キョウ りべらりずむ  
Blog「みずき」:一昨々日と同じく鬼原悟さんの「アリの一言」ブログから。今回のテーマは「『天皇メッセージ』から1カ月。広がる異常・違憲状況」。本論で鬼原さんは「驚いたのは、最初に天皇の『生前退位の意向』を『独自ネタ』として報道した(7月13日)NHKに新聞協会賞が与えられたことです」と書いていますが、私も驚きました。現在のメディアと称される機関がいかにジャーナリズム精神とジャーナリストとしての眼を喪失しているか。「NHKに新聞協会賞」という事態はそのことを端的に示しています。鬼原さんはそのジャーナリズム批判の流れの中でジャーナリストの田原総一朗も批判していますが、保守ジャーナリストの田原総一朗が批判の対象になるのはある意味当然だとしても、いわゆる「リベラル派」の梅田正己氏(高文研前代表)も批判の対象になっているのには少し驚かされます。が、ここでは梅田正己氏に象徴される目を覆うばかりのリベラルの頽廃こそが主題といってよいでしょう。鬼原さんも言うように「天皇・天皇制をめぐる主張・議論は、憲法・民主主義に対する試金石」というべきものです。私たちが真のリベラルであるかどうかがいま試されているのです。この際、似非リベラリストの正体は徹底的に暴かれるべきでしょう。

【「リベラル」という精神の頽廃について】
天皇明仁が「生前退位」の意向を事実上表明した「
ビデオ・メッセージ」から、8日で1カ月になります。この間の政府やメディアの動向、さらに「識者」の論評をみると、問題の本質が隠ぺいされたまま、異常な違憲状況が放置され拡散されていると言わざるをえません。驚いたのは、最初に天皇の「生前退位の意向」を「独自ネタ」として報道した(7月13日)NHKに新聞協会賞が与えられたことです(8日付各紙)。受賞の理由は、「国内外に与えた衝撃は大きく、皇室制度の転換点となりうるスクープ」とか。確かに「衝撃」はありましたが、それは「だれが天皇の意向をメディアに伝えたのか、責任を負うべき内閣はどんな判断をしていたのか、全く明らかにされていません」(西村裕一北海道大准教授、8月9日付朝日新聞)という「衝撃」です。NHKは権力の手先となって政府(おそらく宮内庁)のリークを垂れ流し、「生前退位」の露払いをしただけではありませんか。「スクープ」どころか、メディアにあるまじき行為と言わねばなりません。そんなNHKに協会賞とは、日本新聞協会も堕ちたものです。(略)

琉球新報(8月30日、31日付文化面)に掲載された「『天皇メッセージ』をどう読むか」という論稿で
梅田正己氏(高文研前代表)は、憲法第7条に定められている天皇の国事行為をあげたのに続けてこう述べています。「(憲法7条が定めたー引用者)儀式的な役目を、内閣の助言を受けてこなすだけで、『日本国民統合の象徴』としての役割が果たせるものだろうか。答えは考えるまでもない」「天皇はいかなる行為・行動によって『象徴』としての存在理由を確保できるのか。その『答え』を、天皇みずから国民に対して直接語ったのが、今回の『ビデオ・メッセージ』だったのである」「『象徴』の意味と役割を、天皇みずから語った今回のメッセージは、私にはまさに〝歴史的”な出来事だったと思われる」「ビデオ・メッセージ」、というより天皇明仁に対する全面賛美です。これで良いのでしょうか。「ビデオ・メッセージ」は、天皇明仁が憲法の「象徴天皇」の意味を自分で勝手に解釈し、憲法にない「公的行為」なるものを勝手に拡大し、さらに憲法・皇室典範にない(したがって法改正に直結するきわめて政治的問題である)「生前退位」についての自分の意向を、「ビデオ・メッセージ」というこれまた天皇に認められていない手段(宮内庁はこれも「公的行為」と釈明)で一方的に国民に流したものです。その実態は何重にもわたる違憲行為です。「リベラル派」とみられている梅田氏が、こうした天皇の違憲行為にまったく目をつむり、その行為を「歴史的な出来事」と賛美するのは、きわめて不可解で異常だと言わねばなりません。

梅田氏だけではありません。天皇明仁に対する美化・賛美が、いわゆる「リベラル派」といわれる人たちの間に広く見られます。憲法の「象徴天皇制」とは何なのか。どうあるべきなのか。それを決めるのは(それ自体の是非を含め)、天皇ではなく、主権者である私たち「国民」です。天皇も憲法下の存在であり、憲法や法律を遵守しなければならないことは、憲法99条を引くまでもなく、明白です。憲法・皇室典範無視の違憲行為は絶対に許されません。天皇・天皇制をめぐる主張・議論は、憲法・民主主義に対する試金石です。(
アリの一言 2016年09月08日

【山中人間話目次】
・私たちはなんという時代に直面しているのでしょう ――殺害したのは「たった1000人」 比大統領が国連の批判に反論
・ベーシック・インカムの経済思想の欠陥
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