)」には知り合いが多く、ほんとうは批判したくないのですが、同党の定見のなさを指摘せずにはいられないのです。

真の「護憲結集」の実現のために。
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