キョウ とらんぷ5
白い家の前の抗議

Blog「みずき」:「今日の言葉」は平安名純代さん(沖縄タイムス米国特約記者)の同紙掲載の「想い風」から。平安名さんは自身のFBに同コラムについて特に自身の地元の沖縄の問題に焦点を当てて次のようにも書いています。「差別撤廃を目指し多くの人々が長い闘いを繰り返してきたアメリカで、人種差別を公言する人物が米大統領に当選しました。これは民主主義国家を標榜するアメリカの根底を揺らがしかねない変化であり、差別される側の人間にとっては生活(基本的人権)にかかわってくる重要な問題です。一方で、沖縄は自分自身に向けられた「土人」発言には強く反発したものの、こうした米国内の差別に対しては鈍感で、トランプの新政策に期待の声すら高まっています。トランプの当選でアメリカでは今、何が起きているのか。政策や影響を語る前に、まずこの点をきちんと認識しておくことが重要ではないでしょうか」。平安名さんの沖縄においても「米国内の差別に対しては鈍感で、トランプの新政策に期待の声すら高まって」いるという指摘は、いまのニッポンという国と沖縄の置かれている思想的な意味での危うい状況への警鐘ともなっています。平安名さんはそういう思いをこめてこのコラムを書いたのでしょう。

【沖縄ではトランプの新政策に期待の声すら高まっている】
米大統領選の結果が判明して数時間後、眠れぬまま朝を迎えた私はホワイトハウス前へ向かった。小雨が降る中、「人種差別反対」と書いたプラカードを手にした青年がひとり静かにたたずんでいた。「トランプが勝つだろうと思っていた。そう感じていた人は多かった」と話す中東系の青年は、トランプ人気が高まるにつれ、人々は差別を隠そうとしなくなっていったと説明した。民間団体の調査によると、黒人や移民などを狙った選挙直後のヘイトクライムの件数は、2001年の同時テロ直後を上回った。大手メディアはトランプ氏勝利を「驚き」と表現したが、少数派にとっては必ずしもそうではなかった。トランプ氏は当選した翌日、ツイッターで「プロ市民が抗議している。不公平だ」と呟き、約1週間後には、白人至上主義者を自身の右腕役に指名した。民主党重鎮議員のリード氏は11日に発表した声明で「罪のない米国人らが恐怖におびえ涙を流す傍ら、白人至上主義者らが勝利を祝う姿は、私が知っているアメリカではない」と批判。クオモ・ニューヨーク州知事は全米で発生する少数派への攻撃を憂慮し、「NY州は少数派を保護する」との緊急声明を発表した。選挙直後から始まった抗議デモは、全米各地で拡大しているが、ヘイトクライムの数もまた増えている。「アメリカの民主主義はいつから差別を容認するものになったのか。経済格差解消のためなら、われわれの人権を否定してもいいのか」と声を張り上げていた黒人の大学生は、「米国は選挙という民主的手法で民主主義を葬った。特定の人種の人権を否定し、差別を助長する人間を候補者にしたシステムには欠陥がある」と指摘。ある研究者は「アメリカの政策は世界に波及する。トランプ氏の人権軽視の姿勢は世界にも広がるのではないか」と憂慮する。沖縄では、トランプ氏当選が在沖米軍再編計画を見直す契機となるのではないかとの期待が先行するが、米国内のこうした動きを取材していると、もしかしたら沖縄には相当に厳しい局面が待っているのではないかと危惧するようになった。基本的人権や法の独立の尊重など、民主主義の原則を信頼しない新リーダーの誕生は、世界の秩序にどう変化を与えるのか。米国の民主主義は今、根底から揺らいでいるのかもしれない。(
平安名純代 沖縄タイムス「想い風」2016年11月20日

【山中人間話目次】
・トランプの排外主義を打倒するために(6-1)――『全体主義の起源』を読み直す-御苑のベンゴシ 森川文人のブログ
・トランプの排外主義を打倒するために(6-2)――トランプ人事、イスラム敵視・不法移民排除・「水責め」肯定 主要3ポスト指名-高林敏之FB
・トランプの排外主義を打倒するために(6-3)――コービン:トランプは偽の反エリート主義だ-小野昌弘Twitter
・トランプの排外主義を打倒するために(6-4)――「あなたと新政権が米国の多様性を守らないのではないかと懸念している」とキャストがペンス批判-平安名純代FB
・トランプの排外主義を打倒するために(6-5)――トランプが敢えて安倍首相の「個人的要請」に応えた政治的意図-広原盛明のブログ
・トランプの排外主義を打倒するために(6-6)――米大都市、不法移民保護を次々宣言 トランプ氏の方針に反発-AFPBB News
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