先の小沢公判(2011年12月15日)の証人尋問で小沢一郎氏元秘書の石川知裕衆議院議員の取り調べを担当した田代政弘という東京地検特捜部検事(当時)が同議員が実際には供述していない内容を捜査報告書に書いていたことが明らかになりましたが、この捜査報告書の虚偽記載という検察(検事)の犯罪を受けてネット上ではいつもの「小沢一郎センセ」礼賛グループのメンバーを中心に再び小沢冤罪論が賑々しく騒がれています。

その一例がこちらのような「論」でしょう。この「論」ではその捜査報告書を検察審査会に証拠として提出したのかどうかを裁判所が検察に回答するよう求める方針を決めたことをもって小沢冤罪の証明であるかのように「論」じているわけですが、相変わらずの誤解、無知、勘違いによる「論」の繰り返しでしかありません。

以下
は、その「誤解、無知、勘違い」の論者へのサジェスチョンです(聴く耳はお持ちでないでしょうが)。

小沢一郎氏元秘書の石川知裕衆議院議員の取り調べを担当した検事が実際には供述していない内容を捜査報告書に書いていたことが先の小沢公判で明らかになりましたが、その捜査報告書を検察審査会に証拠として提出したのかどうか裁判所が検察に回答するよう求める方針を決めたことは裁判の公正を担保するためにも当然のことだと思います。

しかし、検事がうその内容を含む捜査報告書を書き、そのうそ捜査報告書を検察審査会に証拠として提出していたからといって、そのうその内容を含む捜査報告書の検察審査会への提出=小沢氏冤罪となるわけではありません。

すでにこちらでも述べていることですが(憲法研究者の上脇博之氏の論の引用)、小沢氏が強制起訴されるのには強制起訴されるに足る数々の事実が存在します。

すなわち、

(1)「西松建設」自身が自社のHPでOBらでダミーの政治団体をつくる等してその「政治団体からの献金を装って政治家個人の政治団体等に献金することを画策した」ことや同社が「一部の社員に対して特別賞与の名目で金銭を交付し、その代わりに当該社員から年に2回、政治団体への寄附をさせていた」ことを明確に認めているという証拠があること

(2)小沢氏側と二階氏側にそれぞれ他人名義で寄付をした西松建設の前社長は、有罪の判決が下され、それを受けた二階氏の秘書は他人名義での寄付を受けたとして有罪になっているという明白な事実も存在すること(すなわち、証拠もあること)

(3)両政治団体の献金は全て西松建設が決定し、同社代表取締役社長(前掲の前社長)らの指示・了承の下、同社総務部長兼経営企画部長らが同社のOBで新政研の名目上の代表者に指示して献金の振込手続きを行わせていた、という証拠があること

(4)小沢事務所の秘書らは2つの政治団体の寄付を西松建設からの寄付であるとして取り扱っていたという証拠もあること


などなどです。

上記の事実に小沢氏が何らかの形で関わっていたという合理的な疑いが常識的に見てあるのです。だから、強制起訴されるまでに至った。ということを抜きにして、うその内容を含む捜査報告書の検察審査会への提出=小沢氏冤罪、とすることはできません。

弁護士の坂口徳雄氏が「陸山会事件のネットにおけるガセネタの検討と題して面白いことを書いています。

「このようなガセネタがネットではびこる条件がどのような場合にあるのか思いつくままに指摘したい」と述べた上で、その「条件3『自分が信じたい情報』である」に次のように書いています。

最初に「意図的」にガセネタを発する人は別として、その情報を調べもせず、盲信し「誤解、無知、勘違い」のもとで間違った情報を発信する人達は情報が混乱しているときにはどうしても『自分が信じたい情報』をつい信じてしまうという心理が働く。/今回の事件にあてはめれば、小沢フアンは当然として、小沢は好きでなくても、モトモト特捜部の権力的な捜査などに批判的な人達はつい検察は間違っているという固い信念があり、つい『自分が信じたい情報』に傾く傾向に陥りやすい。小沢フアンでない人や、検察批判を持たない人達はおよそ信用しない。小沢フアンであっても慎重に物事を検討する人達も賛同しない。

ただし、上記のコメントには「検察批判を持つ人達であっても慎重に物事を検討する人達も賛同しない」というフレーズもつけ足しておきたい気がします。
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