キョウ きゅうちゅうさんが

Blog「みずき」:鬼原悟さん(「アリの一言」主宰者)の天皇明仁がほんとうに「民主主義者」「立憲主義者」「平和主義者」であるかについて「事実に基づいて厳密に検討・議論する必要がある」という指摘は私はきわめて重要な指摘だと思います。鬼原さんは天皇明仁が決して「民主主義者」「立憲主義者」「平和主義者」とはいえないことについていくつかの「実例」をあげて立証していますが、そのうちのひとつは次のようなものです。鬼原さんは天皇のパラオ訪問出発前の羽田空港でのスピーチを例にとって次のように批判しています。「天皇はこう述べました。『祖国を守るべく戦地に赴き、帰らぬ人となった人たちが深く偲ばれます』。耳を疑う発言です。南島で戦死した兵士は、『祖国を守る』ために戦地へ行ったのか。そうではありません。日本帝国主義の侵略戦争のために、その戦線を守るために派兵され、玉砕したのです。侵略戦争を『祖国防衛戦争』であったかのようにいい、戦争責任を棚上げすることは許されません。裕仁天皇の長男であり、父から『天皇制』について折に触れて教育を受けた明仁天皇が、天皇の侵略戦争の責任、現地住民や沖縄、朝鮮人への差別に目をそむけ、多大の犠牲を生じさせたことに『謝罪』の言葉もないまま、慰霊碑に供花しても、それは真の追悼とはいえないのではないでしょうか」。


【「天皇制」について何を議論すべきなのか】
今年の大きな課題の1つは、「生前退位」をきっかけにした「天皇制」をめぐる論議です。そこでは何が議論されるべきでしょうか。年末年始の新聞に掲載された3人の「女性識者」の主張から、手掛かりになる個所を挙げてみます。

「古代から天皇は仏教など外来のものを率先して取り入れる役目を果たしてきた。明治以降は欧米文化、戦後は民主主義です。今後の役割があるとすれば、9条の普遍的価値つまり徹底的な戦争回避を目標に日本をまとめる方向しかないと思います」(田中優子法政大総長、1日付共同配信、加藤典洋氏との対談)

「象徴天皇が現実に必要か、必要でないかと問われれば必要ではないが、長い歴史とともにあった天皇を、現代においてなくしていいとも思わない。…国民が天皇を象徴として受け入れているのは、長年の天皇、皇后両陛下の営みがあるからだ。…女系天皇を認めても認めなくても、皇室と国民の距離は次第に開いてゆくだろうし、国民統合の象徴という憲法の文言はいっそう形骸化するだろう」(作家・高村薫氏、12月26日付琉球新報=共同配信)

「今の天皇が折に触れて、憲法順守を口にしたり、戦地を訪問したりすることで、国民は護憲と反戦というメッセージを受け取っている。立憲主義者で平和主義という評価があるが、将来の天皇がどのような考えを持つかは分からない。…そもそも日本は民主主義国家なのにどうして共和制ではないのか。国民統合の象徴なんていらない、と私は思っている」(社会学者・上野千鶴子氏、12月26日付琉球新報=共同)

3氏に共通しているのは、天皇明仁を「民主主義者」「立憲主義者」「平和主義者」ととらえていることです。果たしてそうでしょうか。事実に基づいて厳密に検討・議論する必要があります。〝平成の終焉”に向けて避けて通れない課題です。しかしここでは、3氏の主張の微妙な相違点に注目します。それは「象徴天皇制」は果たして必要なのか、という天皇制の根本問題です。田中氏は「今後の役割があるとすれば」と仮定法を使いながら、事実上「役割はある」という立場に立ち、憲法9条に基づいて「日本をまとめる」ことだと言います。なぜ天皇が「日本をまとめる」必要があるのでしょうか。それは天皇の「政治的行為」あるいは「政治利用」ではないのでしょうか。高村氏は「象徴天皇制」は「必要ではない」「形骸化する」と言いながら、「なくしていいとも思わない」と言います。きわめて矛盾した主張です。この矛盾(あるいは二股)こそ「民主的知識人」の1つの典型と言えるかもしれません。上野氏は「象徴なんていらない」と明言しています。「生前退位」表明以降、これほど明確な「象徴天皇制」否定論が新聞に載ったことはないのではないでしょうか。しかし上野氏はそれを、「私は思っている」とあくまで個人的見解の範囲にとどめようとしています。「生前退位」を認めるか否か、認めるとすれば特別立法か皇室典範の改正か、という問題は枝葉末節です。今議論すべきは、「象徴天皇制」という憲法上の制度そのものの必要性・是非ではないでしょうか。必要ないと考えるなら、それを「個人的意見」にとどめるのではなく、国民的世論にしていくことではないでしょうか。(
鬼原悟「アリの一言」2017年01月03日

【山中人間話目次】
・共産党は自らの目指す社会(社会主義社会)でも天皇制を「事実上認められると判断している」という凄まじいまでの同党の崩壊現象
・翁長知事の辺野古埋立承認撤回問題に関してある法律に詳しい人と私との応答
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