キョウ ていていぴー

Blog「みずき」:先頃、国会のTPP特別委員会で参考人としてTPP反対の論陣を張って来たばかりの岩月浩二弁護士(TPP交渉差止・違憲訴訟の会・弁護団共同代表)のさらなる怒りの論陣。岩月弁護士の安倍政権弾劾の要点は次のとおりです。「戦後の憲法的慣行とされる不文律を次々と踏みにじって、安倍政権はここまで進んできた。ついに、与党である自民党の国会議員、そして衆議院議長すら無視をして直接、国会を支配しようとしている。三権分立の破壊であり、総理大臣への権力集中であり、つまるところ独裁である。ここから、自民党改憲草案の緊急事態条項が想定する立法権限の総理大臣に対する付与まで、どれほどの間隙があろうか。安倍政権が模範とするらしい、ナチスの全権委任法まで、幾ばくの隔たりがあろう。今回の事態を許すことは、自ら民主主義を葬ることに加担することになる」。

【「私は立法府の長であります」というのは安倍総理の本心であった】
11月4日、TPP特別委員会において、TPP承認案及び関連法が強行採決された。ひたすら数の力を頼みにした中身も知らぬ議員による強行採決が民主主義の名に値しないことはいうまでもない。しかし、今回の強行採決の最大の問題は、採決以前の手続きにおいて、行政府である内閣(官邸)が、国権の最高機関である国会の運営に介入して、支配してしまったことにある。三権分立すら蹂躙する重大な問題である。(略)
本会議中の委員会招致には議長の許可が必要である。そんなことをTPP特委の塩谷委員長が知らないはずがない。知っていて、TPP特委の開催を、議運にも知らせず、議長にも知らせず、自民党の国対委員長にも知らせなかった。したがって、毎日新聞の「不手際」との見出しは、生ぬるい。11月4日午後1時には本会議が予定されていた。当然ながら、TPP特別委員会の招集を知らされていない議長の許可はない。したがって、TPP特別委員会の招集は、衆議院規則違反だという主張は当然だ。(略)しかし、今回の強行採決は、衆議院規則違反かどうかという以上に重大な問題を孕んでいる。TPP特委の招集は、塩谷委員長の独断で行われたはずもない。安倍総理の指示によって行われたとしか考えようがない。内閣が国会議長の頭越しに国会の運営を支配する。国民の代表であり、国権の最高機関である国会が総理大臣の意のままに操られている。「私は立法府の長であります」というのは、言い間違いではなく、安倍総理の本心であった。要するにこれは、三権分立の否定であり、行政府による国会の蹂躙である。

仮に衆議院規則に明白に違反しなくても、歴代の政権は、このような国会を頭越しに支配するような横暴な振る舞いを見せることはなかった。国権の最高機関の運営に内閣が介入しない。これは不文律だ。安倍政権は、不文律を犯すことによって、この国の姿を変えてきた。NHK経営委員の国会同意人事は、その公共放送の性格上、全会一致が不文律だったが、これを蹂躙した。内閣法制局長官人事に対する不介入は歴代政権の不文律だったが、安倍政権はこれも蹂躙して、憲法解釈変更を容認させ、集団的自衛権行使を認める安保法へと突き進んだ。日銀総裁の国会同意人事も全会一致が不文律だったが、これも蹂躙した。戦後の憲法的慣行とされる不文律を次々と踏みにじって、安倍政権はここまで進んできた。ついに、与党である自民党の国会議員、そして衆議院議長すら無視をして直接、国会を支配しようとしている。三権分立の破壊であり、総理大臣への権力集中であり、つまるところ独裁である。ここから、自民党改憲草案の緊急事態条項が想定する立法権限の総理大臣に対する付与まで、どれほどの間隙があろうか。安倍政権が模範とするらしい、ナチスの全権委任法まで、幾ばくの隔たりがあろう。今回の事態を許すことは、自ら民主主義を葬ることに加担することになる。(
岩月浩二「街の弁護士日記」2016年11月6日

【山中人間話目次】
・マルクスからルーゲへの手紙――<上>なる天皇と皇室を特別視するリベラル・左派への172年前の警鐘
・憲法上重大な疑義のある「私的行事としての神道形式の葬儀」への国費支出をなぜリベラル・左派は追及しないのか
・仲宗根勇さん(元裁判官)の山城博治・平和運動センター議長逮捕勾留理由開示法廷傍聴記
・平安名純代さん(沖縄タイムス米特約記者)の米ハーバード大学で開催されたドキュメンタリー映画「沖縄 うりずんの雨」の上映会を取材して
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