キョウ へのこ9

【手前味噌にすぎる共産党の責任逃れの論】
しんぶん赤旗は「辺野古埋め立て容認判決」について次のように書いています。「今回の判決を下した多見谷寿郎裁判長は昨年末から辺野古新基地をめぐる裁判を担当。今年1月には、『現在は沖縄対日本政府という対立の構図になっている』『本来あるべき姿としては、沖縄を含めオールジャパンで最善の解決策を合意して、米国に協力を求めるべきである』とする和解勧告文を提示しました。勧告文では1999年の地方自治法改正で、国と自治体が『対等・協力の関係となることが期待された』とも述べています。ところが、こうした和解勧告の趣旨を裁判長は、自らの判決で自己否定したのです」(
2016年9月17日)。この赤旗記事の書きぶりからは当時、日本共産党は多見谷裁判長が提示した和解勧告文を高く評価していたことがわかります。そうした共産党の和解勧告文評価とオール沖縄翁長知事の和解勧告受諾は一対のできごととみなしてよいでしょう。だとすれば、共産党は、「和解勧告の趣旨を裁判長は、自らの判決で自己否定した」と多見谷裁判長を批判する前に、同勧告文の中には当初から今回の「辺野古埋め立て容認判決」につながる巧妙なワナが仕掛けられていたことを見抜けなかった自らの不明の責任を先に反省する必要があるのではないか。

多見谷裁判長からこの和解勧告案が提示されたとき、たとえば沖縄在住の元裁判官の仲宗根勇さんは次のような警鐘を鳴らしていました。「今日3月4日の NHKの12時昼のニュースであべ総理が暫定案を受け入れるとの報道がなされた。しかし、県知事は安倍官邸に騙されてはいけない。これは参議院選のための安倍一派の時間稼ぎと協議中に出される確認裁判の判決についてこの和解合意による執行力を県に受け入れさせ、最終的に工事を可能にする魂胆が隠されており、したがって、この和解成立によって、国の工事強行の意思はなんら変わらない。沖縄県は目先の工事停止に目がくらんで唯々諾々と和解してはいけない。現在裁判所から出されている和解条件は官邸の政治的謀略が隠されている。断じて暫定案での和解を成立させてはいけない。安倍一派の悪辣さを甘く観てはいけない」(
仲宗根勇 2016年3月4日)。
 
私もこの問題については東京の弁護士の
澤藤統一郎さんの論などを引用して次のような指摘をしています。「今回の辺野古代執行訴訟での「国と県の和解成立」についてリベラルの中からも「ひとまずよかった」「沖縄県まず白星」などの声が少なくなくあります。その声々に共通しているのは、下記の澤藤統一郎弁護士のパロディー中の指摘にもあるように法律の専門家から見て国の敗訴の可能性のきわめて大きい今回の訴訟の「和解案を当初から支持し」、そういう意味で敗訴必至の安倍政権に助け船を出したというほかない翁長知事の「和解案受諾」の責任をまったく不問に附していることです。こういう事態を「ひとまずよかった」などとはとうてい言えないし、辺野古に基地をつくらせない運動の展望を遠ざけるだけだろうと私は思います」。(Blog「みずき」 2016年3月5日

敗訴必至の安倍政権に助け船を出した先の「和解案受諾」が今回の敗訴の直接的な原因になっている、と言うべきなのです。共産党、オール沖縄、翁長知事の責任は重大です。今回の敗訴を「和解勧告の趣旨を自らの判決で自己否定」した多見谷裁判長の責任だけに帰すのはあまりに手前味噌にすぎる責任逃れの論だと指摘しておかなければなりません。(
東本高志 2016年9月18日

【山中人間話目次】
・しんぶん赤旗の「辺野古埋め立て容認判決について」という論について
・澤藤統一郎さん(弁護士)の辺野古裁判判決批判
・運動の中にスターをつくり、スターを有り難がる運動体質とはなんだろう?
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