キョウ せんかくしょとう

Blog「みずき」:高林敏之さんの所論に関連して、同様の問題意識をもって書かれている以下のおふたりの論攷もあわせてご紹介させていただこうと思います。お1人目は浅井基文さんの「尖閣問題に関する志位・共産党委員長発言に対する疑問」と「尖閣問題:志位・共産党委員長の新論点」という論。お2人目は大分憲法会議の岡村正淳さんの憲法会議宛「意見書」の論。ご参考にしていただければ幸いです。それにしてもかつての「極北」としての共産党の理論戦線からの脱落は目に余るものがあるといわなければならないでしょう。

【植民地主義に反対する共産主義政党の主張とは思えない】
6月10日付東京新聞。この
解説にある通り、尖閣諸島の「接続水域」通過については中国「だけ」に抗議しているという点が重要。海洋法条約では領海ですら「沿岸国の平和、秩序又は安全を害しない限り」という条件で、無害通航権が軍艦を含めて認められている。ましてや「接続水域」や「排他的経済水域」はかかる制約の対象ですらない。(海洋法条約:領海における無害通航)*第19条に「沿岸国の平和、秩序又は安全を害するものとされる」行為について12項目にわたり列挙されているが、あくまでも「領海において」かかる活動に従事する場合が対象。(同上:接続水域)*これはあくまでも「自国の領土又は領海内における通関上、財政上、出入国管理上又は衛生上の法令の違反」を防止・処罰できる水域の規定であり、簡単に言えばかかる法令違反に対する追跡権を認めるものでしかない。接続水域が主権の及ぶ対象であるわけではない(同上:第2条に主権の及ぶ範囲についての定め)。したがって国際法的には、中国の艦船が「接続水域」を航行したからといって「すわ主権侵害!!」と大騒ぎする話ではなく、抗議するような話でもない。それは政府も分かっているわけだ。この記事も最終的には「中国が尖閣諸島の領有権を主張していること」をもって抗議を合理化しているわけだが、いずれにしても「接続水域」は「接続水域」でしかない。海洋法条約に違反する行為が働かれたわけでもないのに、わざわざ世論アピール的に抗議し反中世論を煽動するのはおかしい。「領海」に入ってこないよう通常通りに監視していればいいだけだ。毎度ながら煽り立てるメディアはともかく、共産党までが委員長以下、一緒になって大騒ぎしている始末…。「戦争法」もとい安保法制に反対するのなら、領土ナショナリズムや反中煽動に安易に乗っかってはダメでしょう。

【補足】

志位和夫・共産党委員長のツイート。「接続水域」でこんな談話を出すのも何だと思うが、そもそも沖縄自体が日本に独立を奪われ武力併合された国であるのに、その沖縄県に編入した尖閣を「歴史的にも国際法上もわが国の領土」と言い切れるところが、およそ植民地主義に反対する共産主義政党の主張とは思えない。まあ「我が党は中国にも《北朝鮮》にもモノを言えるぞ」アピールにいそしんだところで、レスに連なっているような反応を煽るのがオチなのだが・・・。(高林敏之フェイスブック 2016年6月10日

【山中人間話】



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