キョウ とちじせん11

Blog「みずき」:以下は、政治学者の浅井基文さんの東京都知事選における鳥越陣営(リベラル・左派)の敗因の分析です。浅井さんはその敗因の要因を民進党、共産党、社民党、宇都宮陣営それぞれが抱え持つ「病理」に還元する形でそれらの問題性を論じています。「宇都宮擁立を強く推したのは社民党の福島副党首をはじめとするいわゆる市民団体であった」とする指摘は、福島氏のお連れ合いである弁護士の海渡雄一氏が「宇都宮健児 希望のまち東京をつくる会」の代表をしていたことなどからもさもありなんと思わせるものがあります。浅井さんのその指摘が真であれば(私は真だろうと思いますが)、社民党は、公式には鳥越氏を支持しながら、その裏側では宇都宮氏を推すという背理を犯していたことになります。「野党共闘」ははじめから崩れるべくして崩れていたのです。ここからはその背理の理路の必然として「野党共闘」とはそもそもなにか、という話に移らざるをえませんが、その本質論の話は浅井さんの「今日の言葉(2)」で語られることになります。

【野党共闘の「一枚岩」という前提の虚構性と脆さについて】
今回の都知事選挙での主要3候補の得票数は次のとおりでした。(略)参議院選挙東京選挙区での主要政党候補の得票数は次のとおりでした。(略)以上の数字から、直ちに以下の事実が分かります。第一に、小池及び増田両候補の得票合計数は参議院選挙での自公3候補の得票合計数を140万票以上上回っていること。第二に、鳥越候補の得票数は、同候補を支援した民進・共産・社民3党の候補が参議院選挙で得票した合計数を130万票以上下回っていること。以上の2点から分かることは、今回鳥越候補を支援した政党の参院選立候補者に投票したかなりの部分(130万票以上)が小池または増田候補に流れたと見られることです。そして、事前の各種世論調査結果及び様々な報道から判断するとき、その原因としては、以下の要素が働いたことが分かります。一番大きい要素としては、参議院選挙で190万票以上を獲得した民進党が、知事選挙期間中から、共産党との共闘の是非をめぐって深刻な内部対立が起こったことがメディアで広く報道されており、民進党支持者の中の「反共」層(連合を含む)が小池または増田候補に投票したと判断されることです。第二に、本来は比較的堅いはずの共産党支持層ですが、前の2回の都知事選挙で共産党が中心になって擁立した宇都宮健児氏が今回も立候補に最後まで意欲を持ち続け、最終的に断念したものの、鳥越候補に対する支持を明確にしなかったことが、参議院選挙で共産党候補に投票した人々の投票行動に影響を与えた可能性があることです。第三に、参議院選挙では9万4千票弱しか獲得しなかった社民党ですが、私がある会合で社民党の内部事情に詳しい人から直接聞いたところによると、宇都宮擁立を強く推したのは社民党の福島副党首をはじめとするいわゆる市民団体であったとのこと(私の情報源はこれだけですので間違っていたらお許し下さい)で、参議院選挙で社民党候補に投票した人々の投票行動にも影響があった可能性があります。

このように、鳥越支持の主要3党それぞれに複雑な内部事情が働いたのですから、同候補に勝ち目はなかったことは容易に理解できます。つまり、民進・共産・社民などが一枚岩になってはじめて自公と互角以上に戦えるというのが参議院選挙結果の示しているところですが、そういう前提が崩れた状況下では到底勝負にならなかったと言えるでしょう。(略)

さらにつけ加えるならば、民進党の岡田代表が投票日直前というおよそ考えられないタイミングで9月の党代表選への出馬断念を表明したことは、彼自身の政治家としての識見のなさ(政治家としての資質の問題)を露呈しただけでなく、彼の行動に呆れ、怒った少なくとも一部有権者の投票行動に影響を及ぼしたことも間違いないでしょう。また、宇都宮氏の態度も一部有権者の投票行動に影響を及ぼしたことは間違いないでしょう。宇都宮氏が鳥越氏の応援に登場しなかったことに関する本人の説明(略)によれば、いわゆる「女性問題」に関する宇都宮氏の質問に対する鳥越氏の回答内容が不十分であり、人権問題を一貫して重視してきた宇都宮氏としては納得がいかなかったからとされています。この報道が正しいとするのであれば、私としては宇都宮氏の行動には納得できません。そもそも、選挙の最中に週刊誌(しかも名うての「暴露もの」を手がける2つの週刊誌)がこういう問題を持ち出すことが政治的悪意によるものであったことは明らかです。宇都宮氏の行動は、そういう週刊誌の行動に客観的に加担し、正当性を与えてしまっています。また、宇都宮氏の行動は、少なからぬ有権者の投票行動に影響を及ぼす公人としての責任意識が伴っていなければならなかったはずですが、宇都宮氏の発言からはその意識を窺うことができません。(
浅井基文のページ 2016.08.04

【山中人間話目次】
・斉藤美奈子さんの「本音のコラム」(東京新聞 2016年8月3日)の急所の主張について私は全面的に反対です
・孫崎享という人はリベラルでも左派でもない。保守の別働隊にすぎない
・蓮舫という女性政治家は定見のない御身大事の人でしかないことを証明した8月4日の時事の記事
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