朝日新聞が昨日5日にあった日本記者クラブでの共産党委員長の志位氏の講演を「脱原発へ『原水協と原水禁が協力を』 共産・志位委員長」という見出しをつけて報道しています。

 原発をなくそうという方向で協力できたら……」。共産党の志位和夫委員長は5日の日本記者クラブでの講演で、脱原発で旧社会党系の人たちとの歴史的な対立を乗り越え、連携する必要があると訴えた。
 
 日本の反核運動は、1954年3月の「第五福竜丸事件」を機に始まり、「原水爆禁止日本協議会」(原水協)の発足後、旧ソ連の核実験をめぐる共産党の姿勢を批判した旧社会党・総評系が「原水爆禁止日本国民会議」(原水禁)を結成し、勢力が二分された。
 
 志位氏は講演で、脱原発を目指すには政党を超えた連携が必要だと強調。「原水協や原水禁の流れがあっても、協力ができたらなというのが私たちの願いだ」と述べ、同じく脱原発を掲げる社民党など旧社会党系の勢力に秋波を送った。(朝日新聞 2011年10月5日

一方、赤旗は6日付けで「原発災害、『反省』いうなら責任ある対応を 日本記者クラブ、志位委員長が講演」という見出しをつけて5日の同講演の内容を当然のこととはいえ朝日新聞よりも詳細に報道していますが、その長めの記事の中には同党の志位委員長が語ったという原水協と原水禁の協力問題はワンセンテンス、というよりもワンフレーズも出てきません。赤旗によれば、志位氏はまるでそういうことは語っていなかったかのようです。

朝日新聞を除く他の一般紙はインタネット上で見る限り同日の志位氏の講演は記事にしていないか、記事にしていてもごくごく簡単なベタ記事で、見出しも「共産・志位氏『政権の原発依存あらわ』」(日本経済新聞)、「『首相は原発に固執』=志位共産委員長」(時事通信)といったもの。講演で志位氏が原水協と原水禁の協力問題について語ったなどということは知るよしもありません。この記事を書いた赤旗記者は他の一般紙=商業紙並みの記者の視点でしかものを見ていない、ということになります。すなわち、原水協と原水禁の統一・協力問題の重要性についての問題意識がこの赤旗記者には欠けているのです(編集部によって原水禁統一問題の記述は削られたという可能性もないわけではありませんが)。

私たち共産党外の者にとっては、これが「原発ゼロ」をいう共産党の「脱原発」政策の正味のところか、と多少の疑心暗鬼を持たざるをえません。「脱原発」政治を構築するための一里塚としての原水協と原水禁の統一・協力問題の重要性の認識が末端(赤旗記者は末端とはいえませんが)まで浸透していない結果としての統一・協力問題への視点の欠落がこのような赤旗記者の書きぶりになったとしか判断しえないからです。

「原発をなくそうという方向で(原水協と原水禁が)協力できたら」という志位委員長の思いがほんものであるならば、脱(反)原発のための社員教育ならぬ党員教育をもっと徹底するべきでしょう。私たちが接するのはほとんどの場合末端の共産党員であるわけですから、その末端の共産党員から原水協と原水禁の統一・協力問題への前向きな思いを聞かされて私たちははじめて道筋として共産党を信じようと思うにいたるのです。

赤旗記者にはせめて(批判の多い)朝日新聞記者並みの問題意識くらいは持ってほしかった、というのが今回の朝日新聞と赤旗の記事を読みくらべての私の感想です。
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