昨日(私注:8月31日)、滋賀のKさんから下記のような「怒!」のメールが転送されてきました。

こうやって殺されていくのか、そして責任は取らない構図が今後も続くような心配があります。まさに労働者は使い捨てなのか。許せない。転送します。

■「急性白血病:福島第1原発作業員が死亡 東電が発表」
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110830k0000e040075000c.html

 東京電力は30日、福島第1原発で作業に携わっていた40代の男性作業員が急性白血病で死亡したと発表した。外部被ばく量が0.5ミリシーベルト、内部被ばく量は0ミリシーベルトで、松本純一原子力・立地本部長代理は「医師の診断で、福島での作業との因果関係はない」と説明した。

 東電によると、男性は関連会社の作業員で8月上旬に約1週間、休憩所でドアの開閉や放射線管理に携わった。体調を崩して医師の診察を受け急性白血病と診断され、入院先で亡くなったという。東電は16日に元請け企業から報告を受けた。事前の健康診断で白血球数の異常はなく、今回以外の原発での作業歴は不明という。【林田七恵】
毎日新聞 2011年8月30日 13時00分(最終更新 8月30日 16時21分)

★福一(フクイチ)との因果関係がないとどうしていえるでしょうか?

共同通信、朝日新聞、時事通信も上記とほぼ同様の趣旨の記事を書いています。
■急性白血病で作業員死亡 福島第1原発に従事  「作業との因果関係なし」(共同通信 2011年8月30日
■作業員が急性白血病で死亡=収束工事「因果関係なし」――東電・福島原発(朝日新聞/時事通信 2011年8月30日

すなわち、共同は東電幹部の釈明をそのまま引いて「東電は『医師の診断によると作業と死亡の因果関係はない』と説明している」。朝日と時事もやはり東電幹部の釈明をそのまま引いて「東電は『収束作業との因果関係はない』としている」という報道内容です。

上記の記事をふつうに読む限り、「福島第1原発での作業と急性白血病という死亡原因との間には因果関係はない」、というのは、あたかも原発作業員を診断した医師自身の所見であるかのようです。

しかし、ウォール・ストリート・ジャーナル(日本版 2011年8月31日)の記事にはこの点について次のように書かれています。

東電広報部の川又浩生氏は、元請け会社から提出された医師の診断書からすると、作業員が2、3週間前の作業で受けた被ばくによって急性白血病を発症したとは医学的に考えられない、という。

すなわち、ウォール・ストリート・ジャーナル紙による限り、「福島第1原発での作業と急性白血病という死亡原因との間には因果関係はない」、というのは、決して原発作業員を診断した医師の所見ではなく、東電もしくは東電幹部の解釈でしかないということになります。おそらくこのウォール・ストリート・ジャーナル紙の書き方の方が報道として正確な書き方といえるでしょう。

さて、このウォール・ストリート・ジャーナル紙の報道が正しいものだということを前提にして私は次のように思います。

この医師でもなんでもないはずの東電幹部は、医師の診断書に「急性白血病と作業との間には因果関係はない」などと書かれていたわけでもないのに(そのような憶測を診断書に書けるはずもありません)、いったいどのような資格でしゃあしゃあと「福島での作業との因果関係はない」などと独断することができるのでしょう? また、そのように発言することが許されるのでしょう? 許されるはずがありません(注:下記の追伸参照)。

上記の報道によれば、この作業員は、「福島第1で働き始める以前に行われた健康診断では、健康の問題は全くなかった」ということです。そして、「体調を崩して医師の診察を受け急性白血病と診断され、入院先で亡くなった」のは「元請け会社から8月初旬に約1週間、福島第1原発に派遣された」直後のことです。そうであれば、たとえその値が「外部被ばく量が0.5ミリシーベルト、内部被ばく量は0ミリシーベルト」という低線量被曝であろうとなかろうと、また、医者であろうとなかろうと、まず原発作業と急性白血病との因果関係を疑ってみるのは常識中の常識といってよいことです。

