キョウ みさいる2  
Blog「みずき」:私は、「北朝鮮は独裁国家であり、民主化しなければならない」という現在の「主流左翼」の持つ認識とかつての(思想の核としてはいまも残存する)欧米の「植民地主義・帝国主義」思想とを同列視するディストピア主宰者の認識には賛成しません。が、同主宰者の北朝鮮の人工衛星を「事実上のミサイル」とする安倍政権の反北政策の尻馬に乗って同様のプロパガンダを垂れ流す体のメディア及び「知識人」批判は正鵠を射た批判であろうと思います。さて、その主宰者が「知識人」批判の一例としてあげている白井聡氏は保守の「明文改憲」論と変わりのない9条改憲論を提起する「新9条論」論者の思想と近いところに位置し、その思想の危うさについては私も割に早い段階から何本か記事にして批判しています。ご参照ください。

【メディアと「知識人」のあまりにも日本的な「事実上のミサイル」という表現】
日本では北朝鮮の人工衛星打ち上げを「事実上のミサイル」と記述するが、海外のニュースサイトではどう表現されているかと調べてみると面白いことがわかった。(略)海外の記事(注:1例)には、「事実上のミサイル」という表現が見当たらないのである。(略)歴史改竄や軍拡に奔走する日本政府が強硬姿勢を取るのは自然であり、また必然な反応だが、それに同調して政府と共に危機を叫ぶNHKや朝日、他メディアは何なのだろうか?(略)しかしながら、新聞社やテレビ局よりも深刻なのは、この国の知識人だろう。(略)
白井聡氏の『永続敗戦論』などを読むと、日本の主流左翼は、北朝鮮がどれほど欧米が主導する国際政治の場において理不尽な仕打ちを受けているのかを知っていながら、それでもなお北朝鮮を敵視しようとしているのではないかと思えてくるのである。(略)北朝鮮の脅威というものは集団的自衛権の容認をはじめとした軍拡や植民地支配に関する歴史改竄、朝鮮民族に対する蔑視を正当化させる最大の口実だと言える。少なくとも朝鮮学校については北朝鮮のスパイ養成機関という偏見により無償教育の対象から外されているのは確かである。こういった事態に対して北朝鮮との無関係性を強調することで在日コリアンを救おうとしているのが今日(といっても、20年以上前からだが)の主流左翼だ(反共左翼と私は呼んでいる)。そこには北朝鮮は独裁国家であり、民主化しなければならないという意識が見え隠れする。欧米は今から100~200年前の19世紀~20世紀半ばにおいて「文明化」、つまり野蛮な国家を導き、文明国家へと変えさせなければいけないという理屈の下、アフリカや南米、アジアの弱国を次々と植民地化・保護国化していった。「文明化」が「民主化」に変わっただけで、やってることは同じなのだが、日本の主流左翼はこういう継続する植民地主義・帝国主義について、徹底的に戦おうとするどころか、アラブの春や北朝鮮、シリアに対する攻撃を称賛している。(略)

私は、民主主義というイデオロギーは絶対の武器ではなく、逆に民主主義を尊重することで、かえって差別が助長されたり看過されたりもすることを念頭に置きながら研究をしているが、歴史的に見れば、民主主義を尊重してフランス革命や独立革命を行ったであろう米仏のほうが中東やアジアに対して相当ドギツイことをしていることがあまり指摘されないことに不満を抱いている。(特に現代史、現代政治に関連する言説において)このような世界観や歴史観の克服ができない限り、いつまで経っても日本の主流左翼は北朝鮮の人工衛星を政府と一緒になって事実上のミサイルだと騒いでいるのではないだろうか?『永続敗戦論』について言えば、左翼が書いて左翼が絶賛したという大きな目で見れば左翼の自己満足の領域を出ない本である。こういうレベルから論壇が上昇しない限り、あるいは出版物や放送に露出する権利を持つ左翼が変身しない限り、現状は大きく変わらないだろうし、ズルズルと軍拡、改憲に向かっていくのではないだろうか?そう思えてならない。(
時事解説「ディストピア」 2016-02-03

【山中人間話】

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