福島県双葉町の井戸川克隆町長が昨日の23日に町長の職を辞されたようです。とうとう辞職に追い込まれた、といった方が正鵠かもしれません。

双葉町は永遠に(福島県双葉町 町長・井戸川克隆 2013年1月23日)

井戸川町長に対する町議会の全会一致による不信任案の可決の問題については私は昨年末に映画監督の舩橋淳さんと堀切さとみさんのメッセージを紹介して以下のような記事を書いたことがあります。

福島県双葉町の井戸川克隆町長に対する町議会の全会一致による不信任案の可決について 映画監督の舩橋淳さんと同じく映画監督の堀切さとみさんのメッセージ(弊ブログ 2012.12.25)

「(上記おふたりのメッセージの言葉を)知るにいたって断じて井戸川町長を擁護しなければならない、と思うに到りました」、と。

その井戸川町長が結果として辞職に追い込まれてしまったのですから、なんとも無念としか言いようがありません。

もちろん、井戸川町長のその辞職には「町議会全会一致による不信任案の可決」という(その可決が理不尽きわまるものだとしても)動かしがたい事実が背景にあることは明らかです。町長としては「避難という過酷な状況」の一日でも早い解決のためにもこれ以上町政を混乱させたくはない、と苦悩の末での今回の決断だったでしょう。

しかし、私は、今回の井戸川町長の辞職には、昨年末の総選挙で原発推進勢力としての自民党が圧勝してしまったことも大きく影響しているだろうと思います。民主党のさらにうわてをいく原発推進勢力としての自民党が圧勝してしまった以上、井戸川町長がこれまで主張してきたことの実現はいっそう遠のいた、という思いが今回の町長の辞職の決断をさらにうながしたのだろうと私は推測します。

今回の町長辞任劇という事例は国政レベルでの失政、その予感すらが、残念なことですが地方自治までも蝕んでしまう好個の事例ともなりえているように思います。そういう意味でもこの4年近くの民主党政権の失政(その最たる失政は自民党政権を結果として復活させたこと)はいっそう罪深いものがあると指弾を重ねておかなければならないでしょう。

ただ、井戸川町長の退任の辞の中の双葉町の復興について福島県知事に直訴した折の「私に町をくださいと言いました」という発言はいただけません。町はいうまでもなく町長のものではなく、町民のものです。その発言はおそらく「町民の代表としての私に町をください」という意なのだと思いますが、ここはやはり明確に「町民に町を(返して)ください」というべきところでした。ここに私は井戸川町長の思想の保(古)守性、すなわち非民主性を感じずにはいられません。

以上は、井戸川町長は基本的に保(古)守の人だということを前提にした上で、その町長の一生懸命さと誠実さを評価し、双葉町議会の理不尽な町長不信任案の可決を批判するという文脈の中で書いたものです。
関連記事
Secret

TrackBackURL
→http://mizukith.blog91.fc2.com/tb.php/509-e0ea773f