キョウ ほうどうとくしゅう

Blog「みずき」:「今日の言葉」で問題にしているTBS「報道特集」にメイン・ゲスト格で出演している保阪正康さんは元雑誌編集者で、同じく元雑誌編集者の半藤一利さんとともにいまいわゆるリベラル・左派陣営の間でもっとも人気のあるといってよい作家です。保阪さんがもともと保守の論客であったことは周知の事実ですが、いまはメディアからも左派政党からもまったくの「リベラル」の論客として遇される扱いを受けています。その保阪氏の決してリベラルとはいえない「反動」の本質を中嶋啓明さん(共同通信記者)は次のように記しています。鄭玹汀さんの2015年7月29日付けのFB記事から引用させていただこうと思います。「この間、気になるのが、ノンフィクション作家・保阪正康の言説だ。「昭和天皇実録」の公刊以来、保阪はその分析に精力を注いでいる。すでに何冊かの著作をものにし、『サンデー毎日』誌上では毎週、「昭和天皇実録 表と裏を視る」と題した連載を続けている。確かにこの分野で取材を重ねてきた“第一人者”の一人として、その分析には参考になる点があるのも事実だ。だが、その主張の基調は、「裕仁=平和主義者」論の再確認でしかない。軍部、陸軍にないがしろにされて軍事情報から遠ざけられ、その暴走に頭を痛めながらも立憲主義を貫いて、ひたすら平和を祈念し続けた裕仁。戦後一貫して強調され、裕仁死去の際には盛んに繰り返されたそんな主張を、ここに来て保阪はあらためて民衆意識の中により深く浸透させるための役割を、率先して買って出ているのだ」。そういう人の「明仁(平成天皇)=平和主義者」論を金平茂紀さんは共感的、肯定的に彼の番組で紹介しているのです。彼のリベラル性にも小さくないクエスチョンをつけざるをえません。

【TBS「報道特集」メイン・キャスター金平茂紀記者を批判する】
TBS「報道特集」の「
天皇陛下退位の是非」(2016年12月3日放送)を観てみました。同番組のメイン・キャスターの金平茂紀さんならではの天皇の政治的行為を禁じ ている憲法の条文を踏まえた上での鋭利な「天皇生前退位」論も聞けるのではないか、と多少の期待を抱いての視聴でしたが、私の期待は見事に裏切られました。金平茂紀さんももうひとりの番組キャスターの膳場貴子さんも番組のはじめから無条件に天皇を「陛下」(すでに解体されたはずの大日本帝国憲法の時代から続く臣民の言葉)と呼び、また、天皇の言葉を「お言葉」、「お気持ち」と呼び、その上で金平さんはさらに番組のメイン・ゲストの位置づけで取材し、番組にも登場したノンフィクション作家の保阪正康さんの「『8月のお言葉』は『第二の人間宣言』とでもいうべきではないか。つまり、象徴とは人間ではないかというそういう根源的な問いが陛下自身から発せられた。「年もとるし、病気もするし、体力も衰えるし」という生身の人間としての肉声が天皇から語られたということの意味の大きさを国民はきちんと受け止めなければならない」というコメントを自身の言葉を交えて共感的、肯定的に紹介すらしました。そこにはメディア、報道機関に厳に求められている「報道の中立・公平」の視点はまったくありません。すなわち、番組は、世間に流布する俗流の「天皇崇拝」言説に色取られ、終始したものでしかありませんでした。ここに私は金平茂紀というジャーナリストの「ニュース23」の先輩の筑紫哲也流にも届かないリベラリストとしての限界を見た思いがします。ジャーナリズム戦線というものがあるならば、その問題を改めて考え直さなければならない、という思いにも駆られました。(東本高志FB 2016年12月5日

【山中人間話目次】
・TBS「報道特集」メイン・キャスター金平茂紀記者を批判する
・水島朝穂さん(早大教授・憲法学)の「『壁』思考の再来――ベルリンから全世界へ?」(「今週の直言」2016年12月5日)抜粋
・「不可解な逆転有罪は日本版「司法取引」の先取り判決」という視点からの美濃加茂市長収賄事件名古屋高裁控訴審判決批判
・ヨーロッパと韓国のそれぞれのポピュリズムの風に対抗する
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