東京都知事選は今日告示されましたが、3日ほど前に連合東京が同都知事選立候補者の猪瀬氏支持を決めたという報道が流れました。

29日告示の東京都知事選で、連合東京は26日、都副知事の猪瀬直樹氏(66)を支援することを決めた。

連合東京は、猪瀬氏と都知事選の支援をめぐって協議し、雇用・労働者政策について定期的に意見交換する場を設けることで一致したという。大野博会長は「帰宅困難者対策など、5年半の副知事の実績を評価した」と説明する。

連合東京を支持基盤とする民主党都連は、都知事選の自主投票を決めている。
(「連合東京、猪瀬氏を支援 都知事選」朝日新聞 2012年11月26日)

連合東京といえば東京都内で働く99万人の労働者を組織する(家族を含めれば数百万人の単位になるでしょう)大きな組織ですからこれまでの石原都政の正統な継承者であることを売りにして出馬した猪瀬氏に対抗する反猪瀬勢力=いわゆる革新勢力の側としてはため息が出たり、猪瀬氏断然有利の悲観論が出たりするのはある意味無理からぬところというべきでしょう。

しかし、そうではない。連合東京の猪瀬氏支持の決定は所詮引かれ者の小唄にすぎない、ということを述べたのが以下(12月27日記)です。

連合東京、猪瀬氏を支援」(朝日新聞 2012年11月26日)。

上記が絶望を通り越して眩暈のするこの国の労働運動と政治状況の惨憺たる現状の一局面です。

しかし、連合はもはや理念としての労働組合の体をなしていないことはもちろん、組織自体の問題としてももはや「連合」(連なり合わさる)の体もなしていません。

ひとつの具体例。

10年ほど前に大分県では1979年から2003年まで6期24年間同県知事の職にいた平松守彦氏の退陣を求める無党派市民の運動が高まったことがあります。その平松県政批判の声をかわすかのように同氏の後継候補として指名されたのがその前年まで経済産業省の初代事務次官の職にあった大分県日田市出身の広瀬勝貞氏(現知事)でした。広瀬氏は当時県知事の平松氏から直々に指名された後継候補ということもあり、自民党、公明党、連合大分など600を超える団体からの推薦をとりつけて圧勝と思われていました。しかし、広瀬氏の対抗馬として出馬した無名の新人候補者の元商社マン(現在の吉良州司民主党・衆院議員)に約26,000票差の僅差まで追い上げられるという大分に「無党派の風」が吹いて(吉良氏はこの「無党派の風」を僭称、横取りしたにすぎないのですが。詳しくは下記記事参照)広瀬氏は辛うじて当選するにとどまりました。

注:「大分に「無党派の風」は吹いたか――市民的(パブリック)なもの、庶民的(ポピュリズム)なもの、市民運動的(シビル=ムーブメント)なものについて」(弊ブログ 2003年6月13日付記事)

ここでの具体例で示しておきたいことはひとつ。すでに10年前の段階で「連合」という組織は組織の体をなしていなかったということ。大分県の労働者の多くは「連合」の締めつけなどなんのその。その強引な締めつけを撥ね退けて連合推薦候補者以外の無党派候補者に雪崩を打って、かつ、自らの意志で投票した、という事実です。

このような連合はそう遠くない時期に滅びるべくして滅ぶでしょう。

東京を自業自得に滅びゆく者が跳梁、跋扈する都市にしてはならない。

東京は私たちにやさしい希望都市、人にやさしい希望都市として私たちの手で再建しなければならない。

「連合東京、猪瀬氏を支援」するという報に接して、改めてそういう思いを強くしました。

注:なお、連合東京会長の大野博氏の出身労組は東京都電力総連だということも私たちが知っておいてよい事実でしょう。注として挿入しておきます。

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