キョウ われさ
映画「ワレサ 連帯の男」から

Blog「みずき」:ここで重要なのは社会主義という制度自体の「原罪」性(「社会主義」という国家制度の良否)の問題ではありません。あるのは社会主義国家が全体主義国家へと要遷移するプロバビリティの問題です。歴史的事実はその遷移の度合いは高確率であったことを示しています。そして、そうした問題が1990年代のドミノ倒しのロシア型社会主義の崩壊の問題にもつながっていきました。現在の日本の共産党の右傾化は「民主集中制」というソ連の崩壊に到ったかつてのレーニン型ドグマ(党内制度)を清算しえないままの右傾化であるところが問題です。その意味ではいっそう危険な右傾化といってよいものです。そうした意味でも警鐘を鳴らさざるをえません。


【ワレサ「スパイ」説を疑う】
私が
ポーランドにいた時に何度か聞いた話です。ノメンクラツーラと呼ばれた支配階級だった共産主義者が、民衆反乱を押さえつけるために、ソ連の内務人民委員部・NKVDから学び、どれほど民衆を弾圧し、殺戮し、スパイや密告者を作り出し、フレームアップや拷問や脅迫を繰り返したか、本当に酷いものです。ナチのゲシュタポは、ソ連のNKVDを模範とした位です。1917年にレーニンが設立したチェーカーがNKVDとなり、後にKGBと改編されました。アンジェイ・ワイダ監督の三部作『 大理石の男』『鉄の男』『ワレサ 連帯の男』を観れば、共産党の秘密警察の残忍で非人間的 な手口が良く描かれています。
ヴァレンサがスパイだったかどうかというよりは、ヴァレンサのような人だったからこそ、死後英雄に祭り上げられたヤルゼルスキの戒厳令時代まで続いた、 執拗な脅迫と懐柔が交互に繰り返され、精神的にも追い詰められていたことを考える必要があると思います。 権力から金銭を与えられていたなどという証文など、いくらでも共産党ならでっち上げました。

しかし
このニュースを見て思うのは、全体主義国家としての現実 に存在した共産主義体制下で、ヴァレンサがスパイだったかという報道を見て、日本ではやっぱりスパイだったのかと決めつけてしまう人も多いのだろうなということです。私は共産党支配から解放されてまだ十年も経っていない頃のポーランドを往還しました。共産党支配がどんな非人間的なものであるか、多少でしかありませんが、それなりに理解出来るつもりです。ポーランド同様に、東ドイツの共産党支配下で、どれほど民衆が監視され密告が奨励されていたかは『善き人のためのソナタ』をご覧になると良いですよ。

ヴァレンサが国家権力のスパイだったとおっしゃるなら、現に今の日本で、国立大学の教授が国家から給与を振り込まれていたり、あなたが大学の教員が国庫から助成金や研究費をせしめていることも、大企業に勤めて中国やアジア各国で低賃金で若年労働者を働かせて搾取していることも、後世の人からに国家権力のスパイだったと言われかねないですね。

共産党支配下の東ドイツでは、5人に1人がスパイだったなどという、いかにも日本人好みの言説には、どれほど共産党支配下で民衆が愚弄され、奴隷以下の存在として抑圧されていたか、全く他人事のように、自分の日常は全然問われないで、暖かい暖房が効いた大学の教室や書斎で語れる残酷さしか感じられません。そんなあなたが、後世の人から、安倍政権下で国家や軍需に沸いた企業から金銭を授与されていたスパイだったと言われたらどうします?(
内海信彦 2016年2月19日

【山中人間話】

 私がポーランドにいた時に何度か聞いた話です。ノメンクラツーラと呼ばれた支配階級だった共産主義者が、民衆反乱を押さえつけるために、ソ連の内務人民委員部・NKVDから学び、どれほど民衆を弾圧し、殺戮し、スパイや密告者を作り出し、フレームアップ...

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内海 信彦  on 2016年2月18日
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