キョウ ムヒカ2

Blog「みずき」:ムヒカ前ウルグアイ大統領の来日とムヒカ・フィーバーとでもいうべき現象を見ていると私たちの国では「清貧」という言葉がまだたしかに生きていることを再確認することができました。「清貧」というものへの人々の尊敬の思い。その思いがまだ見失われていないところにこの国の将来への希望を見出すことができます。ムヒカさん、ありがとう。この国のありようにほとんど絶望しかかっていた私の心にもほんのりと小さな灯りがともりました。人は独りでは生きていけない、のですね。そのことにも改めて気づかされました。

【人は独りでは生きていけない】
60~70年代、ムヒカ氏は平等な社会を夢みて都市ゲリラのメンバーとなり、武装闘争に加わった。投獄4回、脱獄2回。銃撃戦で6発撃たれて重傷を負ったこともある。軍の独房暮らしも10年。本さえ読ませてもらえない時期もあったが夜、マットが1枚あるだけで満ち足りることができた。孤独でなにもない中でも、抵抗し続け、生き延びることができたのは。「人はより良い世界をつくることができる」という希望があったから。そして、孤独を嘗め尽くしたからこそ「人は独りでは生きていけない。家族や親しい人と過ごす時間こそが、生きるということ。孤独は人生で最大の懲罰」と悟った。ムヒカ氏の「簡素に生きる尊さ」「国を信じすぎるな」「ファナシチズム(熱狂)は危ない」という教えは、筋金入りだ。ムヒカ氏は、いま日本でおきていることの中に世界の「これから」を占う手がかりがある、と考えている。そして問いかける。「日本は、経済も技術も大きな発展をとげた働き者の国だ。結局、皆さんは幸せになれたのですか?」 (色平哲郎フェイスブック 2016年4月14日

【「清貧」であるということの意味】
2012年、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された国連の「持続可能な開発会議」で、”もっとも衝撃的なスピーチ”と呼ばれる演説をしたウルグアイの第40代大統領ホセ・ムヒカの人となりを描いた書である。大統領の住まいは、水道の通っていない「倒れそうな農場」で、いつもラフな服装。給料の8割を慈善事業と所属する政党に寄付し、残りは将来、自分の農園に貧しい子供たちを受け入れる農業学校をつくるための貯金に充て、妻の収入で生活している。生活費は月に1000ドル程度。世界で最も質素な大統領といっていいだろう。「私は貧乏ではない。質素なだけです」「貧乏とは、欲が強すぎて満足できない人のことです」とムヒカは主張する。「少ししか物を持っていなければ、その物を守るための時間も少しで済みます」。贅沢な生活は無駄な時間をとられ、煩わしさも伴ってくる。物欲を満たすために長時間働くことは、ムヒカに言わせれば、”不自由”ということになる。「自分の時間を、好きなことに使っているときが、本当に自由なときなのです。時間であふれることこそ、自由なのです」「物を持つことで人生を複雑にするより、私には、好きなことができる自由な時間のほうが大切です」。またムヒカは、寄付することを「私にとって、それは義務です」と言っている。「余裕のある者は弱者を助ける義務がある」「人生はもらうだけでは駄目なのです。まずは自分の何かをあげること」。

ムヒカが生まれた頃、ウルグアイは豊かだったが、青年期に経済が悪化。増える失業者、広がる所得格差、繰り返されるストライキ、深刻な不況が招いた社会不安のなか、ムヒカは革命グループに入り、「格差のない社会と自由を夢見て」革命運動にのめり込み、37歳のときに逮捕され、約13年間獄中で過ごす。獄中での生活は孤独との闘いで、約7年間、本に触れることができず、発狂寸前だったという。読書ができるようになってようやく精神のコントロールができるようになり、どんな小さなことにも有難みを持つようになったという。ムヒカの人生哲学は、この時代に形成されたものなのだ。大麻(マリファナ)の所持・使用・栽培を合法化したり、カトリック教会の影響が強い中南米諸国での中絶合法化など、先駆的な改革は批判も多い。失言や雑言に事欠かないムヒカを批判する声は当然ある。しかし、ムヒカは言う。「政治というのは、ある人には有利でも別の人には不利になる、という選択肢を選ばなくてはなりません。中立でいられず、どちらを助けるかを決断しなくてはならないのが、政治です」「私は自身の信念を持って政治運営します。たとえ正しいことであろうと、間違いであろうと。批判したければ、すればいい。それが自由ということだから。私の人生はつねに批判を受け続けてきました」。2015年3月1日、ムヒカは任期満了で大統領を退任。一国会議員となる。その日、大統領府の建物から出てきたムヒカを、待ち受けていた大勢の国民が取り囲んだという。世界で最も慕われていた大統領といっていいだろう。(
色平哲郎フェイスブック 2016年4月14日

【山中人間話】 

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