キョウ へのこ10

Blog「みずき」:鬼原悟さん(「アリの一言」ブログ主宰者)の沖縄タイムス、琉球新報掲載の辺野古訴訟多見谷判決「批判論評」には「重大な落とし穴」があるとする批判。ここで鬼原さんから批判されている論者は高良鉄美さん(琉球大法科大学院教授)、屋良朝博さん(ジャーナリスト)、照屋寛之さん(沖縄国際大教授)、木村草太さん(首都大学東京教授)、天木直人さん(元外交官)の5人。天木氏を除いていずれも「リベラル派」とみなされている論者たちです(ある種の「リベラル市民」は天木氏も「リベラル派」に数えているようですが、私に言わせれば論外)。その「リベラル派」が揃いも揃って辺野古問題、というよりも沖縄問題の本質的障碍というべき日米安保条約の問題性の分析と指摘をネグレクトしているという批判です。ニッポンの社会と「革新」政党の右傾化の波頭にニッポンの論壇総体もざんぶりと呑みこまれている破堤状況の沖縄版のひとつの露れとみなしてよいのではないか。

【多見谷判決批判「論評」の重大な落とし穴】
辺野古新基地建設をめぐる不当判決(福岡高裁那覇支部、多見谷寿郎裁判長)の翌17日から21日までに、沖縄タイムスと琉球新報に判決に対する「識者」の「論評」が計8本掲載されました(略)。いずれも判決を批判するものばかりです(当然でしょう)。ところが、それらを注意深く読むと、半分以上の「論評」に重大な落とし穴があることが分かります。(略)

高良鉄美氏(琉球大法科大学院教授)は、「判決に欠けているのは沖縄の米軍基地問題は人権問題という視点だ」と指摘しながら、続けてこう述べています。「安全保障は国の専権事項だから司法判断を下すのは難しいかもしれない」「日米安保の領域に人権面からどこまで踏み込めるのか懸念はある」(20日付沖縄タイムス)「難しい」どころか多見谷裁判長は臆面もなく「安全保障」に「司法判断」を下しました、国の主張通りに。高良氏はなぜ自ら「日米安保の領域」に踏み込まないのでしょうか。これでは憲法より安保条約を上に置いた多見谷判決の問題点に目をつむるようなものです。

屋良朝博氏(ジャーナリスト)は、米海兵隊の再編構想が進行していることを示し、「裁判所が政府の辺野古唯一に乗ったのは暴走としか言いようがない」としてこう主張します。「31MEU(第31海兵遠征隊)をまるごと移転させ、航空部隊を佐賀空港、地上部隊は日出生台演習場(大分)に配置する選択肢も検討可能だろう」(21日付沖縄タイムス)これは米軍の再編計画をもとに、すなわち日米安保体制の枠内で、海兵隊を「県外(本土)」へ移そうとする主張です。「米軍基地の無条件撤去」とは相入ない、日米安保体制肯定・存続の立場に立つものです。

もうひとり、日米安保の問題にはまったく触れないまま「県外(本土)移設」を主張しているのが、
照屋寛之氏(沖縄国際大教授)です。「在日米軍専用施設面積の74%が集中する沖縄で、県内移設による負担軽減は成り立たない。47都道府県で負担を分担しなければ納得できない」(17日付沖縄タイムス)

木村草太氏(首都大学東京教授)は、「日米安保条約や地位協定はあくまで『条約』であり『法律』ではない。条約があったからといって、憲法92条の要請を満たせるはずがない」と、安保条約と憲法の関係を正当に指摘しています。ところが、その前段でこう述べているのです。「沖縄に基地が集中しているのを知りながら、『仕方ない』と国民が思っていたのでは、地域間の不平等は解消されない。米軍基地による恩恵を受けているのは、日本国民全体だ」(18日付沖縄タイムス)木村氏は16日の「報道ステーション」でも同じことを言いましたから、これは決して筆が滑ったものではありません。「米軍基地による恩恵」とは何ですか?「日本国民」は米軍基地からいったいどんな「恩恵」を受けていると言うのでしょうか。明らかな「日米安保肯定」論と言わねばなりません。(略)

以上4氏(略)は、いずれも「沖縄問題」に詳しい「リベラル派」と見られている「識者」です。その人たちが
日米安保(軍事同盟)体制を正面から否定・批判しないばかりか、逆に肯定・容認している現実はきわめて重大です。米軍基地・日米安保に「恩恵」などあるのか。日米安保条約は沖縄・日本に何をもたらしているのか。安保条約廃棄に賛成なのか反対なのか。「識者」は今こそこの問いに正面から答えなければなりません。(アリの一言 2016年09月22日

【山中人間話目次】
・沖縄支部高裁判決の辺野古基地許容認定は民事訴訟法を無視した証拠なき政治的判決である
・翁長知事と議会は全4回の県議会への出席要請をすべて拒否した県公安委員長を即座に罷免すべきである
・高江ヘリパッド移設差し止め」住民が提訴-日テレNEWS24 2016年9月21日
・富山市と金沢市は情報公開請求した人の情報を議員に漏らした市職員をただちに免職処分にせよ。それが情報公開制度の趣旨を守る道である
・人間を愛する人たちへの贈り物ー「原爆の図」と「原爆詩集」-澤藤統一郎の憲法日記 2016年9月20日
・共産党員であるとか、共産党を除名されたとかの理由でその作家(詩人)の文学的評価を変えてはいけない
・原武史の「玉音放送で示された天皇と「民」が常に共にある「国体」が継承されつつ、一層内面化したという見方もできるわけだ」という言い方への違和感
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