キョウ さんだーす22 

Blog「みずき」:「トランプ当選の衝撃」と題したさまざまな人たちのさまざまん視点からの論、あるいは情報の紹介はこれで最後にしようと思います。最後に「現代世界の構造的問題を百年単位の時間軸で分析した社会学の泰斗」(朝日新聞)とされるニューヨーク州立大名誉教授の社会学者イマニュエル・ウォーラーステインさんの論を掲げることにします(色平哲郎FB 2016年11月13日より)。しかし、ウォーラーステインさんの論に限ったことではないのですが、また、商業ジャーナリズムに登場する「識者」の論評に多いのですが、いわゆる左派と右派、バーニー・サンダースジェレミー・コービンなどを支持する集団とフランス極右のマリーヌ・ル・ペンなどを支持する集団を十把一絡げにしてポピュリスト集団と同一に論じる姿勢には私は強い違和感を持ちます。大衆を扇動することと大衆に訴えかけることとはもちろん同じことではありません。その違いが商業ジャーナリズムご用達の「識者」には見えていない、とは私の思うところです。

【全く新しいシステムに向かう分岐点に私たちはいる】
(トランプ当選の)背景には多くの人が職業を失い、経済的に苦しんでいるという事情があります。でも、米国はもはや世界の製造業の中心地ではなく、何もない中から雇用は作り出せないし、(苦しむ人を支えるために)社会保障を拡充するには税収を上げる必要がある。今は高揚感が広がっていますが、トランプ氏の支持者も1年後には、「雇用の約束はどうなったのか」と思うのではないのでしょうか(略)実際にTPP(環太平洋経済連携協定)やNAFTA(北米自由貿易協定)など、グローバリゼーションの成果とされていた構造は崩れています。TPPは今回の選挙結果で終わりを迎えるでしょう。さらにこうした協定は、実は開放的ではありません。当事者間では障壁をなくしますが、参加していない国との壁は逆に高くなる。むしろ、保護主義的な仕組みだととらえています(略)中国、韓国、日本の3カ国は言葉はそれぞれ違いますが、バラバラにする力よりも統合する力の方が強いように思える。確かに日本の現政権は、中国や韓国との関係を深めることに熱心には見えません。過去についての謝罪が必要な一方で、自尊心がそれを困難にしているのでしょうが、地政学的に考えると、一つにまとまる方向に動くと私は考えています(略)

現在の近代世界システムは構造的な危機にあります。はっきりしていることは、現行のシステムを今後も長期にわたって続けることはできず、全く新しいシステムに向かう分岐点に私たちはいる、ということです(略)15世紀半ばから17世紀半ばまで、約200年間にわたるシステムの構造的危機の時代がありました。結局、資本主義経済からなる現在の世界システムが作り出されましたが、当時の人がテーブルを囲んで話し合ったとして、1900年代の世界を予測することができたでしょうか。それと同じで、西暦2150年の世界を現在、予想することはできません。搾取がはびこる階層社会的な負の資本主義にもなり得るし、過去に存在しなかったような平等で民主主義的な世界システムができる可能性もある(略)一方で、バタフライ効果という言葉があります。世界のどこかでチョウが羽ばたくと、地球の反対側で気候に影響を与えるという理論です。それと同じで、どんなに小さな行動も未来に影響を与えることができます。私たちはみんな、小さなチョウなのだと考えましょう。つまり、誰もが未来を変える力を持つのです。良い未来になるか、悪い未来になるかは五分五分だと思います。これは楽観的でしょうか、それとも悲観的でしょうか(略)大切なのは、決して諦めないことです。諦めてしまえば、負の未来が勝つでしょう。民主的で平等なシステムを願うならば、どんなに不透明な社会状況が続くとしても、あなたは絶えず、前向きに未来を求め続けなければいけません。(
朝日新聞 2016年11月11日

【山中人間話目次】
・ZEDさんの韓国の作家・金甲洙さんの「韓国100万人デモへの危惧」の論の翻訳
・ドナルド・トランプの発言・暴言・迷言まとめ

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