〈反原発〉の国民的怒りの波に便乗しようとする「研究者」、著名人批判の第4回目となる今回は先月の4月15日に自身の主宰するブログに「原発事故に関する宣伝責任へのお詫び」なる「反省」文を発表した、世間では一応「評論家」という肩書きで通っているらしい勝間和代という人物を取り上げます。私にとってはこの勝間和代なる人物もまったく取るに足りない、歯牙にもかけたくない人物にすぎませんが、世間ではそれなりの評判を博しているらしい彼女の虚像をそのままにしておいては悪影響が大きすぎます。私は勝間の「困ったちゃん」問題については一度論じてはいるのですが、あらためて彼女の「困ったちゃん」以来の問題性を指摘しておく必要性を感じます。

上記の勝間の「反省」文とは次のようなものです。

■原発事故に関する宣伝責任へのお詫びと、東京電力及び国への公開提案の開示(REAL-JAPAN.ORG 2011年4月15日)
 http://real-japan.org/2011/04/15/421/

また、彼女の「宣伝責任へのお詫び」に関わる「宣伝」とは次のようなCM及びテレビ出演をいいます。

■中部電力のCM「それぞれの立場」篇
http://www.youtube.com/watch?v=L2DbqTq1Y8Q
*上記のCMはすでに削除されていますので、同CMの内容を文章化している次のURLをご参照ください。もともとのCMはどういうものだったかおおかた想像できると思います。
http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/1457ad509b4c357a2f3ffc09337623ab

■YouTube - 朝生 原発 勝間和代氏発言他ハイライト
http://www.youtube.com/watch?v=zR9YoSB9-po&feature=player_embedded

これだけ電力会社の原発推進の片棒を担ぎながら単に「反省しています」ではすまされないと思うのですが、その「反省」自体も実は怪しいのです。が、そのことを言う前に上記の勝間の「困ったちゃん」問題とは次のような指摘を指していることも先に言っておきます。

「勝間和代は、明らかに、人生における成功や失敗はすべて本人の自己責任だと主張している。こうした自己責任論は、すべての人間に 『完全に』平等にチャンスが与えられている社会においてのみ、正しい。しかし、現在の日本は残念ながら、すべての人に完全に平等にチャンスが与えられているわけではない。(略)格差が固定化しつつある社会において、自己責任論をとなえるのは、間違っている」(平林都と勝間和代は「ちっちゃな全体主義者」である)。

「勝間和代って人は、ほんとに 『困ったちゃん』 だなぁ。勝間和代が、香山リカのベストセラー『しがみつかない生き方』(幻冬舎新書)への反論として書いた『やればできる―まわりの人と夢をかなえあう4つの力』を本屋で立ち読みして、そう思った。最初に言っておくと、この『やればできる』という本は、買ってまで読む価値は全くない。本屋で立ち読みすれば、 5分で内容がわかる。なのでここにも商品リンクは貼り付けない」 (勝間和代 『やればできる』 は究極の「困ったちゃん」)
(「『欲しがりません勝間では』という勝間和代氏批判」余禄(CML 2010年3月3日付参照)
http://list.jca.apc.org/public/cml/2010-March/003140.html

したがって、私は、彼女の「反省」文なるものを読む前から彼女の「反省」なるものはおそらく見せかけのものでほんとうのところは反省などしていないだろうと思っていました。事実、彼女は「反省」などしていません。同文中の「電力業界のあり方および政府の電力行政に対する公開提案」の「2.リスクを軽減する恒常的な枠組みとして(予防措置)」には勝間の提案として次のようなことが記されています。

「軽水炉の新規建設の永久凍結。(その代わり、ガス冷却方式のウラン型原子炉やトリウム融溶(ママ)塩炉のようなそもそも放射性廃棄物があまり出ないタイプの新しい技術については安全性を充分に検証した上で導入する。)」

この勝間の言う「放射性廃棄物があまり出ないタイプのトリウム融溶ママ塩炉」については長崎大学環境科学部教授の戸田清さんの次のような指摘があります。「ウラン燃料より放射線が強いので、労働者の放射線被曝も増大するだろう。/トリウム232が中性子を捕獲してウラン233となる。ウラン233が核分裂連鎖反応をするので核兵器転用は可能」(『証言2010』「原爆神話と原発神話を再考する」)。トリウム溶融塩炉は「放射性廃棄物があまり出ないタイプの新しい技術」とは知ったかぶりの勝間のトンデモない妄言にすぎません。勝間は「反省」のふりをしながら新たな妄言をさらに「拡散」しようとしているのです。

そういう勝間ですから容赦なく勝間評価に関して勝間をよく知るあるジャーナリストの次のような証言もつけ加えておきます。

「勝間氏については、手放しの礼賛記事や本人のプロモーションとしか思えないような番組(それをNHKがやっているのが驚きです)が見受けられますが、実際は本人(もしくは側近)による情報操作や意識的な印象操作が行われているようです。自分に都合の悪い記述が見られるブログなどには削除の圧力をかけたり、amazonの書評なども操作が行われているという情報も聞きました。(略)彼女は『外資系企業で成功した』というふれこみになっていますが、彼女の元の勤務先の同僚などのコメントでは実際はかなり異なっていたようで、彼女が最も成功したのは一連の『成功本』を売り上げたことではないかと思われます。(略)『著書総計300万部』というといかにも1冊の本が300万部売れたように勘違いする人が出てくると思いますが、これこそが立派な印象操作というべきでしょう。これは『発行部数』(それも大本営発表)であり、実際は一番売れた本でも40万部程度のようです。もちろんそれでも立派な数字だとは思いますが、それを300万部に膨らませて伝えるという態度は決して誠実とはいえません。勝間氏には経歴詐称や子育てを放棄しておきながら『3児の母』を売り物にしているという指摘もあります。『時代の寵児』には違いないのでしょうが、あこぎな金儲けや政治的野心がちらつく人物であることは知っておくべきでしょう。」

最後にメディアの勝間評価を鵜呑みにして勝間の関与するイベントへの参加を勧めるメールがあるメーリングリストに投稿されたことがかつてありましたが、その際に勝間の言う「自己責任」論の問題性について述べた私の意見を転記しておきます。

「私たちが考えなければならないことは、貧富の差やワーキングプアを量産してやまない格差社会の問題や不条理を新自由主義主義的な経済成長を達成するためにはやむをえいない現象などとし、低賃金労働者を奴隷視する保守政治家や財界人の側に立って『人生における成功や失敗はすべて本人の自己責任だと主張』するような人物をメディア等々に無批判にはびこらせることの大いなる害悪についてです。/イラク日本人人質事件の際の高遠菜穂子さんバッシングを例に出すまでもなく、私たちは、こうした自己責任論がどこへゆきつくかは先刻承知ずみのことです(もちろん、軍備拡張に結びついていきました)。/たとえ某社の企画の一環だとしても、不必要に低次元の人物を持ち上げることとリンクするような企画の紹介については私たちは慎重でなければならないでしょう。」
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