キョウ リトビネンコ
アレクサンドル・リトビネンコ
2002年5月に英ロンドンで撮影=AP


【ロシア政権の根っこには深い闇の世界がある】

リトビネンコ暗殺は、ロシア諜報機関がロンドンまで工作員を送って邪魔になる人物を抹殺した恐ろしい事件だが、英国の調査委員会がプーチンの関与を事実上認めた。《英国内務省の公開調査委員会は21日、2006年にロンドンで起きたロシア連邦保安庁(FSB)の元スパイ、リトビネンコ氏の暗殺事件について「プーチン大統領がおそらく承認した」とする調査結果を発表した。プーチン政権を批判し、英国に亡命していた同氏は放射性物質「ポロニウム」により毒殺された。容疑者であるルゴボイ氏は事件後、ロシア下院議員に選出されている。ロシア外務省は同日「事件は政治的に利用されている」と調査を批判した。》(日経新聞
調査結果の該当部分の原文はこうだ。The FSB operation to kill Mr Litvinenko was probably approved by Mr Patrushev and also by President Putin.「リトビネンコ氏を殺害するFSB=ロシア連邦保安庁の作戦は、おそらくパトルシェフ氏(当時のFBS長官)およびプーチン大統領によって承認されたものである」。腐っても鯛。さすが英国だ。民主主義の定義はいろいろ議論されるが、こういうところにそれを感じる。

私は、この暗殺事件をジャーナリストの
常岡浩介さんの協力を得て取材したことがある。常岡さんは戦場ジャーナリストのイメージがあるが、実はリトビネンコ氏を生前長時間インタビューした日本人ジャーナリストは彼しかいない。常岡さんとロンドンで取材し、奥さんのマリーナさんにもインタビューできた。夫妻が住んでいた家に行ったが、放射能の危険のため封鎖されていた。取材の結果、私は、プーチンは謀略で権力を簒奪したと確信したチェチェン独立運動が権力簒奪に利用され、プーチンは謀略でチェチェン人をテロリストと印象付け、チェチェンへの戦争をはじめたことによってロシア国民の圧倒的支持を集めることに成功した。

このカラクリを暴いたジャーナリストの
アンナ・ポリトコフスカヤもまた自宅で暗殺された。ロシアは権力の出自が最も汚い政権の一つである。ロシア政権の根っこには深い闇の世界がある。日本は、北方領土の交渉を理由に、プーチンが内外で酷い無茶をやってもきちんと批判しないできた。中国だけでなくロシアにも甘い。安倍首相が国連に行った去年10月、おべっか笑いをしながら小走りにプーチンに近づく映像をみて、情けないやら恥ずかしいやら、身もだえする思いだった。これでよく人権がどうのこうの言えるものだ。(高世仁の「諸悪莫作」日記 2016-01-22

上記の「今日の言葉」に関連して常岡浩介さんのTwitterから該当ツイートとリツイートを資料として引用しておきます。

【「常岡浩介Twitter」から】

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