キョウ まいにちしんぶん

以下の記事は、6月12日付けの弊フェイスブック記事での指摘の続きとなるべきものです。 鄭栄桓さん(明治学院大学准教授、朝鮮近現代史)が「朝鮮人捕虜:米の尋問調書発見…日本支配の過酷さ記録」という毎日新聞の6月10日付け記事の誤報を指摘しておよそ2週間経ちましたが、その誤報を指摘された当事者としての毎日新聞にも、メディアの「誤報」記事の摘出を通じて同メディアの自省と自己淘汰をうながす目的で設立された日本報道検証機構(略称、GoHoo。代表、楊井人文弁護士) にも同記事を訂正する動きは見られませんし、また同記事が「誤報」であることの指摘もありません。

なぜ、これほど明瞭すぎるほどの指摘のある「誤報」記事を毎日新聞はいまだに訂正しようとしないのか?また、なぜ、日本報道検証機構は毎日の同記事が誤報であることを指摘しないのか?

考えられることのひとつに上記の毎日新聞の記事で朝鮮人捕虜に関する米尋問調書の発見者とされている浅野豊美早大教授(日本政治外交史)の以下のような弁明があります。その浅野教授の弁明を精査することもなく無批判によしとして毎日新聞は訂正記事を書かないし、GoHooも「誤報」の指摘記事を書かない、ということであれば、メディアの自殺行為に等しい大問題といわなければなりません。

さて、では、毎日新聞も日本報道検証機構も訂正記事、また「誤報」の指摘記事を書かなくとも済むほどに同浅野教授の弁明は正しいといえるものなのか? 検討してみます。同教授の弁明は以下のようなものです。

浅野豊美氏コメント
『この文章のタイトルと基本説明(冒頭の文書)、ソウル大人権センターの方からのクレームに合わせて変えましたが、彼等は答えを見つけては居らず、質問項目だけを見つけていたようです。答えは私が22年前に見つけ、その関連資料としての、朝鮮人捕虜の個別尋問記録が今回見つかったものです。。ビルマの尋問記録と太平洋の尋問記録を、わざと混同させて、ぼかしているように思えますが、もしも、質問の答えの調書まで見つけていたとしたら、極めて恣意的な報道を2015年2月に行ったということになります。』


しかし、上記の浅野氏のコメントには明らかな論理のすりかえがあります。浅野教授から「彼ら」と言われている今回の毎日新聞の「誤報」の指摘者の韓国の聖公会大学の康誠賢研究教授(社会学)は米側尋問に対する朝鮮人捕虜の「答え」の発見の有無を問題にしているのではありません。康教授がここで問題にしているのは、毎日新聞と浅野教授は今年の「3月、さらに米軍の質問と関連の資料を発見した」(毎日新聞、2016年6月10日付)としているが、そこでいわれている「質問」資料は韓国のメディアによってすでに公表されているものであり、それを「発見した」などという報道は事実に反している、というものです。浅野教授は、その康誠賢研究教授の「『質問』資料は韓国のメディアによってすでに公表されている」という指摘を朝鮮人捕虜の「答え」の発見の有無の問題にすりかえています。きわめて不誠実かつ学者としてあるまじき詐術的な態度といわなければなりません。

毎日新聞と日本報道検証機構は浅野教授のこうした詐術的な論法に欺かれることなく、今すぐにでも「誤報」についてきちんとした訂正記事を書き、また、「誤報」を指摘する記事を書くべきです。それがメディアのあるべき自浄作用のありようというべきではありませんか。また、浅野教授には学者としての真摯な反省を求めるものです。

以上、再度指摘しておきます。
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