キョウ さんだーす7

昨日9日に投開票された米大統領選ニューハンプシャー州予備選は米CNNの独自集計では民主党では開票率79%の時点でサンダースの得票率60%、クリントン前国務長官同39%。アメリカABCテレビの集計では集計率32%の時点で民主党ではサンダース同58.8%、クリントン同39.3%となっているようです。

どちらの報道でも約20%の得票率の大差をつけてサンダースの勝利が確実となっています。この票差はさらに開く可能性があります。

ニューハンプシャー州 サンダース氏とトランプ氏 勝利確実 NHK 2016年2月10日
共和はトランプ氏、民主サンダース氏 米大統領選予備選 朝日新聞 2016年2月10日
民主はサンダース氏が圧勝、若者の支持追い風 NH州予備選 WSJ 2016年2月10日 

保立道久さん(東京大学史料編纂所名誉教授)によれば、サンダースは2月9日のツイートで「ニューハンプシャーで大差で勝てば大統領選の勝利の可能性がある」といっているようですが、サンダースのニューハンプシャーでの大差の勝利はほぼ確実になってきているようです。

そのサンダースとは何者か。

保立道久さんによれば、「サンダースは1960年代のアメリカ学生運動の中心であったSNCC(学生非暴力委員会。Student Nonviolent Coordinating Committee)の活動家で」 「アメリカの国人差別に抗議する公民権運動をにない、そしてベトナム戦争反対の運動を担った」。また、「マーチン・ルーサー・キングの指導した、1963年のワシントン大行進に参加して」います。

さらに「サンダースは、1981年には、39歳で、ヴァーモントでもっとも大きく影響力のあるバーリングトンの市長となった。おもな支持者はヴァーモント大学などの教授連、社会福祉関係者と警官の組合で、民主党と共和党の候補をやぶって市長としてあわせて4回8年の任期をまっとうした。その段階から『社会主義者』を自称し、アメリカの南アメリカ政策に対して正面から批判的な立場をとり、シティーホールでノーム・チョムスキーを呼んで講演を組織するなど、その立場は一貫していたが、有能な市長として評価は高かった」。

「1990年ヴァーモントの下院議員に民主党にも共和党にも属さないインディペンデントの立場で当選し、そののち16年間、一回を除いて圧倒的な勝利で下院議員を勤め続けた。これは独立無所属の下院議員としては40年ぶりのことであったという。その立場を20年近く維持していることになる。そして2006年に、その立場のまま上院議員に立候補し、圧倒的な勝利をおさめた。民主党に属さず、しかし、民主党のリベラルグループと会派を作り、その委員長として、イラク戦争に反対し、市民権利制限法に反対し、リベラル勢力の中枢にいた」ということです。
 
さらにまた、サンダースがかつて自ら主催する講演会に講師として呼んだこともあるというノーム・チョムスキーやラルフ・ネーダーといったアメリカの代表的な左派知識人もサンダースの今回の予備選出馬について支持を表明しているようです。
 
上記は保立道久さんと田中純子さんの情報によっていますが、詳しくは下記をご参照ください。
 
・バーニー・サンダースは極端な政治家ではない。 保立道久の研究雑記 2016年2月10日
 
・田中純子
 
なお、上記の情報のうち田中純子さんのサンダースの「イスラエル擁護発言」をはじめとする中東政策というネガティブ・ポイントの指摘は、サンダースがさらに有名になり、有力な大統領候補としてスターダムに躍り出れば出るほど噴き出してくるであろうサンダースを「英雄視」「神聖視」するポピュリズム思想の暗愚に陥らないためにも重要な指摘であろうと私は思います。

すでに保立道久さんという知識人をしてサンダースを「神聖視」するかのような下記のようなツイートも見られます。
 

下記に「今日の言葉」としてまとめていますのでご参照ください。

今日の言葉 ――アメリカが本当に画期的に変わるには中東の騒乱の源になっているパレスチナはじめ対外政策の変化が不可欠です。しかし、残念ながらサンダースの言動からはその可能性を感じられないのです。
 
もう一点。さらにいまのアメリカという国の政治的、社会的、文化的情況の総体としての流れを理解するためには「サンダース現象」に注目するだけでなく、以下のような視点も欠かすことはできないでしょう。アメリカ社会の深層と底流を理解するのは一筋縄ではいかないようです。
 

アメリカもこういう時代になった。

Posted by 金平 茂紀 on 2016年2月9日
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