キョウ とらんぷ

米国の政治はいまどこに向かおうとしているのか? 
バーニー・サンダースの「信じられないほどの成功」と「大統領選でトランプ氏がリードする米国の病理」についてそれぞれ指摘している2本の記事の対比においてそのことを考えてみたいと思います。また、そのこととも関連して、冒頭に最近バーニー・サンダースの躍進に着目した記事を連日のように発信している保立道久さん(東大史料編纂所名誉教授)が新9条論者松竹伸幸氏(元共産党参院議員候補者)の日米安保条約容認論を無批判にリツイートしている問題について私の批判コメントも掲載しておきます。


Blog「みずき」:保立さん。『編集長の冒険』ブログの記事を好意的にツイートしていますが賛成できません。同ブログの筆者である松竹伸幸氏(元共産党参院議員候補者)が上記記事でいう「現存するものの合理性」とは、現在の日米安保を「現存するもの」として肯定した上で同日米安保を日本の国際的、国内的な政治状況に即して「合理」的に運用しようというものです。すなわち、日本を再び軍国主義化しようとしている安倍政権と同様の日米安保容認論でしかありません。松竹氏は新9条論者のひとりでもありますが、新9条論の本質はこれもまた安倍政権と同様の明文改憲論でしかありません。保立さん、あなたまでこのような人たちと連携しようとしているのですか? いま、私は、あなたの思想を見直さなければならないと考えています。下記のような翁長氏批判もあります。ご参照ください。

★「イデオロギーよりもアイデンティティを」路線にすがりつく「革新」は、天皇制讃美イデオロギーとも闘わないということか。 もてはやされ続ける「学者」小林節の「日本の天皇家は,万世一系,つまり初代の神武天皇から天皇家に生まれた男の直系として...

Posted by 都藤 邦 on 2016年2月25日

さて、1本目の記事はフランスのルモンド紙(2016年2月14日付)に掲載されたトマ・ピケティのコラム。

【サンダースは新時代を開くか】
米国大統領選の候補者指名争いで、「社会主義者」
バーニー・サンダース氏が信じられないほどの成功を収めている。私たちはどう解釈するべきなのだろうか。バーモント州選出の上院議員サンダース氏は、いまや50歳以下の民主党支持層ではヒラリー・クリントン氏をリードしている。それでも、彼女が全体で優勢を保てるのは、ひとえに50歳以上の支持層のおかげだ。「クリントン・マシン」と呼ばれる支持者や保守的な主要メディアに、サンダース氏の勝利は阻まれてしまうかもしれない。だが近い将来、彼のような、でももっと若く、白人でもない候補者が大統領選で勝ち、国の「顔」をすっかり変えてしまう可能性があることが証明された。1980年の大統領選でのロナルド・レーガン氏(元大統領)の勝利で始まった政治イデオロギーが、様々な局面で終わりを迎えている。私たちはその終焉に立ち会っているのだ。(略)

現在のサンダース氏の成功から分かるのは、米国のかなりの数の人たちが、不平等の増大と見せかけの政権交代とにうんざりし、革新的な政策で平等を目指す米国の伝統と和解しようとしているということだ。クリントン氏は、08年の大統領選の候補者争いでは、特に健康保険制度についてオバマ大統領よりも左翼的な政策を掲げて戦ったが、今日ではレーガン=クリントン=オバマの政治体制を継承する、現状維持派に見えるのだ。サンダース氏は、高い累進性を持つ税と時給15ドルという高い最低賃金を復活させると提案している。さらに、国民皆保険と公立大学の無償化も唱えている。現在、教育を受ける権利には極端な不平等が生じているからだ。この現実と、「能力主義」という現体制の勝ち組が使う論法との間には、明らかに大きな亀裂が走っている

一方の共和党は、極端なナショナリズム、反移民、反イスラム教の論調に傾斜し、際限なく白人富裕層を賛美している。レーガン氏とブッシュ氏に任命された判事たちが、政治献金の影響力を制限する法的規制をすべて取り払ってしまったため、特にサンダース氏のような候補が大統領選で戦うのは難しい。だが、新しい動員のスタイルと参加型の資金調達によって勝利することで、政治を新しい時代へと向かわせるかもしれない。私たちはいま、歴史の終わりにまつわる陰鬱な予言とは、かけ離れたところにいるのだ。(仏
ルモンド紙「ピケティコラム」、2016年2月14日付、抄訳)(朝日新聞 2016年2月24日

2本目の記事は沖縄タイムス(2016年2月23日付)に掲載された平安名純代・米国特約記者の記事。

【大統領選でトランプ氏がリードする米国の病理】
メキシコ系移民はレイプ犯だ」など数々の暴言を繰り返す米大統領選挙の共和党候補者
ドナルド・トランプ氏の人気が衰えない。トランプ氏は、争点の一つである移民政策について、前述の過激な発言で米とメキシコの国境に壁を築けと訴えたと思いきや、米国内外で起きた一連のテロをめぐっては「イスラム教徒は入国禁止にせよ」と主張し、極端な反移民や反テロを唱えている。このイスラム発言の直後に通信社ブルームバーグが実施した世論調査では、共和党支持者の65%が発言に賛成、反対はわずか22%という結果が出た。複数の米メディアが実施した世論調査の数字をたどると、同氏の主な支持層は保守派で白人の低所得者層で、移民や多人種が彼らの経済的苦境を招いたと考え、社会の変化を不安に思う姿が浮かびあがってくる

同氏の人気を押し上げたのは、過激な発言だけではない。トランプ氏が所属する共和党は、2014年の中間選挙で主導権を握ったものの、約束した医療保険制度改革(オバマケア)撤回を実現できず、低所得者層向けの経済対策もまとめられないなど指導力の欠如と責任統治能力の低下を露呈し、支持者の信頼を失った。オバマ政権を非難するトランプ氏もまた経済格差問題を解決する具体策を示しているわけではないが、不安と恐怖をあおり、差別を助長する発言で支持者の本音を代弁する人気に陰りは見えてこない。

「いつの時代も将来への恐怖を語る人々がいた。変化にブレーキをかけ、米国を脅かす思考や組織を抑え込めば過去の栄光を取り戻せると彼らは主張する」先月12日、オバマ大統領は任期最後の一般教書演説でこう訴えた。オバマ氏は変革(チェンジ)を訴え当選したが、あれから約8年が経過したアメリカでは、皮肉にもチェンジを拒み、連帯よりも分断を好む層が広がっている。全米各地で選挙が盛り上がるかたわら、病めるアメリカの行方を照らす道標はまだまだみえてこない。(平安名純代・米国特約記者)(
沖縄タイムス 2016年2月23日
 
【山中人間話】

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