キョウ あべ6

Blog「みずき」:水島朝穂さん(早大教授・憲法学)の「今週の直言」からの久しぶりの引用。「今週の直言」のテーマは安倍首相の自民党総裁任期延長=内閣総理大臣任期延長問題。水島さん曰く「自らが憲法尊重擁護義務を課せられているにもかかわらず、「みっともない憲法」という表現を使った首相はいない。その首相が自らのための任期延長をやろうとしている。これに正面から反対をとなえる政治家もいない。『恥ずかしい』『みっともない』のは誰か」。もちろん、安倍晋三その人です。その「恥ずかしい」「みっともない」政治家をさらに総理大臣を続けさせてよいのか。いまここで問われているのは「私は絶対に許さない」という私たち市民の「怒り」のありようの問題というべきでしょう。私たちの「怒り」は「社会変動の起爆剤」です(E.フロム『自由からの逃走』)。私は誰にも引けを取らないような「怒り」を露わにすることの大切さをいま思います。私は安倍首相の続投を許すことはできません。

【自分で自分の土俵を広げるようなことはフェアじゃない】
10年前の「直言」(略)にこうある。「先週、9月20日午後、安倍自民党「総裁」が誕生した。任期は3年である。明日26日には内閣「総理」大臣に就任する予定である。「総理・総裁」という、他国では理解できない「・」でつながる不思議な言葉。一政党のトップがあたかも自動的に首相になるかの如き状況が、この国では普通に起きている(略)。…安倍政権発足の本質的な問題は、安倍が何をやるか、である。安倍晋三という人物の思想と行動が、一議員や一閣僚(官房長官)にとどまっていた段階とは異なり、いよいよ内閣総理大臣という最高ポストを得て、本格的に動きだす。その危なさは、交通法規〔憲法〕を確信犯的に無視するドライバーが、大型トラックの運転席に座り、道路に走り出したのに近い。このトラックは行く先々で、たくさんのトラブルを起こすだろう。ドライバーは、饒舌に語りながら、「お目々キラキラ、真っ直ぐに」トラックを走らせていくのだろう。この国の不幸は続く。…」(略)先週、『朝日新聞』10月20日付は一面トップで、「自民党総裁任期 延長決定 安倍首相 3選可能に」を伝えた。(略)この「総裁」任期延長によって、ついに「安倍総裁9年」が実現することになる。それは「総理・総裁」という言葉が存在する日本においては、内閣総理大臣の「任期延長」に連動してしまう。その結果、安倍首相の在任期間は3500日以上となり、大叔父・佐藤栄作の2798日を超え、内閣制度発足以来最長の桂太郎(1901年6月2日~1906年1月7日、1908年7月14日~1911年8月30日、1912年12月11日~1913年2月20日)の通算2886日をも上回ることになる。(略)

内閣総理大臣は絶大な権力をもっている。それが自民党の党則の改正により、同一人物が最大9年まで首相の地位を維持することができるというのは、これまでの日本政治史になかったケースである。そもそもそうした重要なルール変更が、とうの本人の任期延長を目的として行われるところがいかにも不純である。
河野洋平元衆院議長(「総理」になれなかった「総裁」の一人)は10月4日のBSフジの番組で、党総裁の任期延長が決まった場合、2018年9月に任期満了となる安倍晋三首相の後継総裁から適用すべきだとの考えを示した。「自分で自分の土俵を広げるようなことはフェアじゃない」とも述べた(『朝日新聞』10月5日付)。まさに正論である。政治家ならば普通の感覚だったのに、いまではメディアまで腰がひけて、正面から「おかしい」といえなくなった。ドイツから帰って一番の違和感は、「恥」を知らない政治家の言動が、たいした批判も受けずに横行していることである。「総立ち拍手」しかり、農林水産大臣の「強行採決」発言しかり、そして「自分のための党則改正」しかり、である。(略)自らが憲法尊重擁護義務を課せられているにもかかわらず、「みっともない憲法」という表現を使った首相はいない。安倍総裁は、1955年の結党以来続いた3選禁止規定を党則から除く。「自民党をぶち壊す」と叫んだ小泉純一郎氏ですら2期で辞めて安倍氏に後を譲ったのに、とうの安倍氏が、自らのための任期延長をやろうとしている。これに正面から反対をとなえる政治家がおらず、本会議での首相演説で総立ちになって拍手を送るなど、自民党は本当に壊れてしまった。「恥ずかしい」「みっともない」のは誰か。(水島朝穂「今週の直言」2016年10月24日

【山中人間話目次】
・「利敵行為論による妥協」が何十年たっても同じ間違いを繰り返しているということについて
・ドゥテルテ・フィリピン大統領をどう見るか――内海信彦さん(ビジュアル・アーティスト)の見方
・murata kojiさんの日本環境会議沖縄大会参加レポート(連続ツイート)を読んで改めて矢ヶ崎克馬さん(琉球大名誉教授。物理学)のデマゴーグ体質を思う
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