キョウ ていこくのいあんふ
抗議声明を読み上げる上野千鶴子さん(社会学者。左から2人目)ら

【『帝国の慰安婦』の登場と日本の言論界における礼賛現象の意味】
今月末に拙著『忘却のための「和解」 『帝国の慰安婦』と日本の責任』が世織書房より刊行されます。この一年半にわたりブログや論文で書いてきた『帝国の慰安婦』批判の論考を大幅に加筆・修正したものですが、半分以上は新たに書き下ろしました。この本では、『帝国の慰安婦』と礼賛論の主張をそれぞれ検証し、本書には日本軍「慰安婦」制度についての日本軍の責任の矮小化、被害者たちの「声」の恣意的な利用、日本の「戦後補償」への誤った根拠に基づく高い評価などの致命的な問題があることを指摘しました(詳しくは末尾に目次を添付しますので参照してください)。著者の朴裕河氏や擁護者たちは『帝国の慰安婦』への批判はいずれも誤読によるものであると反論していますが、こうした主張こそが本書を「誤読」しており、被害者たちの怒りには相応の根拠があるというのが私の結論です。

むしろ問われねばならないのは、これほどまでに問題の多い本書を「良心的」な本としてもてはやした、日本の言論界の知的頽廃です。なぜほとんどの日本のメディアは、日本軍「慰安婦」問題に関する日韓外相「合意」を歓迎し、違和感を示すことすらせず、むしろ嬉々として少女像の「撤去」を韓国政府に求めるのか。その思想的な背景を探るためにも、『帝国の慰安婦』の登場と日本の言論界における礼賛現象の意味を考えることは重要であると私は考えます。この本が、『帝国の慰安婦』がもたらした混乱と安易な「和解」論をただし、日本軍「慰安婦」問題のまっとうな解決とは何かを考える一助となれば幸いです。ぜひ手にとってお読みください。(
鄭栄桓ブログ 2016-03-15
【山中人間話】

いよいよ『帝国の慰安婦』事態批判の決定版といえる、鄭栄桓著『忘却のための「和解」〜『帝国の慰安婦』と日本の責任』(世織書房、2016年)が出版されます。3/19日韓「合意」問題シンポジウムにて販売開始!

Yuka Okamotoさんの投稿 2016年3月15日
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