キョウ おばま7  

Blog「みずき」:ここにあるのは辺見庸の当代のマス・メディアと当代の世間、世俗というもの、当代のニッポン人に対しての怒りです。ここに見る辺見のサブカルチャー的言辞はもちろん怒りの表現としてのそれです。カルチャー(マス・メディアと世相の言葉)の激しい劣化に対してはサブカル(下位)の言葉で対応するに如くはない。尋常の言葉では応答不可能ということもあるでしょう。そうした趣の怒りの表現ということではないでしょうか。


【現実はむしろ悪夢に似ていたかもしれない】
一昨日のブログ安岡章太郎文章を引用した。(略)むしろこの文章の前後に、うっと息をのむようなことが書いてある。前:「しかし、現実はむしろ悪夢に似ていたかもしれない」。後:「大学予科二年修了で入営した僕は、いつの間にか学部に編入されており、三田の大学構内には、階級章を引き剥がした陸海軍の軍服に学帽をかぶった連中や作業衣、ジャンパーなど、思いおもいの恰好をした者たちがむれ集まって、アメリカ兵が銃をかまえて立っている校舎のまわりをウロウロしていた」「現実はむしろ悪夢に似ていたかもしれない」とは、ノッチハナクソのヒロシマ訪問にさいしてのわたしの感想でもあった。嘔気。(略)だが、オバマを迎えた被爆者代表たちは、悪夢どころか、「平和の使者」と出会ったかのように、手ばなしで感激している。いったいどうしてヌッポンはこうなるのか。「あの事件はすでに歴史の一コマであり不幸な一コマであった。アメリカではなく、人類の過ちであった。未来に向かって頑張りましょう。・・・・・・未来志向で、核兵器のない世界を作り上げましょう」と被爆者代表が語りかけると、ノッチは笑顔で同意するように応じ、ふたりで何度も握手をしたのだという。原爆投下が米国ではなく「人類の過ち」? なんという恥ずかしい台本・記事だろう!もうひとりはオバマと対面すると涙ぐみ、抱きよせられるや感きわまった表情。そのときのことは「舞い上がっちゃって覚えてない」という。

これはなんなのか。
ジョン・ダワーの記述をおもう。というか、ダワーによって描かれたヌッポンジンの挙措をおもう。「さらに厄介だったのは、日本人の占領軍への対応の仕方が例を見ないほど無邪気で、親切で、浅薄だったことである。たとえば原爆が投下された長崎においてさえ、住民は最初に到着したアメリカ人たちに贈り物を準備し、彼らを歓迎したのである(略)。またすぐ後にも住民たちは、駐留するアメリカ占領軍人とともに「ミス原爆美人コンテスト」を開催したのである」(『増補版 敗北を抱きしめて』上305頁)無邪気で親切で浅薄・・・・・・。2016年5月のヒロシマにおけるひとびとの身ぶりとヌッポンの報道ぶりも、まことにそうであった。「たしかに多くの日本人がほとんど一夜のうちに、あたふたとアメリカ人を礼賛するようになり、「平和」と「民主主義」の使徒となったかのような有様をみると、そこには笑うべきこと嘆くべきことが山のようにあった」(同)。笑うべきこと嘆くべきこと、それに、吐き気をもよおすべきこと・・・。今日の人間を支配しているコンフォーミズムの過程が、言語に絶する規模で人間を畸形にしている・・・とおもう。極東の弧状列島には、無邪気で親切で浅薄で傲慢で卑屈で鈍感で、セーシンが畸形なドジンがうようよと棲息することくらい、とうのむかしから知っている。ゴミ、クズ、カス、ヘドのような者どもが政治を左右し、唐変木と志ひとつないマヌケとフヌケどもがマスコミ報道をしきっている。もう一発ピカドンを落とされても、それは変わるまい。いや、さらに2発落とされてさえ、生きのこったドジンたちはみんなで幸せそうに「花は咲く」をうたうだろうさ。(略)

最後にひとつだけ、
塩野七生のハナクソ礼賛を大々的につたえた朝日の反動報道を笑おう。――オバマ大統領が被爆地・広島を訪問することを知ったとき、まず、どう感じましたか。「知ったのは、ローマの自宅でテレビを見ていた時です。画面の下を流れるテロップでのニュースだったけれど、それを目にしたとたんに、久方ぶりに日本外交にとってのうれしいニュースだと思いました」「特に、日本側が『謝罪を求めない』といっているのが、大変に良い」 ――どうしてですか。「謝罪を求めず、無言で静かに迎える方が、謝罪を声高に求めるよりも、断じて品位の高さを強印象づけることになるのです」「『求めない』と決めたのは首相でしょうが、リーダーの必要条件には、部下の進言も良しと思えばいれるという能力がある。誰かが進言したのだと思います。その誰かに、次に帰国した時に会ってみたいとさえ思う。だって、『逆転の発想』などという悪賢い人にしかできない考え方をする人間が日本にもいた、というだけでもうれしいではないですか」バカか。そうか、「七生報国」とはあんたのことかい。七生(しちしょう)さん、ご帰国のさいには、あの男のケツの穴でもお舐めになってはいかが。ドジンマスコミが写真入りで、でかでかと紹介するだろうよ。(辺見庸「日録」2016/05/31
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