キョウ さんいんせん3

Blog「みずき」:水島朝穂さんは「今週の直言」の《付記》の前に「いずこにおいても、哲学をもつ政治家がいなくなって久しい。それどころか、日本の場合、「虚栄心」と「自己陶酔」(祖父の悲願〔憲法改正〕達成)、距離感の喪失(Distanzlosigkeit)など、政治家の致命的欠陥をパーフェクトに備えた首相とその側近たちによって政治が決まっていく。秋には米国で、冒頭の写真にある大統領候補が当選するという悪夢の連打が待っているのか。政治家だけでなく、憲法研究者も含めて、変身と転進が始まる可能性もある。これからは、市民にも、「それにもかかわらず!」という覚悟が求められる時代が続く」と述べた上でマックス・ヴェーバーの『職業としての政治』から次のような言葉を引用しています。「政治とは、情熱と判断力〔見通す力〕を同時に用いながら、堅い板に力をこめて、じっくり時間をかけて穴をあけていくことである。もしこの世の中で不可能なことを目指して再三再四食い込もうとしないなら、およそ可能なことも達成されないということは、まったく正しく、かつ歴史上の経験がそれを確認している」(マックス・ヴェーバー職業としての政治』S.66)。

【付記】
第24回参議院選挙の結果が出た。投票率54.7%という戦後4番目に低い数字になった。与党と維新を合わせて「改憲勢力が3分の2に到達」という結果をどうみるか。まだ確定的な数字や割合などのデータが出ていないので、今回は詳しくは立ち入らない。ただ、ドイツの
第1放送(ARD)tagesschau(7月10日13時51分〔日本時間20時51分〕)が一番早い報道で、「参議院選挙で与党が多数を占めることが確実となった」「日本はこれにより第二次世界大戦後の時代から続く基本法〔憲法〕に別れを告げ、軍にさらに重きを置いていくだろう」と伝えた。選挙当日の『南ドイツ新聞』東京特派員の評論は、「安倍は彼の党を、戦後のどの首相もなし得なかったほどに強制的均質化した(gleichgeschaltet)」という学者のコメントを紹介しつつ、TPPや原発、憲法改正などの論争的なテーマを選挙の争点から外したことを問題にして、「日本の民主主義はしばしば…演出(Inszenierung)である」と結んでいる(Süddeutsche Zeitung vom 9/10.7.2016, S.10)。

ここで注目したいのは、ドイツでgleichschalenという言葉を使えば、与える印象はかなり強烈だということである。
Gleichschaltungは、ナチスが国家・社会を均質化しようとした政策や思想を指す。1933年3月の授権法(全権委任法)の1週間後に制定された「ラントとライヒの均質化(Gleichschaltung)に関する暫定法律」とその1週間後の「ラントとライヒの均質化に関する第二法律」によって、ラント(州)の権限は国家や党に移され、最終的に中央集権国家となった。日本の場合、自民党だけではなく、NHKをはじめ、各種メディアもまた「均質化」されていった。選挙報道は抑制させられ、「選挙隠し」ともいえる状況が生まれた。これは「つくられた低投票率」ではないか。(水島朝穂「今週の直言」付記 2016年7月11日

【山中人間話目次】
・メディアはどの社も「改憲勢力3分の2を確保」の大見出しを打っているが、「野党共闘」4党も実質「改憲」(新9条論)の主張をしており、疾うに「改憲勢力3分の2」の状況ではあった
・1人区で共闘している民進・共産・社民・生活の野党4党は「改憲」には反対していません。五十嵐仁さん、ウソを言ってはいけません。
・安倍首相と会食し、原発再稼働を鼓吹してきた石原進氏がNHKの監督機関の長でよいのか-醍醐聰のブログ 2016年7月9日
・『しばき隊のNo.1は野間易通、No.2は竹内真、No.3は木下ちがや、フェローは五野井郁夫。シニアフェローは中野晃一、エグゼクティブフェローは小熊英二。
・「バーニー・サンダースのバチカン倫理経済学会演説全訳」2016年7月5日
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