キョウ てんあんもん

Blog「みずき」:日本人の対中認識・感情の問題は、日本人の天皇認識・感情の問題にそのままクロスしているように私には見えます。日本の「革新」勢力(共産党)が天皇制という「民主主義=主権在民」の理念と思想に真逆する制度に対する批判を弱めていったのもほぼこの時期と重なります。すなわち、この時期は、保守主導の日本社会の「右傾化」の流れに共産党が主体性を失って呑み込まれていった時期とほぼ重なるということです。また、両者とも「情緒」を主役にしているという点でも相似形です。ポピュリズムというのはこういう「情緒」の流動性のさまをいうのでしょう。

【日本人の対中認識・感情と国際的なそれとの大きなズレ】
私は前々から、多くの日本人の対中認識・感情は国際的な対中認識・感情との間に大きなズレがあると感じていました。そういう私の感じを裏付け、あるいは否定するデータはないものかと注意してきたのですが、最近ようやくそういうデータを見つけることができました。それは、(略)
ハーバード大学ケネディ・スクールのASHセンターが、世界主要10ヵ国の指導者、すなわち安保理常任理事国でもある5大国(アメリカのオバマ、中国の習近平、ロシアのプーチン、イギリスのキャメロン、フランスのオランド)、及び独日(メルケル及び安倍晋三)、中露とともにBRICSを構成する3ヵ国(ブラジルのルセフ、インドのモディ、南アフリカのズマ)の指導者の内政、外交及び経済政策に対する評価を世界30ヵ国で世論調査した結果を集計したデータです。(略)

以上から確実に言えることは、日本人の対中認識・感情は国際的スタンダードからかけ離れているということです。内閣府が行った2014年の世論調査では、中国に対して親しみを感じる人は14.8%(親しみを感じない人が83.1%)であり、1978年以来の最低を記録しています。実に5人に4人以上の人が中国に対して親しみを感じていないということです。

天安門事件が起きた1989年までは、中国に親しみを感じる人が70%台で推移していました。この数字は、2000年代までの対米感情とほぼ匹敵するものでした。それが、1989年
天安門事件2003年から行われた小泉首相の靖国参拝による日中関係の悪化、さらに2010年に起きた尖閣問題という3つの事件を契機として、日本人の対中感情は大きく落ち込み、1980年の78.6%というピーク時と比較すると、2014年はなんと64%近く下がっています。以上に紹介した習近平に対する日本人の評価の低さは、このような対中感情をモロに反映しているのです。しかし、好き嫌いが内外政における中国のパフォーマンスに対する評価度を国際スタンダードからかけ離れさせているということは、私たち日本人として深く反省する必要があるというのが私の結論です。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」というのでは、国際関係を主体的かつ責任感を持って担う資格があるとは言えないと思います。(浅井基文のページ 2016.02.12

【山中人間話】

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