キョウ いがらし

Blog「みずき」:「今日の言葉」は私のニッポンのリベラル・左派論客批判です。ここでは元法政大学教授の五十嵐仁さんの米大統領選評におけるアメリカ社会の深層に底流しているエスタブリッシュメント政治への民衆の怨嗟への無理解、ヒラリー・クリントン批判の視点の皆無を問題にしています。
 
【それはいまの日本共産党の理論水準に呼応している】

ここにも右傾化したニッポンのリベラル・左派の壊滅的な理論状況の一端がよく現われています(それは、いまの日本共産党の理論水準に呼応しているでしょう)。下記に掲げる 五十嵐仁さん(元法政大学教授)の論は第1に今回の米大統領選におけるトランプの勝利を表層的な得票数の多寡の論理でしか捉えることができていません。五十嵐さんは次のように言います。「ここで重要な事実を忘れてはなりません。それは、今回の大統領選挙でトランプ候補の票がクリントン候補の票よりも少な(か)ったという事実です。(略)つまり、アメリカ国民はトランプではなくクリントンを選んでいたのです」、と。五十嵐さんの分析では、トランプの当選は、ここまで貧困と格差の拡大させてきたこれまでのエスタブリッシュメント政治への民衆の怨嗟が爆発した結果という視点、「ヒラリー型の新自由主義路線の継続はもうノー」といアメリカの有権者の現状に対するフラストレーションが爆発した結果という視点は皆無です。いまのリベラル・左派の社会分析力の脆弱性がここには如実に示されています。

第2に五十嵐さんの論の問題性は、その表層的な得票数の多寡論を根拠に多数派はクリントン支持層だったとした上で「アメリカ国民における多数派が実はリベラルな人々であった」、とヒラリー=リベラル論を、自身が左派に属する研究者であるという矜持すらもなく、恥ずかしげもなく展開していることです。ここにももちろん、ヒラリー・クリントンは
イスラエルを全面擁護し、中東での軍事介入を正当化し、リビアのカッザーフィーの悲惨な死をあざ笑った米民主党きってのタカ派 であったという視点は皆無です。もちろん、左派が株価を云々するナンセンスという問題もあります。いまのニッポンのリベラル・左派と称される論客の理論的レベルはここまで凋落しているのです。(Blog「みずき」 2016年11月12日

参考:
米大統領選挙で負けているのに勝ってしまったトランプ候補- 五十嵐仁の転成仁語 2016年11月12日

『アメリカ大統領選挙の衝撃は、その後も世界を震撼させているようです。株式市場での「トランプ・ショック」はそれほどでもなかったようですが、国際政治に対する衝撃は今も続いています。このような結果に直面して、「あのような差別的で過激な発言を繰り返していたトランプ候補が、何故大統領に当選できたのか」という疑問が沸いてきます。様々な形で、その背景や原因が論じられていますが、ここで重要な事実を忘れてはなりません。それは、今回の大統領選挙でトランプ候補の票がクリントン候補の票よりも少な(か)ったという事実です。』

【山中人間話目次】
・小倉利丸さん(富山大学名誉教授。ピープルズ・プラン研究所共同代表)の「左派は国民国家の統治とは別な何かを創造できるか」
・米国大統領選 トランプ当選の衝撃(15)――オバマ政権が公式にTPP断念(岩月浩二FBより)。
・米国大統領選 トランプ当選の衝撃(16)――「衝撃」の思いは「沖縄」へ連鎖する。平安名純代さんの沖縄タイムス記事
・米国大統領選 トランプ当選の衝撃(17)――大統領就任後のトランプ政治の動向を考える上で大変参考になる田中宇さんの「読み」
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