共産党の志位委員長は昨日の14日に国会内で記者会見し、同党独自の「賃上げターゲット」論(賃上げ・雇用アピール)を発表しましたが、多くの金融経済のスペシャリストからも批判の頻出している行き先危うい自民党・安倍内閣の「インフレターゲット(物価上昇目標)」論が闊歩する一方で、底冷えするような賃下げと雇用不安、非正規雇用の拡大という勤労者サイドにとって二重、三重の経済的苦境が吹き荒ぶ日本社会の現状の中できわめて時宜と道理に適った雇用・経済政策のオブジェクションの提起だと思います。      

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(しんぶん赤旗 2007年12月29日付)

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(しんぶん赤旗 2012年11月25日付)


下記の産経新聞と朝日新聞の記事は珍しくまさに要点をついたショート記事だといえるでしょう(「賃下げ」への危機感はマスメディアで働く記者、サラリー(ウ)マン諸氏にも及んでいるということでしょうか?)。 
  
“賃上げターゲット”論を提言 共産党、企業内部留保切り崩し求め(産経新聞 2013.2.14)

共産党の志位和夫委員長は14日の記者会見で、デフレ不況からの脱却には賃上げによる内需拡大が不可欠だとして、政府に月額1万円程度の「賃上げ目標」を設定するよう求めた。/志位氏は「大企業が内部留保のわずか1%を取り崩せば、約8割の企業で月額で1万円の賃上げが可能だ。内部留保の一部活用を経済を好循環に乗せる突破口にすべきだ」と強調した。/「賃上げ目標」を掲げ、企業に内部留保の活用を強く要請するとともに、(1)正社員化の促進(2)最低賃金の引き上げ(3)地方公務員給与引き下げの中止-などの政策を実施するよう政府に促した。

賃上げ要請、志位氏「欧州ではどの国でもしている」(朝日新聞 2013年2月15日)

■志位和夫共産党委員長

安倍晋三首相が経団連に賃上げを要請したのは「利益が出た企業は、賃金に多少回してくださいよ」と腰を引いて言っただけ。「(労働者の賃金に回すことは)もっと出来るはずじゃないですか」と言うべきだった。「それは共産主義の国でなければ出来ない」と言った人もいるようだが、ヨーロッパではどの国でもしていることだ。財界がひどいリストラや首切りをするようなら、政府が介入してやめさせている。(記者会見で)

賃上げと安定した雇用の拡大で暮らしと経済を立て直そう
志位委員長が記者会見 共産党が「働くみなさんへのアピール」

(しんぶん赤旗 2013年2月15日)

日本共産党の志位和夫委員長は14日、国会内で記者会見し、「働くみなさんへのアピール 賃上げと安定した雇用の拡大で、暮らしと経済を立て直そう」と題した党の“賃上げ・雇用アピール”(全文)を発表しました。山下芳生(よしき)書記局長代行が同席しました。


志位氏は、賃下げが続き雇用不安が広がり続ける日本社会の現状が世界の流れからみていかに異常かを紹介。賃金が連続的に減り続け、最低賃金が最低水準で、非正規雇用の割合が異常に高いなど、世界の流れからみて二重三重に異常だと指摘し、労働者の生活実態からみても賃上げは当然の要求だと述べました。

賃下げと非正規雇用の拡大はデフレ不況の悪循環の元凶となっていると述べ、働く人の「使い捨て」は産業の競争力さえも脅かしていると批判。大企業がため込んでいる内部留保の多くは有価証券など換金可能な資産の形で保有されており、その1%程度で大きな賃上げを実施できることを表(別掲)で具体的に示して、賃上げと雇用の安定がデフレ不況打開の一番のカギだと述べました。

企業の経営者には、目先の利益や株主への配当だけでなく、「日本経済の成長の中で業績の回復をはかる」視点が必要ではないかと提起しました。

志位氏は、政府が「企業まかせ」にせず、「インフレターゲット(物価上昇目標)」ではなく「賃上げターゲット(目標)」をもち、それを実現する政策を実行するときだと主張。▽賃下げなど財界の間違った行動をただす▽違法・脱法の退職強要・解雇・雇い止めを根絶する▽賃上げを促進する政策をすすめる―ことを提言しました。

そして、日本経済後退と所得減少の根底には国民の暮らしを守るルールがないか、あっても弱いという問題があるとして、人間らしい暮らしと働き方を保障する「ルールある経済社会」への転換が日本経済を土台から強くする道だと強調しました。

志位氏は、「このアピールをもって労働者、労働組合、経済団体に働きかけていきたい。もちろん政府にも提起していきたい」と述べました。「消費税や社会保障では立場の異なる人々もふくめて、賃上げの“一点共闘”を広げようという思いでつくりました」と紹介しました。

衆院予算委員会での笠井亮議員の質問に対し、麻生太郎財務相が「内部留保をためこんでいるマインドが一番問題」と応じた(強調は引用者)ことも紹介し、「そこまで認識が一致するなら、内部留保の活用でデフレ不況から脱却することを、経済界に対して本腰を入れて要請すべきです」と強調しました。
(以下、略)

注:「福祉のパラドックス」とは「本当に困っている人」だけを救済しようとする福祉は、「本当に困っている人」さえも救済できなくなるというパラドックスのことをいいます。

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