その「常識中の常識」に基づく医学的調査を一切せずに「作業と死亡の因果関係はない」などと独断し、さらには「これ以上調査する予定はない」(共同通信、同上)とも言いのけてしまう。言語道断、卑劣漢、ごまかし論法極まりなし。人道上の見地からも、また企業責任という観点から見ても決して許されるべきことではありません。

あまつさえ低線量被曝についての原子力資料情報室(CNIC)の次のような指摘もあります。

これまで低線量域については、LNT仮説を使って、低線量での影響を高い線量域での影響から単に被曝量に比例して考えるとされてきた。だが実際には、線量効果係数なるものを導入して、低線量の影響を高線量の半分に値切っている。しかし、原爆被爆者のデータは、むしろ低線量になると単位線量当たりの影響が大きくなることを示している。/この不確かな線量モデルに基づくリスク評価により、原発や再処理工場、原発労働者たちに起きている健康被害、チェルノブイリ事故以降のがんや小児白血病発生の増加にたいして、「被曝線量が低すぎる」と、放射線被曝との因果関係を否定されてきた。

私も滋賀のKさんと同じく「こうやって原発労働者は殺されていく」のだ、と強く強く思います。

追伸:

上記記事について東京の田島(ni0615)さんから下記のような指摘がありました。肯うべきご指摘だと思います。転載させていただこうと思います。

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東本さん ni0615です。

急性白血病という診断は、東電記者会見、リッチ本部長代理の松本氏によれば、亡くなったかたの「罹り付け医」の診断ではなく、「原発労働者がよくかかる病院」の医師の診断だということです。

原発労働者がかかる病院は

~~~~~~~~~~~~

初期被曝医療機関、

② 南相馬市立総合病院
④ 福島県厚生農業共同組合連合会双葉厚生病院
④ 福島県立大野病院
④ 今村病院
④ 労働者健康福祉機構福島労災病院

二次被曝医療機関

② 福島県立医科大学医学部附属病院

凡例
① 災害拠点病院でありかつ救命救急センター
② 災害拠点病院
③ 救命救急センター
④ いずれでもない
~~~~~~~~~~~~~~~~

でしたが、

④ 福島県厚生農業共同組合連合会双葉厚生病院
④ 福島県立大野病院
④ 今村病院

は、相次ぐ放射能放出で業務不能となりました。

したがって、その方の入院先は、

② 南相馬市立総合病院
④ 労働者健康福祉機構福島労災病院

そしてピンチヒッターでホールボディカウンターを備え付けた、

呉羽総合病院

この可能性がたかいのです。

東本さん仰るように、「因果関係なし」を解釈したのは、診断をした医師ではなく、東電の産業医です。記者会見で、リッチ本部長代理の松本氏がいってました。

「産業医にきいたら有り得ない、と」

たしかに、いかに急性と名がつくとは言え「急性白血病」が1週間前の被曝で突然、起こることは考えられません。1週間後に起こるとすれば、高線量の被ばくによる、癌ではない確定的影響(急性症状)としての、赤血球、白血球減少などです。

もし癌としての「急性白血病」で間違いないなら、問われるのはその方の前歴です。リッチ本部長代理の松本氏は、記者の執拗な質問があったにもかかわらず、前歴調査を断固として拒みました。

また、リッチ本部長代理の松本氏が言うように、「急性白血病」が既往症だったとしたら、なぜ、1週間前の血液検査で引っかからなかったのでしょうか。

検査項目は、

「赤血球数、血色素量、白血球数、ヘマトクリット」

だったと、リッチ本部長代理の松本氏は答えました。

1週間後に「急性白血病」で亡くなるような人が、血液検査で引っかからないはずはありません。

私の直感では、

就業前の健康診断などしてなかった、

という可能性と、

前歴で原発ジプシーだったという可能性の、

複合であると思います。

きっと、この闇は暴かれるでしょう。
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