キョウ さんだーす11

【ヒラリーのリードでサンダース旋風なるものは陳腐化するのか】
スーパーチューズデーヒラリーがリードを広げた場合、サンダース旋風なるものは陳腐化するのか。選挙が勝敗だけを決めるものであるならばそうだろう。しかし、(略)アメリカでは政党の公認候補を政党幹部で決めず、予備選で有権者が決めるというオープンな制度を採用している。勝敗だけが目的ではなく、長期間のキャンペーンを通して、候補者や支持者が党内とメディアで議論を喚起し、党の方向性を形成していく。ときには政党支持者の入れ替えという「政党再編成」にまでつながる。(略)
誤解を恐れずに言えば、サンダースを支持する活動家達の真の狙いは、サンダースを大統領にさせること自体にはない。それは不戦勝的な展開でもない限り「ロングショット」(高望み)であることは、民主党内のリベラル派であってもオフレコ前提ならほとんどが認める。「政治革命」運動の狙いは、大統領選挙を通してリベラル派の支持基盤を活性化して、党内の主流政策を左に引き寄せることだ。本選でさりげなく中道に戻る際のエクスキューズが見当たらなくなるほどに、政策転換の言質を取ることである。(略)

いずれにせよ、サンダースが指名を取る可能性が高くはない中、焦点はサンダースの「粘り方」、ヒラリーの「勝ち方」になる。サンダースが代議員数の多い州で、比例配分でどれだけ代議員を獲得できるかだ。ヒラリーは特別代議員を上乗せすれば、容易に勝利できるが、理想論としては特別代議員の積み増しなしでサンダースに圧勝しておきたい。「特別代議員はワシントンのエスタブリッシュメントであり、草の根の民意ではない」という声が高まれば、サンダース支持者を本選で囲えなくなる。つまり、スーパーチューズデー以降は、ヒラリーにとって、勝敗のみならず、民主党候補としての「正統」の説得性を高める戦いになる。

サンダースは指名が取れなくても、代議員数で相当程度の善戦をすれば、「ヒラリー独走へのノーの意思表示がこれだけ党内にあったのだ」と言えるわけで、ヒラリー陣営も本選に向けた中道回帰を乱暴には進められなくなる。2人しか候補者がいない民主党予備選で、表面的な勝敗をウォッチしてもあまり意味がないとも言えるが、「粘り方」「勝ち方」が定義する民主党内の空気は、TPPの連邦議会批准を始めとした諸政策の動向に影響を与えることが予想され、注視しておくべきだろう。(
渡辺将人「現代ビジネス」2016年03月02日

【山中人間話】 

関連記事
Secret

TrackBackURL
→http://mizukith.blog91.fc2.com/tb.php/1809-3a1f527a