キョウ てんのうせい

Blog「みずき」:この小論において
醍醐聰さん(東大名誉教授)は共産党の現今の「野党共闘」路線はポピュリズムというべきではないか、と喝破しています。革新の人である醍醐さんはほんとうは参院選の最中にこういうことは言いたくなかったでしょう。それでも言わざるをえなかったところにいまの共産党の陥っている「不条理」と「組織の根深い体質にかかわる問題」があります。この同党に対する認識は私も同様です。参院選という選挙の最中だからこそ共産党の体質に関わる根っこの問題を指摘しておく必要があったということを同党と同党党員の方々には理解していただきたいものです。これは同党を長い間支持してきたシンパの声なのです。共産党はその誠実の声を疑ってはいけません。

【共産党のポピュリズム】
私は今回の「野党共闘」に冷めた見方をしています。そのわけは、一つには、当事者(野党各党)の間で真にどこまで政策の一致があるのか、疑問だからです。(略)共産党の志位委員長が昨日、「今は自衛隊が合憲か違憲かは問題でない。自衛隊の海外派兵を阻止することこそ重要だ」と演説しているのをNHKの夜7時のニュースで見ました。一見、共感を得やすい議論ですが、立ち止まって考えると底抜けする発想だと思います。なぜなら、自衛隊の海外派兵という場合、国連のPKOへの参加という形も考えられますが、より本格的なのは日米共同の軍事行動だろうと思います。現に、そのための共同訓練が常態になっています。「防衛」予算が5兆円を超え、重厚な装備を備えた自衛隊によって、日米共同の軍事行動がスタンバイの状況になっている現状で、自衛隊の海外派兵阻止というなら、ここまで肥大化した自衛隊の存在自体の違憲性を問うのが全うなはずです。そのような正面からの問いかけをせず(脇に置いて)いかにして自衛隊の海外派兵を阻止する運動をおこすというのでしょうか? 安保関連法の違憲性を主張しながら、法を施行する際に武力行使の中核を担う自衛隊の違憲性は棚上げするという議論を、私は全く理解できません。国民の間で抵抗を生みそうな議論に蓋をするというポピュリズムが透けて見えます

立憲主義を取り戻す」という点も大きな「共通公約」となっていますが、(略)「立憲主義」の中身は「個人の尊厳を大切にすることだ」という説明がされています。それなら、共産党は、従軍「慰安婦」の尊厳に再度、塩を塗るような昨年末の「日韓合意」をなぜ前進と評価するのでしょうか? オバマ大統領の広島訪問をかなえるためなら、原爆投下に対する米国の謝罪も事実上、棚に上げるような不条理になぜ同調したのでしょうか? 存在自体が人間の不平等、差別の権化といえる天皇が高座から「お言葉」を述べる国会開会式に同席して一礼するという行為を、共産党はなぜこの時期に始めたのでしょうか? 支持を広げるためなら、こういう不条理、同調圧力にも順応するという態度では、共産党の理性はどこまで劣化するのか、計りかねます。(略)以上、述べてきたことは私の特異な思想なり、背景事情から生まれたものでしょうか? 私は野党共闘なり、共産党に他意、悪意を抱く動機をなんら持ち合わせていません。むしろ、私が指摘したような疑問、異論が政党内や支持者内から全くといってよいほど聞こえてこないことに大きな疑問、気味悪さを感じています。上のような疑問を向けると、必ずと言ってよいほど「利敵行為論」が返ってきます。宇都宮選挙の時も体験しました。しかし、異論、批判に真摯に向き合わない体質が国民と溝を作る要因であることに、なぜ気づかないのでしょうか? 「今は○○が大事だから」という物言いで、組織の根深い体質にかかわる問題や自らの政策に宿る未熟な部分を直視しない態度を、いつまでとり続けるのでしょうか?醍醐聰のブログ 2016年7月4日
 
【山中人間話目次】
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核兵器を持たず武器を輸出しない日本の平和主義が、足元から瓦解しようとしている(保立道久さん)
大田英昭さんの吉林省南部・磐石市訪いの記
米民主党、サンダース氏の主張受け入れ「生活賃金」導入
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